膜蛋白質ですので、その高い疎水性ゆえに、たまに電気泳動前の加熱処理により凝集、不溶化など起こすものもありますので、念のため確認されたほうがよいかもしれません。これがおこると泳動してもdectin-1自体がwell内やstacking gel中に留まり、ゲルに入らなくなりますので見かけ上検出されません。この可能性がありそうなときは、加熱なしでβME添加後、室温〜37Cくらいで数時間〜O/N放置してから泳動してます。膜蛋白質の場合、さまざまな理由で、分子量が理論値と異なる位置にバンドが来る場合もしばしばあります。
受容体ですので、もともと量的にとても少ないため検出できないのかもしれません。膜画分と可溶性画分などに分けてから分析することも(いらないものを除き、必要なものを集めるという意味で)、濃縮が期待出来るのでひとつの対策とおもいます。そうした分画用のキットも市販されていますが、単純に界面活性剤を含まないbufferで物理的に細胞を破砕して(超音波は膜が微小なパーティクル状になり沈殿しなくなるのでしない方がいい)から遠心して、沈殿と上清で別々に分析することでもうまくいくかもしれません。細胞ですともともと蛋白質量がすくないので液量を気をつけないと薄まり過ぎてしまうので、液量は必要最小限に押さえたほうがいいです。 |
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