Bio Technical フォーラム

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No.5455-13 - 2016/10/12 (水) 15:51:02 - AP
老婆心ですが、

どんなタンパク質でも条件検討さえうまくいけば可溶性発現できるというわけではないです。例えば、疎水性のタンパク質、疎水性ドメインをもつ膜タンパク質などは大腸菌にとって毒性であるので、発現すると死んでしまうか、封入体として発現するかのどちらかという場合がほとんどです。可溶性発現したとしてもすぐ死んじゃうんでしょうね。こういう場合、毒性に強いという宿主を使うと死ぬのは回避できることはありますが、てもやっぱり封入体に発現してしまいます。

目的のタンパク質が割と小さい場合は、親水性の大きめのタグと融合すると可溶性発現できる場合もあります。GSTはその選択肢のひとつですが、それでダメだったならMBPとか、

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No.5455-12 - 2016/10/12 (水) 14:34:52 - おお
なんならダメ元で少しTX-100の濃度をあげて、コールドルームとかでスターラーで撹拌してO/Nでほっておいてみたら。
あとは1Mぐらいだっけ、、、の尿素ならば蛋白に大きな構造変化をもたらさないなどの理由でExtractionに使うこともあるようです。

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No.5455-11 - 2016/10/12 (水) 14:30:34 - おお
正攻法はないですね。基本的な考え方としては発現量を下げて蛋白同士の接触による凝縮や、翻訳スピードを下げてフォールディングの時間を十分持たせるなどですが。誘導にラクトースを使ったりヒートショックでシャペロニンの活性誘導したりという色々な試みもありますけど。

不溶画分にたくさんあっても、可溶画分にきた蛋白で実験可能な量取れるなら、可溶画分のものを精製して使うというのもありです。

溶出条件も可能性のあるパラメーターは色々あるけど、試したけどげきてきにわることはないことも結構ありますので、、、どの程度そういう条件検討に当てれるかというのもあるかと。

GSTであればちょっと強めの界面活性剤でサルコシルでもある程度以下の濃度ではGSTが変性せずにファンクショナルなので、一部の研究者たちの間ではポピュラーなようです。

その他マイルドなデタージェントとしてデオキシコール酸やCHAPSなどが使えるか私はよくわかりませんので調べてみるといいかもしれません。

大腸菌は色々バリエーションがあり選択しがありますが、、、どうかなぁと。。。

プラスミドについてはGSTは結構可溶化に寄与するらしくって一般的にはHISよりいいという話もあります。

物によってはCBB染色で発現が認識できないような状態でもWBで確実に物ができていることがわかっていれば精製に持ち込むこともあります。もちろん収量はCBBなどではっきりわかるほど出ているものに比べて少ないです。

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No.5455-10 - 2016/10/12 (水) 13:38:10 - 初学者
大腸菌でのタンパク質発現に難渋しております。
中々レスが付かず、傷心気味ですが、些細な情報でも構いませんのでよろしくお願い致します。

今はGST融合タンパク質の発現をBL 21にて行っています。robustな発現は認められますが、ほとんど全てがinclusion bodyに行っています。(PBS-1% Triton X-100中で6分間、200 Wでそニケーションした上清とペレット。)

温度も18度まで下げ、IPTGも0.1 m/mまで下げましたが、大きな変化はありませんでした。
そこで次に考えることとしてみなさまにお聞きしたいのは、

1. 大腸菌の種をBL21から別のものに変えてみる。(この場合、菌を購入する必要があります。)

2. plasmidを変えてみる。現在pGEX-4T2ですが、それをpETのN末にHisが来るものなどにかえてみる

等考えていますが、どれが正攻法なのかどうかは周りに聞ける人がおりません。
どうかみなさまの中でコメントをいただけるようでしたら、些細な情報でも構いませんのでよろしくお願い致します。

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No.5455-9 - 2016/10/09 (日) 14:18:16 - 初学者
mon様、早速コメントをいただき有難うございます。

頻繁にみていましたが、レスが付かず、諦めていたところでした。

auto-induction midiumというのは過去のスレッドでもみていました。
こういった組成なのですね。まずは参考文献をあたってみてfeasibleかどうかを考えてみたいと思います。ありがとうございます。

さて、今朝、CBBの脱色が終わっていたので条件検討の結果を報告させていただきます。

IPTG 0.1 mMでは9時間では、トータルライセートでは全く発現を認められませんでした。
19時間では不溶性画分にのみガツんとbandがでていました。

IPTG 0.4 mMでは9時間では不溶性画分に薄くbandが認められましたが、19時間では不溶性画分にドカンと、さらに可溶性画分にうっすらとbandが認められました。

今、この可溶性画分で認められたbandが欲しいものなのかどうかをwestern blotにて確認中です。

また、3%エタノールではトータル及び、不溶性画分いずれにおいても発現量が減少していました。1% Glucoseは少しだけですが、発現量をあげていそうです。

ただ、可溶性画分にドカンと出るような条件は見つけられませんでした。

やはり封入体からのタンパク質の抽出、溶出、脱塩、エキクロと想像以上に長い道が残っているかもしれません。。

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No.5455-8 - 2016/10/09 (日) 14:03:51 - mon
auto-induction midiumも良いですよ。
F.W. Studier (2005) Protein production by auto-induction in high-density shaking cultures. Prot. Exp. Pur. 41, 207-234.
http://www.helmholtz-muenchen.de/fileadmin/PEPF/PDF/Studier_media.pdf
さっき調べたら、以下もありました。
Sci Rep. 2016 Sep 9;6:33037. doi: 10.1038/srep33037.
A self-inducible heterologous protein expression system in Escherichia coli.

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No.5455-7 - 2016/10/08 (土) 12:39:48 - 初学者
誤りがありました。IPTGの濃度は0.1mMまたは、0.4mMです。
申し訳ありません。

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No.5455-6 - 2016/10/08 (土) 12:37:37 - 初学者
大変恐縮ですが、あげてみました。

今の問題点は、GST融合タンパク質が封入体と思われるところに来ているようです。
当方、大腸菌でのタンパク質発現は初めてで、封入体なのかどうなのかも自信が持てないでいます。(大腸菌ペレットを1%トライトンX100を含むPBSに懸濁し、ソニケーションし、遠心後に得られた上清を可溶性画分、非常に硬いペレットを不溶性画分というのが私の定義です。)

今現在の実験目的は、不溶性に来てしまったタンパク質を、まずは可溶性画分に来るよう出来るところまで試行錯誤するというものです。封入体からのタンパク質精製にとりかかるのは最終手段とさせてください。

指南書等、参考にいたしまして、以下8本の2ml試験管を用意しました。

IPTG 0.1 mg/mlをくわえ、更に以下の添加剤を加えました。

1. 添加剤無し
2. 1%グルコース
3. 3%エタノール
4. 1%グルコースと3%エタノール

IPTG 0.4 mg/mlをくわえ、更に以下の添加剤を加えました。

5. 添加剤無し
6. 1%グルコース
7. 3%エタノール
8. 1%グルコースと3%エタノール

温度は19度(私の所属するラボのシェイカーの最低温度です。)で、9時間後に8本の試験管から1mlを回収し、更に9時間後に残りの1mlを回収するという計画です。

温度こそ一定ですが、以上の小スケールの実験により以下の項目の条件が検討されます。

IPTG濃度(0.1または0.4)
時間(9時間または18時間)
添加剤の効果(グルコース、エタノールおよびその両者)

これらの条件からもっとも可溶性画分に欲しいタンパク質が来る条件を見つけ出したいと思っています。最終的には精製したタンパク質(ある受容体のリガンドです。)でファーウエスタンブロットに用いることにしています。

GE社から出ているGST融合タンパク質のための冊子も既に読みました。
自分なりに実験を上記のように組んでみましたが、皆様の中で更にここをこうした方がいい、これはおかしいのではないか?というご指摘がありましたら、書き込みしていただけると大変嬉しいです。

また、上記結果が出ましたら、シェア(といってもまたご意見を募る口実になってしまいそうな気がしますが)させていただきます。

大変恐縮ですが、よろしくお願い致します。

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No.5455-5 - 2016/10/07 (金) 13:25:20 - 初学者
WInter-8様、大変詳しくトロンビンについての印象をシェアしていただき、有難うございます。

とても安心しましたし、勇気がでました。
ベクターを他に変えることなく、まずはpGEX-4T系で行ってみます。
といってもまだ可溶化のステップにいけていないのですが。。

> 最初は少量で検討するのが良いですよ。時間は数時間~overnight~24時間など、好きに設定してください。

はい。IPTGでの誘導時間、濃度、温度等は2 mlのmini cultureで予備検討していました。
大腸菌でのタンパク質発現は初めてですが、CBBでみる限り、大腸菌のタンパク質の50%以上を占めているのではと思うほど、IPTGの切れ味も然りですが、毎日が驚きの連続です。これまで293TやCHOなどでタンパク質を発現、精製して得られる量に圧倒的な差がありますね。

ぜひWInter-8様からご教示いただいたように、トロンビン処理は4℃でも試してみたいと思います。またon columnではそのような問題が生じうるのですね。お聞きしてよかったです。

> グルタチオンで溶出後にイオン交換カラムか脱塩したサンプルで検討するようにしています。
グルタチオン溶出後はアミコンなどの限外ろかでもいいような気もしますが (?)、イオン交換のレジンがあるかまずは確認してみます。改めまして、心より感謝申し上げます。有難うございます。

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No.5455-4 - 2016/10/07 (金) 13:17:36 - 初学者
おお様、有難うございます。

実は一昨日、タンパク質をBL 21に発現し、可溶画分にきたと書きましたが、私の誤りでした。一昨日行ったのは大腸菌のペレットに1x SDS Laemuli sample bufferを加え煮沸処理したものでした。これを可溶画分と理解していました。ですが、実際には可溶画分も不溶性画分も一緒に抽出されてしまっていますよね。

そこできちんと可溶画分を抽出するため、論文に倣い、 mini culture 1 mlから得られた大腸菌ペレットを0.1 mg/mlのポリミキシン in PBS (総量500 ul)で4℃、一晩ローテーションしてみました。その後、10,000g, 5 minで遠心し、上清とpelletを得ました。pelletには1 x SDS sample bufferを加え、sonication後、boilしてサンプル調整しました。上清の方には6x sample bufferを加え、boilしました。結果、目的のタンパク質はpelletの方にしか現れず、当初、不溶画分に行ってしまったと思いましたが、そもそも上清の方にはCBBで染まるbandが一切なく、そもそもポリミキシンで細胞から可溶性タンパク質が抽出されているか懐疑的でした。

そこで、今朝は大腸菌pelletを1% Triton X-100を加えたPBSもしくは、ただのPBS 500 ulに大腸菌ペレットを懸濁し、1 minのsonicationを行いました。その後、10,000g, 5 minで遠心し、上清を可溶性画分とし、一方、pelletを不溶性画分と定義しました。

驚いたことにこの不溶性画分のpelletに1 x sample bufferを加えると、非常に硬く、pipetingではきちんと均一な溶液になりませんでした。これが封入体と呼ばれるものなのでしょうか?

結局、sonicationを1 min行い、ボイルすることで均一な溶液になりました。
今後調製したサンプルでSDS-PAGEを行い、CBB染色する予定でいます。

もし硬いpelletが封入体だったとすれば、1x SDS sample bufferではなく、8 M グアニジンや4 M尿素を使うのが常法だったでしょうか?

また、GST融合タンパク質として目的タンパク質を発現させる目的として、可溶性を高め封入体に取り込まれないようにするため、とありますが、そうはいってもGST融合タンパク質でも封入体に入ってしまうことは珍しくないのでしょうか?

非常に稚拙な質問を重ねてしまい、恐縮していますが、お手隙の際にご教示いただけますと幸いです。

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No.5455-3 - 2016/10/06 (木) 21:35:23 - WInter-8
スロンビンは昔から使われてきた酵素で、安価で失活もしにくく扱いやすい(と思っています)。
至適温度や効率といった点でより優れた酵素が出てきているのも事実ですが、今でもスロンビンは広く使われていますから、信じて使ってみてください。
(業者の回し者じゃあないですよ)

>時間、温度、on colommか還元型グルタチオンで溶出後に行うかでの効率等の印象をお聞かせいただけるととても参考になります。

最初は少量で検討するのが良いですよ。時間は数時間~overnight~24時間など、好きに設定してください。
私の場合、温度は4度と20度で試しています。37度は変性が怖くてやったことがありません。それと、最初の検討でon columnは推奨できません。切れた産物がアグってカラムから出てこないことも予想されます。グルタチオンで溶出後にイオン交換カラムか脱塩したサンプルで検討するようにしています。

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No.5455-2 - 2016/10/06 (木) 21:01:02 - おお
やってみないとわからないよそれは。

大腸菌でのタンパク質発現 削除/引用
No.5455-1 - 2016/10/06 (木) 20:54:14 - 初学者
大変初歩的な質問で恐縮していますが、相談させていただけますでしょうか。

私は大腸菌BL 21にて27 kDaのうさぎ由来タンパク質を、GST融合タンパク質として発現させたいのですが、そのプラスミド構築のためにpGEX-4T2を利用しました。

発現されるタンパク質はN末端から、
GST-トロンビン認識配列-目的のタンパク質-myc-His6になるかと思います。

予備検討として、OD600 = 0.6のBL 21 in LB培地 2 ml に1 mM IPTGを加え、25℃で4時間誘導を行い、コントロールとして発現させたGST単体と遜色なく、大腸菌が発現する大部分のタンパク質として可溶性画分にGST融合タンパク質が発現していることが確認されました。

続いての操作を今確認しているのですが、グルタチオンビースにトラップされたGST-融合タンパク質を50 mM Tris-HCl, 10 mM reduced glutathione, pH 8.0で溶出し、その後、トロンビン消化を行う予定ですが、ここにきてトロンビンのいい話をあまり聞かないのかなという印象を抱き始めました。

例えば、以下にありますようにGE社がPreScission Protease、Factor Xa、 Thrombinの各プロテアーゼで使いやすさを比較していますが、Thrombinのパフォーマンスは散々(失礼な言い方ですみません。)なようです。

gelifesciences.co.jp/newsletter/life_science_news/pdf/lsn2002-4_gstrap-detail.pdf#search='GST+thrombin+消化'

ここのbiotechnical forumの過去のトピックを探しても、Thrombinにはいい記憶がない、との書き込みを一つだけですが確認できました。皆様の印象はいかがでしょうか?トロンビンの至適温度が22℃であり、4°Cでは顕著に切断効率は低下とあるので、私自身、実験を始める前に最後の最後まで実験手法を確認すべきだったと猛省しています。

まだ消化を試みたわけではありませんが、もし非特異的な切断や、切断効率に問題があれば、GST融合タンパク質としてまずは実験に用いれないかを考えてみようと思っています。

皆様にお聞きしたいのは、トロンビン認識配列を持つGST融合タンパク質の、GST切断についての印象になります。特に、非特異的切断(これは私のタンパク質にも依るかと思いますが)、時間、温度、on colommか還元型グルタチオンで溶出後に行うかでの効率等の印象をお聞かせいただけるととても参考になります。

因みに、以下を参照し、Thrombin切断バッファーはPBSを用いる予定でいます。gelifesciences.co.jp/technologies/affinity/pdf/gst_batch.pdf#search='GST+精製'

稚拙な内容で大変恐縮しておりますが、よろしくお願い致します。

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