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the cancer-stem-cell theory トピック削除
No.5028-TOPIC - 2016/05/01 (日) 05:46:50 - おお
businessinsider.com/stemcentrx-acquired-by-abbvie-2016-4
こちらの記事を見ながら思ったことですが、

cancer-stem-cellという概念が提案されてから数年たち、それに基づいた薬も開発されてきましたが、なかなか臨床試験で納得がいく結果につながっていようです。

記事中にも一人のscientistの意見として、
I would say the cancer-stem-cell theory is waning a little bit."
と書いています。

研究に携わっている皆さん、携わったことのある皆さん、あるいは注視してきた皆さんの現在の感触や感想などあれば伺いたく思います。
 
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EMT 削除/引用
No.5028-11 - 2016/05/05 (木) 08:29:20 - DrCarter
>これどの文献か開示できますでしょうか。なかなか奥が深そうです。

Yan, C. et al. Epithelial to Mesenchymal Transition in Human Skin Wound Healing Is Induced by Tumor Necrosis Factor-α through Bone Morphogenic Protein-2. Am J Pathol 176, 2247–2258 (2010)
です。改めて見てみると、臨床検体の染色・PCRとvitroだけ。。。そもそもAJPに値しないというか、AJPのレベルが最近落ちていることを反映しているのか。。。病理医の友人は、AJPの編集部にはまともな病理医がいないとしか思えないと憤っていました。


>In vivo EMTについては、fibroblast系の決定的なマーカーが確立していない事、lineage tracingの特異性(元になる細胞の由来を決定するプロモーターの特異性)がどの程度なのか疑問である事、などを考えると、なかなか難しいですよね。

その通りだと思います。FSP-1などは、染色してみると全くfibroblast特異的ではないですし、Collagen type 1も色々な細胞が発現していますからね。

(無題) 削除/引用
No.5028-10 - 2016/05/04 (水) 23:49:47 - おお
>[Re:5] DrCarterさんは書きました :
> 臨床病理をやっている友人が「病理医でEMTを信じている人なんて一人もいないよ」と言っていました。ちょうど手元にあったAmerican Journal of PathologyのEMTに関する論文を見せたところ、論文内でEMTの証拠とされるヒト検体表皮内のvimentin陽性細胞について「病理医が診たら、100人中100人がただのメラノサイトだと言うと思う」とのことでした。

これどの文献か開示できますでしょうか。なかなか奥が深そうです。

(無題) 削除/引用
No.5028-9 - 2016/05/04 (水) 05:35:05 - bonnetdick
In vivo EMTについては、fibroblast系の決定的なマーカーが確立していない事、lineage tracingの特異性(元になる細胞の由来を決定するプロモーターの特異性)がどの程度なのか疑問である事、などを考えると、なかなか難しいですよね。

「病理医の先生方は誰もEMTを信じていない」というのには、ちょっと衝撃を受けました。Vimentinとかで見てる時点で、駄目だろうとは思いますが、lineage tracingと併用(ヒトではできませんが)していれば、上皮系の細胞が非上皮系の細胞になった、くらいの事は言えそうな気もするのですが。細胞分化のplasticityそのものを信じてないという事なのでしょうかね?

「譲りたくない一線ですよね」に、強く賛同します。

(無題) 削除/引用
No.5028-8 - 2016/05/03 (火) 07:58:25 - おお
>[Re:5] DrCarterさんは書きました :

> いずれにしろ、問題は臨床と基礎の分野が乖離しすぎてしまって、一部の基礎研究者の目的が「世の中をよくすること」(ほとんどの業界からはお花畑と言われそうですが、譲りたくない一線ですよね)ではなくなっていることが問題だと感じています。


臨床応用を目指す基礎研究は確かに臨床目線も必要ですねぇ。それよりももっと基礎に当たる部分はそういうのは必要ないかもしれませんが、でも研究費を取るにはそれとつなげたくなるんだろうなぁ。。。EMTは表面上のことだけしか知りませんので、あまりコメントできませんが機会があったらちょっとほじくってみます。

(無題) 削除/引用
No.5028-7 - 2016/05/03 (火) 07:45:04 - おお
>[Re:3] bonnetdickさんは書きました :
> Cancer stem cellについては、概念が出た当初からxenotranplantによるバイアスの問題があったのですが、お金がかなり付いたので皆それに乗った(一部強く信じている方もいるとは思いますが)という感じかな、と個人的には思ってます。かなり早い時点で、syngeneicのマウス白血病移植の系では、ヒト白血病細胞のxenotransplantのような結果にはならない事が一流誌で報告されていたと記憶しているのですが、何故かarticleやletterではなくbrief communicationに放り込まれていました。穿った見方ですが、反論を大々的に取り上げるより、領域を盛り上げるほうが大事、みたいな感じがあったのかもしれません。

冷静に見ている人もいるにはいたようですね。あまり細かくは見てませんが、マウスの系できれいにいっている実験結果を見たことがあります。
問題は、全てこれだとなってしまっていたころなんでしょうかねぇ。わたしはどうもこの説は最初から納得できなかったですけど。まあマウスのきれいな系がり、完全な妄想ではないので、切り口として考慮に入れてもいいのかなとそれで思ったことはあります。

ただ製薬会社が盛り上がるのはある種いいことなのかもしれません。それで治療ができる可能性があるならやってみるという姿勢は悪い姿勢ではないので(ただ効かなかったらどこでストップするかによりますけどかなりのお金が無駄になりますけど)。

> EMTと転移については否定的な論文が出てきてますが、もう少し様子を見たいと思っています。同時に、EMTと治療感受性についても、再現性のあるコンセプトかどうか、もうちょっと待ってみたいと思ってます。

これも実験系次第なのかもしれませんね。

(無題) 削除/引用
No.5028-6 - 2016/05/03 (火) 07:34:31 - おお
>[Re:2] ぴぃりさんは書きました :
> EMTもがん転移に重要だと言っていたのに、結局関係なかったみたいですしね。
> ワインバーグの論文は信用できないですね。
> その割にコンスタントにNature, Cell, Science出すのもよくわからないですが。
> すみません個人的な意見ばかりで

いい実験系を用いて、上手くアピールしたんでしょう。そういうのはうまいのかもしれませんし、そこはある意味優れていると認めてもいいのかもしれません。

まあ論文なんてこういうものは私は一つの提案として受け止めますが、なんか提案じゃなくって普遍の事実として受け入れられてしまったんでしょうかねぇ。色々と見抜けないと全てに対して嘘だとか正しいの2面だけになってしまいますので、もう少し突っ込んでコメントをいただけると嬉しいです。

EMT 削除/引用
No.5028-5 - 2016/05/02 (月) 20:34:10 - DrCarter
臨床病理をやっている友人が「病理医でEMTを信じている人なんて一人もいないよ」と言っていました。ちょうど手元にあったAmerican Journal of PathologyのEMTに関する論文を見せたところ、論文内でEMTの証拠とされるヒト検体表皮内のvimentin陽性細胞について「病理医が診たら、100人中100人がただのメラノサイトだと言うと思う」とのことでした。
個人的には、少なくともマウスにおいてはEMTは起こっているのだと思いますが、インチキ論文もたくさんあるのだろうなぁと思っております。EMTのdirect evidenceはlineage tracingの蛍光染色であることが多いですが、蛍光染色なんてどうにでもいじれますからね。
いずれにしろ、問題は臨床と基礎の分野が乖離しすぎてしまって、一部の基礎研究者の目的が「世の中をよくすること」(ほとんどの業界からはお花畑と言われそうですが、譲りたくない一線ですよね)ではなくなっていることが問題だと感じています。

(無題) 削除/引用
No.5028-3 - 2016/05/01 (日) 23:33:16 - bonnetdick
Cancer stem cellについては、概念が出た当初からxenotranplantによるバイアスの問題があったのですが、お金がかなり付いたので皆それに乗った(一部強く信じている方もいるとは思いますが)という感じかな、と個人的には思ってます。かなり早い時点で、syngeneicのマウス白血病移植の系では、ヒト白血病細胞のxenotransplantのような結果にはならない事が一流誌で報告されていたと記憶しているのですが、何故かarticleやletterではなくbrief communicationに放り込まれていました。穿った見方ですが、反論を大々的に取り上げるより、領域を盛り上げるほうが大事、みたいな感じがあったのかもしれません。

もちろん、慢性骨髄球性白血病のように、cancer stem cellの概念が出てくるずっと前から、幹細胞の腫瘍化とその分化による病態として理解されていた疾患もあり、このような疾患はcancer stem cellの概念にフィットします。慢性骨髄性白血病は「がん」ではなく「前がん」状態ですが、同様のタイプの「前がん疾患」で分化傾向を示す腫瘍の場合は、cancer stem cellの概念に合う場合が他にもあるだろうと思います。「がん」でも分化傾向を示す場合は、cancer stem cell的な細胞が存在するとは思いますが、そんなに低頻度ではないと思われるので、ピンポイントでたたくような治療戦略は無理と思っています。

EMTと転移については否定的な論文が出てきてますが、もう少し様子を見たいと思っています。同時に、EMTと治療感受性についても、再現性のあるコンセプトかどうか、もうちょっと待ってみたいと思ってます。

(無題) 削除/引用
No.5028-2 - 2016/05/01 (日) 08:51:14 - ぴぃり
EMTもがん転移に重要だと言っていたのに、結局関係なかったみたいですしね。
ワインバーグの論文は信用できないですね。
その割にコンスタントにNature, Cell, Science出すのもよくわからないですが。
すみません個人的な意見ばかりで

the cancer-stem-cell theory 削除/引用
No.5028-1 - 2016/05/01 (日) 05:46:50 - おお
businessinsider.com/stemcentrx-acquired-by-abbvie-2016-4
こちらの記事を見ながら思ったことですが、

cancer-stem-cellという概念が提案されてから数年たち、それに基づいた薬も開発されてきましたが、なかなか臨床試験で納得がいく結果につながっていようです。

記事中にも一人のscientistの意見として、
I would say the cancer-stem-cell theory is waning a little bit."
と書いています。

研究に携わっている皆さん、携わったことのある皆さん、あるいは注視してきた皆さんの現在の感触や感想などあれば伺いたく思います。

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