適切に電気泳動をしていない場合、バンドが見えない可能性はあります。
・変性していないためにRNA分子の移動度が一定にならずフォーカスしないので、バンドが見えない。
・ゲルの濃度が適切でない(低分子用でない)ためにバンドが拡散して良く見えない(200 ntならアガロースゲルでも2%くらいのゲルなら十分分画できるサイズ)。
非変性ゲルでも、サンプルを変性ゲル電気泳動法と同様に変成してから泳動するとかなりちゃんとバンディングします。サンブル変性時に少量のEtBrを入れておくと、インターカレーションでない様式(架橋?)でRNAに結合するので高い感度で染めることができる。
IVTでのプローブ作製は、うまくいくと鋳型インプット(重量ベースでなく分子数で)の20倍程度の収量があるというけれど、なかなかそうは行かない。数倍とかせいぜい二倍とかいうこともある。一方、電気泳動での核酸の染色強度は重量ベースでの核酸量と比例する。
IVTのターンオーバー(鋳型数の数倍)と230 ntという分子量の小さいRNAであった場合、検出可能な物質量が泳動されているだろうか(おそらく一本鎖RNAだと1バンド少なくとも数十ngは必要)。
それと、くり返し言うけれど、なぜまずスポットテストなどでラベルの評価をしないのか? メンブレンにはある程度の大きさのDNAやRNAしか結合せず、フリーの標識ヌクレオチドはつかないので、どのくらいの力価で標識が検出できるかをみることで、取り込み量(≒収量)も力価も評価できる。どこの製品でやっているか知らないけれど、すくなくともRoche (DIGシステム)では、それがマニュアル通りの標準の方法である。 |
|