いつも勉強させていただいております。
どうしても解釈に苦しむ現象があり、お知恵を拝借したく存じます。
ある機関にCRISPR/Cas9を用いたKOマウスの作成を依頼しました。
NGSでdeep sequenceを行い、2塩基欠失の結果Premature stop codonが得られた系から、ヘテロマウスを成果物として受け取りました。これをもとに、バックグラウンドをそろえた野生型マウス(C57BL6J)と掛け合わせ、F1, F2と増やすことにしました。
Genotypingの手法を検討したところ、たまたま変異箇所にレアな制限酵素サイトが出現していたため、変異箇所を挟む300bp程度のPCR産物を、制限酵素で切断する手法を用いることとしました(変異が2塩基欠失ということもあり、特異的なプライマ設計は様々に試みましたが困難でした)。
ところが、Genotypingを進めるうちに奇妙な現象にいきあたりました。
すなわち、
<ホモ>
・300bpの1本バンド(厳密には298bpですが区別できません)
・制限酵素でより短い2本に切れる(想定通りの長さ)
・PCR産物のDirect sequenceでは、変異のみを確認できる
<WT>
・300bpの1本バンド
・制限酵素で全くきれない
・Direct sequenceでは、野生型のみを確認できる
<ヘテロ>
・300bpの他に、350、380bpのバンドが出現
・制限酵素で、300bpのバンドが消えて、ホモと同様に短い2本に切れる
・Direct sequenceで、Forward primerはシグナル重複が激しく読めず。Reverse primerでは変異箇所の直前まで正しく読めている。
Direct sequenceの結果から、PCRに用いてるForward primerが非特異的なバンドの原因だろうと推測されましたが、ホモとWTの個体で検出されない点が矛盾します。
またさらに不思議なことに、1本バンドを示すホモの個体とWTの個体を掛け合わせると、上記のヘテロと同様、350、380bpの”非特異的”バンドが復活します。この現象は複数回の掛け合わせで例外なく再現されています。
現在、ヘテロでみられるそれぞれのバンドをクローニングしてシークエンスを確認しておりますが、上記のように
「ヘテロ個体のみで変異箇所を含むPCRバンドが複数出現する」現象をうまく説明するアイデアはあるでしょうか。
わかりにくい説明で申し訳ございません。
不明な箇所はなるべく詳細に追記いたしますので、コメントいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。 |
|