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PCRの指導法について トピック削除
No.4843-TOPIC - 2016/02/14 (日) 15:16:21 - PCR指導者
PCRの指導法についてお知恵をお貸しください。

今学部上がりの中国のPhD学生にPCRをやってもらっています。
私はこれまでに目的の遺伝子を特定のプライマーできちんと増幅できているのですが、彼女がやるとどうにも PCRがかかりません。

ゲノムのサンプルまで全く同じなのですが、どうしてこういうことが起こるのでしょうか?

私は氷上で、 PCRチューブに水、buffer、dNTP、Primerを入れ、ボルテックスしたのち、Taq polymeraseを加え、穏やかにpipatingしています。その後、ゲノムおよびネガコンの水を1 ul入れた新しいPCRチューブを氷上に置き、先ほどのmaster mixを24 ulずつ入れ、それをあらかじめ95℃になっているサーマルサイクラーに氷上から一気に置いてから PCR反応させています。

その子はどのような順序でmaster mixを作っているかわかりませんが、すべての操作は室温で行ってるみたいです。またサーマルサイクラーもおそらく室温の時にサンプルを置いていて、そのままstartボタンを押してPCRをスタートしてるようです。

彼女はshould be no problemというのが口癖なのかと思うほど、きちんと頭で考えていて、いい加減(私からみたら)でも問題ないだろうというのがあるのだと思います。

彼女がPCRがかからない原因はわかりませんが、氷上で PCRの反応液は作りなよー、とか私が好む95℃になってることを確認してからPCRサンプルを置きなさい、なんて言うと、そんなのはdoesn't make senseだよ、と言われてしまいました。

Taqはhot start用ではないので、きちんと氷上でmaster mixを作るべきだとは思うのですが、それ以外ではうん、確かに私自身それほど強く強制して何かが改善されるかどうか曖昧ではある、と思って躊躇っています。因みに私の PCRプロトコルでは100%シングルバンドが綺麗にでますが、彼女がやると全く出ません。
 
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(無題) 削除/引用
No.4843-25 - 2016/02/16 (火) 14:26:01 - AP
私が考える目安としては

DNA溶液が糸を引くような溶液はかなり高分子量のDNAがあって物理的にせん断される余地があります。SDS-PAGEサンプルをホールライセートでSDS-PAGEサンプルを調製するときなんかにも経験することです(物理的にDNAをせん断して粘性を下げるという操作も含めて)。
逆に、糸を引かず粘性も感じられないようなDNA溶液は、剪断力を気にしてもあまり意味がないと思っています。

(無題) 削除/引用
No.4843-24 - 2016/02/16 (火) 14:20:18 - AP
まあ、ゲノムライブラリーを作るとかサザンブロットするとかいうときは、剪断をさけるために、それなりの精製法を使って、その後の取り扱いも注意しますけどね。それで言ったら、ポアが小さいマイクロピペットで吸うというのすらご法度です。実際にそういう仕事をしたことがあれば、どの程度の扱いでどのくらいのダメージがあるかは、経験として実感できるのですけど。

最近だとPCRが主流で、シリカベースのカラムや、簡便なアルカリ溶解とかキレックスとかで簡便にとることが多いと思いますが、これらの方法ではもともとあまりインタクトなのは取れなくて、20-30 kb位に剪断されてるもんです。それでもまだ十分に剪断力が働くくらい長いと言えるかもしれませんが、この件についてはあんまり論議する重要性を認めません。

(無題) 削除/引用
No.4843-23 - 2016/02/16 (火) 10:39:45 - AA
脇道にそれてしまう話ですが、、、、

ボルテックスではゲノムDNAのような長いDNAは切れてしまうことがある、
というのは入門書にも書いてあることだと思います。
一方で、ゲノムDNAのような極端に長いDNAは高次構造を取ることがあるので
PCR条件が厳しくなることがある、ということもありますので
ボルテックスがニックを入れることでPCRをかけやすくしている可能性もあるかと思います。

もちろん他の実験へ影響がある、と言うのはもっともな指摘ですが。

(無題) 削除/引用
No.4843-22 - 2016/02/16 (火) 04:17:55 - S
>[Re:19] 横さんは書きました :
> ボルテックスは、解凍した後の濃度を均一にするため、と書かれていますよ。

多分私向けのコメントだと思います。タッピングで十分混ざりますよ。

ボルテックスするとgenomic DNAにニックが入ったりしてダメージがあるからしてはいけない、というのは(どこまで信憑性のある話かはわかりませんが)そこそこ信じられている話だと思います。まあ、短い断片を増やすPCRで影響出ることはまずないんでしょうけど、私だったらその後に何にでも使える可能性を残しておくために、ボルテックスはしません。もっとも、元々PCR用途だけを考慮した抽出方法を用いているのでボルテックス問題無し、ということもあるかもしれませんが。

(無題) 削除/引用
No.4843-21 - 2016/02/16 (火) 02:40:34 - おお
> 私が、「隣で手本を見せようか?」というと「No, I have to figure out by myself」

まあこれを見る限り、ある程度安心ですね。見本見せると言ってしまうより、やるから見たけりゃ見ればいいぐらいでやって見せればいいんじゃないかな、要所要所解説しながら。センスある人はひとがやるのを見てるだけで、すべて盗むというか吸収してしまう人もいるし。

(無題) 削除/引用
No.4843-20 - 2016/02/16 (火) 01:48:47 - しろ
>[Re:16] PCR指導者さんは書きました :
> 皆様、大変ご丁寧に熱心なアドバイスをいただき、誠にありがとうございます。
>
> 私が、「隣で手本を見せようか?」というと「No, I have to figure out by myself」と言われてしまいました。非常に簡単なPCRなので、bandは出る時はでると思うのですが、変に知識があって、プライドもありそうなので、結構こたえているようです。

頑張り屋さんじゃないですか。自分ではどうしてもできない、しかし横にいる別の研究員が同じことをやるとあっさりできている。’結構こたえているよう’だということですので、どうしても自分でfigure outできなければ「どうやってやっているか見せて」と言ってくるのではないでしょうか。あるいはミーティングで報告すればPIから、指導者から習って、と言われるのでは。なかなかもどかしい問題ではありますね。

(無題) 削除/引用
No.4843-19 - 2016/02/16 (火) 00:49:14 - 横
ボルテックスは、解凍した後の濃度を均一にするため、と書かれていますよ。

(無題) 削除/引用
No.4843-18 - 2016/02/15 (月) 23:43:36 - S
>ゲノム(50 ulほどあります)を-20℃から解凍した後、ボルテックスをしなかった(私はボルテックスを勧めています。彼女にも前にいいました。解凍後の濃度勾配を消すため。)

私はゲノムDNAはボルテックスしないなあ。保存も4℃です。もちろんトピ主さんはそれでバンドが出ているので、これが決定的要因では無いとわかってはいますが。

ちょっとだけ気になるのですが、24ulのmixに1ulのテンプレートDNAを加えると書かれていますが、トピ主さんとその学生さんが使っているテンプレートDNAは同じものなのですか?マウスなり細胞なりから抽出したものをトピ主さん用と彼女用とに分注した、完全に同一のものなのでしょうか?可能性として、その彼女が使っているゲノムDNA(だけ)がヘタれているということはないですか?

(無題) 削除/引用
No.4843-17 - 2016/02/15 (月) 18:55:48 - ppr
>[Re:16] PCR指導者さんは書きました :
> 話ずれますが、中国で学部まで出て、アメリカでいきなりPhDコースに入れるんですね。マスターとかはないのでしょうか。にしても頭でっかちではあるのですが、頭は本当に良さそうです。論理的な思考力が一端のドクターと同じくらいですね。

本論とずれますけど、誤解がないように書いておきます。
アメリカでは学部を卒業しても多くの場合研究経験などがなければ大学院には入れません。
そのため、夏に大学生が1月ほど研究室に来たりしてますよね。
もしくは、テクニシャンを数年やってから大学院を受ける人も多いです。
お隣の国は、アメリカの大学院に入るためのコースもあって、アメリカでPhDをとるために勉強しているので、その中からアメリカの大学院への進学をつかみとったという自負もあるのだと思います。みんながみんなそうでは無いですけど、ある程度プライドが高い人は多いかもしれませんね。
PhDコースは日本でいえば修士課程と博士課程を合わせたもので、大学院に進む目的はPhDをとることです。日本では修士号をとって就職する学生が多いですが、そちらではMaster degreeはPhDをとることをあきらめて途中でdrop outした人が得る学位という認識が強いと思います。

(無題) 削除/引用
No.4843-16 - 2016/02/15 (月) 14:23:40 - PCR指導者
皆様、大変ご丁寧に熱心なアドバイスをいただき、誠にありがとうございます。

昨日もう一度私の手でPCRをセットし、今朝泳動してみましたが、目的の287 bpのバンド
が一本のみ認められ、水ではプライマーダイマーのようなものがかすかに見える程度でした。

彼女は頑張って今日(日曜日です)来てPCRをしてくれましたが、やっぱりbandはでていませんでしたね。聞くと、ゲノム(50 ulほどあります)を-20℃から解凍した後、ボルテックスをしなかった(私はボルテックスを勧めています。彼女にも前にいいました。解凍後の濃度勾配を消すため。)とのことなので、再度PCRをして帰って行きました。

私が、「隣で手本を見せようか?」というと「No, I have to figure out by myself」と言われてしまいました。非常に簡単なPCRなので、bandは出る時はでると思うのですが、変に知識があって、プライドもありそうなので、結構こたえているようです。

話ずれますが、中国で学部まで出て、アメリカでいきなりPhDコースに入れるんですね。マスターとかはないのでしょうか。にしても頭でっかちではあるのですが、頭は本当に良さそうです。論理的な思考力が一端のドクターと同じくらいですね。

明朝泳動してみて、それで出なければ私が隣で操作することにしたいとおもいます。また、ホットスタートの意義について論文や多くのコメントをいただきありがとうございます。私も彼女も一度きちんと読んでみます。ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.4843-15 - 2016/02/15 (月) 13:25:28 - AA
「PCRがかからない」というのは初心者の学生さんがよく遭遇する問題だと思います。

ひとくちに「PCRがかからない」といってもいろいろあるので、
論理的に説明するなら、まずはどんな現状なのか、それはどういう原因が考えられるか、から始められるのが良いでしょう。

ただ、経験上こういった場合は本当に小さなところに問題があったりします。
私の経験だと、ピペッティングの上手い下手から、極端な例では、
「丁寧にしつこく混ぜすぎて酵素が失活」という例もありました。

まずは真横につきっきりで自分と全く同じふうに作業してもらうのをおすすめします。
その上でうまくいく行かないの結果を確認し、原因を検討されるのが良いではないでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.4843-14 - 2016/02/15 (月) 12:54:03 - 中年
complexなゲノムからのPCRはtrickyなところのある技術で、問題がないprimer pairの場合はどんなことをしてもまず大丈夫でしょうが、増えにくいprimer pairだと些細な問題が効いてくることがあります。

トピ主さんのやり方だと100%成功しているんだから、その人のやり方に何かしらの問題があることは確実なのに、make senseも何もないでしょう。現実を目の前にして、経験も乏しいくせに自分の判断に固執するお前の方がよっぽどdoesn't make senseだ、と言ってやるのが親切だと思います。

(無題) 削除/引用
No.4843-13 - 2016/02/15 (月) 12:25:12 - み
一事が万事な気がするなあ。

今回の学生さんやピペットを握ったことのないMDさんには良くあることじゃないですか。
実験を教えるとともに人生を上手く渡り歩く術を教えてあげないといけない場合が多々ある。

(無題) 削除/引用
No.4843-12 - 2016/02/15 (月) 12:14:18 - おお
>[Re:11] APさんは書きました :
> 別問題かも。PCRがかからないというのは実際にはどの程度の状況なんでしょう。

>[Re:10] pprさんは書きました :

> もっと根本的なミス(プライマーがあってないとか)があるかもしれないし。
>

じつはわたしもそれは勘ぐっているんです。ただ操作が違うので腕が悪いと攻めるのが難しいし、相手もプライドがあるようだし。まずはこっちの土俵に来てもらうのがいいかと思った次第です。

(無題) 削除/引用
No.4843-11 - 2016/02/15 (月) 12:10:03 - AP
調製中は氷温でキープするとかホットスタートするとかは、非特異的増幅やプライマーダイマー形成を防ぐことに効果があり、その結果目的産物の収量を上げるということにはなると思います。しかし、非特異的、プライマーダイマーすら出ないというなら別問題かも。PCRがかからないというのは実際にはどの程度の状況なんでしょう。

(無題) 削除/引用
No.4843-10 - 2016/02/15 (月) 11:59:15 - ppr
昔はPCRミックスの作製を氷上でやってましたが、室温で安いTaqを使って(ホームメイドも同様)調製しても特に問題になったことはありません。
氷上でホットスタートなりしたほうが効率はいいかもしれませんが、PCRがかからないほど問題になることはないと思います。
なので、もっと他に原因があるのではないでしょうか。
実際にミックスをつくるところを見ていないようですので、まずは一緒にやってみた方が解決が近いと思います。
もしかすると、酵素をいれてからボルテックスしてるかもしれないし、バッファーやDNAなどがちゃんと融解してないとか、溶かした後によく混ぜてないとかいうこともありえます。
もっと根本的なミス(プライマーがあってないとか)があるかもしれないし。

(無題) 削除/引用
No.4843-9 - 2016/02/15 (月) 10:13:48 - seventh
takaraのホットスタートでないtaqではマニュアルでもクール(コールド)スタート法を勧めていますね。原理的にはおおさん提示されている論文のとおりだと思います。

(無題) 削除/引用
No.4843-8 - 2016/02/15 (月) 05:25:02 - おお
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC312262/pdf/nar00081-0266.pdf

(無題) 削除/引用
No.4843-7 - 2016/02/15 (月) 04:13:54 - おお
>まったくmake senseではありませんが。。

そうでもないと思いますけど。

(無題) 削除/引用
No.4843-6 - 2016/02/14 (日) 20:46:21 - 中年
最初の温度が上がり切る前にノンスペにprimingされた産物が競合的に邪魔してるせいかも。

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