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インフルエンザウイルス・リバースジェネティクス トピック削除
No.4845-TOPIC - 2016/02/15 (月) 12:56:43 - RG
いつも、参考にしております。

現在、「インフルエンザウイルス・リバースジェネティクス法」の確立を試みております。ラボとしては初の試みですが、遺伝子組換え申請などはすでに通してあります。293T細胞にプラスミドをトランスフェクションしてウイルスを作製後、上清をMDCK細胞に移してCPEを観察することでウイルスが作製できたことを確認しようとしているのですが、うまくいきません。以下、詳細なプロトコールです。

@ 10%FBS入りDMDMで培養している293T細胞(6wellプレート)が50%コンフルの時点で、PolI/PolIIプロモーターをもつbidirectional plasmidをウイルス(PR8)の各分節(8本)を等量でトランスフェクション(=312.5ng x 8つ、リポフェクタミン3000を用いています)。

A トランスフェクション6時間後、PBSで一度洗い、メディウムを2ug/mL TPCK-treated trypsin入りのopti-MEMに交換。

B トランスフェクション2-3日後、上清を回収し0.45umフィルターを通したのち分注して、-80Cに保存。

なお、トランスフェクションのコントロールとして
@のときに、ウイルス遺伝子のORFをGFPに置き換えたPolI-drivenプラスミドをコトランスフェクションすると緑蛍光は観察できます(=少なくともPB2・PB1・PA・NPの発現は問題なさそう)

C 10%FBS入りDMDMで培養しているMDCK細胞(6wellプレート)が100%コンフルの時点で、PBSで2回洗浄。

D Bで得たウイルス液を300uL添加し、1時間インキュベート。

E 1時間後、PBSで一度洗浄し、2ug/mL TPCK-treated trypsin入り・FBSなしのDMEMに交換。

F CPEの出現を1週間観察。 → 残念ながら見られません。

なお、C−Eの過程でポジコンとしてウイルス株(Aichi)を置いていますが、こちらは問題なく2日目からCPEが観察されます。


何か、当方のプロトコールで問題のありそうな点・改善すべき点がありましたら
ご教示ください。
 
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(無題) 削除/引用
No.4845-12 - 2016/02/17 (水) 15:24:24 - ウイルス
HAはトリプシン存在下で開裂してmembrane fusion活性を持つようになりますな

(無題) 削除/引用
No.4845-11 - 2016/02/17 (水) 15:17:37 - RG
>monさま

 ご指摘、ありがとうございます!次回挑戦時は、「トリプシン添加のタイミング」 and/or 「プラスミドの量」をいじってみようと思っていました。
こちらに関して、結果が出たらまた報告させていただきます。

(無題) 削除/引用
No.4845-10 - 2016/02/17 (水) 15:05:13 - mon
ざっと論文を見ると、trypsinを添加しているタイミングが異なるようですね。

(無題) 削除/引用
No.4845-9 - 2016/02/17 (水) 13:16:52 - おお
RGさま。文献提示ありがとうございます。時間があれば勉強させていただき、また気がついたことがあればコメントさせていただくことに致します。

(無題) 削除/引用
No.4845-8 - 2016/02/17 (水) 09:24:51 - RG
>おおさん

 論文は主に下記2点を参考にしております。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10430945
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10801978

+鎖、-鎖という問題については

PolII(CMVプロモーター)・*PolIターミネーター・ウイルスゲノムcRNA(=*genomic RNA)・*PolIプロモーター・ポリAシグナル(BGH)

「*」は相補配列を示します

という配列になっており、
CMVプロモーターからの転写で、mRNAが作られ、ウイルスタンパク質が合成。
PolIプロモータからの転写で、ウイルスゲノムRNA(-鎖)が合成されるという仕組みです。(上記論文を参考に作っており、自作のものについてもシステム自体がワークすることは「タンパク質合成の確認」および「プライマーエクステンション法でウイルスゲノムRNA・ゲノムcRNA・mRNAの3種がきちんとできていること」で確認しています。ただし、この確認は、ウイルス分節8本のうち1本に対してしか行っていません(抗体をもっていないため)。)

宿主因子についてはトリプシンの添加が必要なことを除いては、論文を参考にする限り実験上で特別な考慮は要らなそうですが、もちろん当方の293Tに変なクセがある可能性は否めないと思います。


>ウイルスさま

ご提案、ありがとうございます。そうですね、トラブルシューティングを進めながら、並行して専門家の方にもコンタクトをとってみたいと思います。

(無題) 削除/引用
No.4845-7 - 2016/02/17 (水) 05:05:27 - おお
http://www.nature.com/nsmb/journal/v17/n5/full/nsmb.1779.html?message-global=remove

どうでしょうかね。transcription replicationはウイルスのゲノムに結合していた蛋白のコンプレックスによってなされていて、ウイルスのゲノムをそのプラスミドで発現させているのなら、ー鎖を合成しないと行けないでしょうし、そうするとウイルスの蛋白合成ができないし、ー鎖からtranscription replicationを起こすにはウイルスの蛋白がないと効率よくできないように見えますし(蛋白はtranscriptionのあとに起こるから蛋白合成がおらないですよね)。PolIとかで+鎖を発現しているなら、蛋白が合成されているかちょっと不思議ですし。

(無題) 削除/引用
No.4845-6 - 2016/02/16 (火) 17:07:36 - おお
例えば実際にウイルスが感染したとき、ゲノムと同時に侵入してくる蛋白がその後の経過に必要とかないんでしょうか。この領域についてよくわかっていませんが、参考にした文献を提示されてはどうでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.4845-5 - 2016/02/16 (火) 17:01:27 - ウイルス
私自身はウイルスが専門ですが,インフルエンザは詳しくないので具体的なアドバイスはできませんが,論文の通りにやってうまくいかないとなるとどこか細かい部分のせいでワークしないのかと.

せっかく日本にはインフルエンザの世界的な研究者がたくさんいるので今後研究室でワークさせるなら分与の方向も考えた方が良いのではと思ってしまいます.

(無題) 削除/引用
No.4845-4 - 2016/02/16 (火) 16:31:30 - RG
>おおさま

 ご指摘、ありがとうございます。確かにトラブルシューティングとしては、各ウイルスタンパク質(インフルエンザは主なもので全10個)の発現の確認が重要かつ必要だと思います。(現在、感染性組換えウイルスの作製を試みているので、全遺伝子の発現が必要です。)ですが、なにぶん抗体を揃えるのにもお金がかかるので、そもそもプロトコール上の問題がないのか確認したく投稿いたしました。

>ウイルスさま

 文献を参考に自作したものになります。PolIプロモーター化にウイルスプローモーター配列+GFP(正確には、ネガティブセンスであるゲノムRNAの発現をさせるため、”5'UTR + GFP相補鎖 + 3'UTR”)を組み込み、ウイルスRNAポリメラーゼを共発現させるとGFP蛍光が観察されるので(ウイルスRNAポリメラーゼの共発現がないとGFP蛍光が観察されない)コンストラクトのデザインとして間違ってはないと思うのですが…

 ただ、やはり性能・動作(?)が保証されたものでない、というのは不安な点ではあります。プロトコールの改善よりも、確実にワークすると保証されたプラスミドをどこかから入手するのが先ですかね。。。

(無題) 削除/引用
No.4845-3 - 2016/02/16 (火) 15:46:30 - ウイルス
そのプラスミドでウイルスが作られた実績はありますか?

自作? or 分与されたもの?

(無題) 削除/引用
No.4845-2 - 2016/02/16 (火) 10:52:49 - おお
詳しいことは全くわかりませんが、ウイルスパッケージングのプロセスで必要な蛋白などができているかとか、いろいろチェックするポイントがありそうなきがしますけど。

インフルエンザウイルス・リバースジェネティクス 削除/引用
No.4845-1 - 2016/02/15 (月) 12:56:43 - RG
いつも、参考にしております。

現在、「インフルエンザウイルス・リバースジェネティクス法」の確立を試みております。ラボとしては初の試みですが、遺伝子組換え申請などはすでに通してあります。293T細胞にプラスミドをトランスフェクションしてウイルスを作製後、上清をMDCK細胞に移してCPEを観察することでウイルスが作製できたことを確認しようとしているのですが、うまくいきません。以下、詳細なプロトコールです。

@ 10%FBS入りDMDMで培養している293T細胞(6wellプレート)が50%コンフルの時点で、PolI/PolIIプロモーターをもつbidirectional plasmidをウイルス(PR8)の各分節(8本)を等量でトランスフェクション(=312.5ng x 8つ、リポフェクタミン3000を用いています)。

A トランスフェクション6時間後、PBSで一度洗い、メディウムを2ug/mL TPCK-treated trypsin入りのopti-MEMに交換。

B トランスフェクション2-3日後、上清を回収し0.45umフィルターを通したのち分注して、-80Cに保存。

なお、トランスフェクションのコントロールとして
@のときに、ウイルス遺伝子のORFをGFPに置き換えたPolI-drivenプラスミドをコトランスフェクションすると緑蛍光は観察できます(=少なくともPB2・PB1・PA・NPの発現は問題なさそう)

C 10%FBS入りDMDMで培養しているMDCK細胞(6wellプレート)が100%コンフルの時点で、PBSで2回洗浄。

D Bで得たウイルス液を300uL添加し、1時間インキュベート。

E 1時間後、PBSで一度洗浄し、2ug/mL TPCK-treated trypsin入り・FBSなしのDMEMに交換。

F CPEの出現を1週間観察。 → 残念ながら見られません。

なお、C−Eの過程でポジコンとしてウイルス株(Aichi)を置いていますが、こちらは問題なく2日目からCPEが観察されます。


何か、当方のプロトコールで問題のありそうな点・改善すべき点がありましたら
ご教示ください。

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