お世話になります。
CRISPR-Cas9でとある遺伝子のノックアウトを取ろうとしています。
その遺伝子がコードするたんぱく質の内在性発現レベルは野生型の細胞でも低いので、間接的にしかノックアウトを証明できそうにありません。そこでgenomic PCR後のDirect sequencingを行っています。
野生型の細胞からのゲノムでは勿論一種類の予想通りのDNA配列が認められますが、PAM近辺に両アリルに一塩基の挿入や二塩基の挿入が認められたクローンをノックアウトとしてその後の解析に用いようとしています。
まだ細胞は24穴プレートの状態です。
この遺伝子のノックアウトでは必ずある表現系を示すことがわかっています。(westernにて。)
きちんとノックアウトの確証を得たいので、定量RT-PCRを行いました。目的の遺伝子から生じたmRNAはナンセンス変異mRNA分解で野生型に比べ、ノックアウトでは減っていることが期待されます。ところが今朝行った定量 PCRの実験では5割もしくは全く減少していないクローンがほとんどでした。検出限界以下のクローンはありませんでした。ナンセンス変異mRNA分解は、ラストエクソンにナンセンス変異がある場合には起こらないようですが、今回の遺伝子は23エクソンから成り、gRNAはエクソン3に設計されております。また、1塩基挿入、2塩基挿入により、ナンセンス変異はエクソン3に生じることがわかっています。
そこでお聞きしたいのですが、direct sequencingの結果でノックアウトであっても、mRNAの減少は必ずしも伴わないのでしょうか?大変稚拙な質問で恐縮しておりますが、どうかご教示いただけますと幸いに存じます。どうぞよろしくお願い致します。 |
|