Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

spontaneous mutation in iPSCs? トピック削除
No.5547-TOPIC - 2016/11/12 (土) 08:17:56 - spontaneous mutation?
現在イギリスである遺伝性疾患を持つ患者さんを研究している者です。
患者さんおよびそのご家族から樹立したiPSCs, primary skin fibroblastsおよびEBV-immortalized B lymphoblastsを実験に用いています。

これらの家系ではすでにホールエクソームシークエンスは施行されており、患者さんはある遺伝子Xのホモであり、両親はXのヘテロ接合体であることが分かっています。その患者さんはXのノックアウトマウスと同じ表現型を示しています。

私のサイドプロジェクトである遺伝子Yの発現ベクターを構築するため、たまたま手元にあったその家系のお母さんのiPSC cDNAから遺伝子Yをクローニングしました。するとその遺伝子Yにミスセンス変異があり、その変異はSNP data baseに登録されておりました。地域にも依りますが、0.1-1%ほどの頻度のようでした。PCRによる変異でないとすれば、そのお母さんはYのホモのようです。ちなみにこのYのミスセンス変異はタンパク質の機能には影響しないとありました。

一方、同時に別の遺伝子Zもクローニングしており、驚いたことに遺伝子Zにもミスセンス変異が存在しており、その変異もSNP data baseに登録されておりました。かなり有名な変異らしく、論文にもいくつか解析されてました。その頻度も極めて低いようです。その変異もタンパク質の機能には影響をしていないようです。そしてそのお母さんはZのヘテロのようでした。

CDS内にもsynonymous mutationsがいくつかあり、何かおかしいんではないかと疑い始めました。両親の方は疾患は持っておらず、全くの正常です。PCRはhigh fidelity polymeraseを用いていますし、サイクル数も25程度です。確かにiPSCを培養していた際は、継代や分化に手こずり、随分時間がかかってしまった覚えがあり、長期培養してしまったことでのartificialといいますかspontaneous mutationsが導入されてしまったのではないか?と考えています。

今は繊維芽細胞や不死化B細胞のcDNAでもダブルチェックをしているところですが、素朴な疑問として、長期間培養により所謂ヒトデータベースに登録されているような”ホットスポット”に体細胞変異が培養ディッシュ内でも入ってしまうのでしょうか。。DNA damagesがあったりするんだろうかと不思議に思いながらこれからPCRを始めるところです。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



4件 ( 1 〜 4 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.5547-4 - 2016/11/12 (土) 09:52:28 - おお
>数年前に行ったホールエクソームシークエンス

あんまり詳しくないんですが、エクソームシークエンスのVariant filteringとかかかってるんですか?
ttps://gtbinf.wordpress.com/2012/11/30/exome-analysis-pipeline-for-rare-variant-calling-prioritization-and-disease-association-in-exome-of-an-individual-from-colombian-descent/

(無題) 削除/引用
No.5547-3 - 2016/11/12 (土) 09:32:00 - PK
そのiPSCのgenomic DNAでの変異は確認済みでしょうか?

>継代や分化に手こずり
との事ですが、cDNAはiPSCから分化誘導した細胞由来でしょうか? もしそうなら、分化誘導前の未分化iPSCの保存ストックがあれば、変異の確認をしてみるとよいかもしれません。

培養の過程でクローン化のステップが入っているかどうか分かりますでしょうか? 樹立時はクローンだと思うのですが、その後の培養過程で分化しやすいサブクローンを選択した、とか。

(無題) 削除/引用
No.5547-2 - 2016/11/12 (土) 08:24:47 - spontaneous mutation?
すみません、追記です。

数年前に行ったホールエクソームシークエンス(両親および患者さんのサンプル)ではホモの遺伝子はXのみスコアされ、ヘテロの遺伝子リストにはYやZは入っていないんですよね(どの細胞を使ったかはわかりませんが)。やっぱりspontaneous mutationsかもしれないですね。

spontaneous mutation in iPSCs? 削除/引用
No.5547-1 - 2016/11/12 (土) 08:17:56 - spontaneous mutation?
現在イギリスである遺伝性疾患を持つ患者さんを研究している者です。
患者さんおよびそのご家族から樹立したiPSCs, primary skin fibroblastsおよびEBV-immortalized B lymphoblastsを実験に用いています。

これらの家系ではすでにホールエクソームシークエンスは施行されており、患者さんはある遺伝子Xのホモであり、両親はXのヘテロ接合体であることが分かっています。その患者さんはXのノックアウトマウスと同じ表現型を示しています。

私のサイドプロジェクトである遺伝子Yの発現ベクターを構築するため、たまたま手元にあったその家系のお母さんのiPSC cDNAから遺伝子Yをクローニングしました。するとその遺伝子Yにミスセンス変異があり、その変異はSNP data baseに登録されておりました。地域にも依りますが、0.1-1%ほどの頻度のようでした。PCRによる変異でないとすれば、そのお母さんはYのホモのようです。ちなみにこのYのミスセンス変異はタンパク質の機能には影響しないとありました。

一方、同時に別の遺伝子Zもクローニングしており、驚いたことに遺伝子Zにもミスセンス変異が存在しており、その変異もSNP data baseに登録されておりました。かなり有名な変異らしく、論文にもいくつか解析されてました。その頻度も極めて低いようです。その変異もタンパク質の機能には影響をしていないようです。そしてそのお母さんはZのヘテロのようでした。

CDS内にもsynonymous mutationsがいくつかあり、何かおかしいんではないかと疑い始めました。両親の方は疾患は持っておらず、全くの正常です。PCRはhigh fidelity polymeraseを用いていますし、サイクル数も25程度です。確かにiPSCを培養していた際は、継代や分化に手こずり、随分時間がかかってしまった覚えがあり、長期培養してしまったことでのartificialといいますかspontaneous mutationsが導入されてしまったのではないか?と考えています。

今は繊維芽細胞や不死化B細胞のcDNAでもダブルチェックをしているところですが、素朴な疑問として、長期間培養により所謂ヒトデータベースに登録されているような”ホットスポット”に体細胞変異が培養ディッシュ内でも入ってしまうのでしょうか。。DNA damagesがあったりするんだろうかと不思議に思いながらこれからPCRを始めるところです。

4件 ( 1 〜 4 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。