半年ほど前にBrexitで騒ぎになったイギリスで仕事してる者です。国民投票後は、施設のトップから、あるいは有力なfunding bodyから、「現状では何も変わりはなく、EUからの優秀な研究者や学生に対して、これまでと変わらぬサポートを提供する」との声明が出ました。それから半年経ちましたが、Brexitが決まる前からグラント獲得が厳しい状況が続いているのも事実であり、グラントのリニューアルに失敗したPIレベルの研究者のうち、ドイツやフランスから来ていた方の中で、帰国を選択される方がちょこちょこ出てきている感じです。Brexit自体はまだ何も動いてないので、直接の影響ではないですが、現状の厳しさと先行き不透明感から、このような選択をするEU出身の方が今後も増えるような気がします。
トランプ大統領になって、どのような影響がNIH fundingに出るかは予想が難しいと思います。当選後のトランプ氏の発言は、選挙運動中とはかなり変わってきてますので。アメリカ人の利益を第一に考えた政策になる事は予測されるので、non-citizenの研究者の方々は不安を感じていると思いますが、一方でトランプ氏の経済政策や税制変更が奏功して経済状況が全般的に改善する可能性もありますよね。グリーンカードで米国滞在している日本人研究者の方の場合は、アメリカの市民権を取れれば、少なくともnon-citizenである事のリスクは回避できますが、残念ながら日本は二重国籍を認めてないですよね。日本人である事を捨ててアメリカ人になる決断はなかなかできないでしょうし、ここは様子を見るしかないような気がします。今すぐカナダに移住と言っても、ポジションがなければ始まらない事ですし、手持ちのグラントが走っている間は、何だかんだ言いながら皆さんアメリカで頑張るんじゃないかと思っています。 |
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