まあ、あんまり気にしなくていいと思います。
80%以上の精製度で負担なく精製できる程度までくらいの感覚です。
それを超える労力をかけたからといって、それだけできる抗体の性能がよくなるとは限らないし、収量を犠牲にしてしまうことになりかねないし、費用対効果が割りに合わないと思います。むしろ低い精製度でも量をとって、doseを高めにするとか、免疫動物数を増やすとかしたほうがいいのがとれそう。
タンパク質によって抗原性が違うので、夾雑物を一生懸命減らしてもそっちの抗体のほうがよく付くかもしれないし、精製度は低くても目的のタンパク質に対する抗体のほうが圧倒的に高い力価になるかもしれない。やってみなければわからないので、変なところで悩む前にまず打ってみろ、というところです。
そもそも、夾雑物は大腸菌由来です。
出来た抗体をバクテリア由来材料にアプライする可能性があるならともかく、別の生物由来材料に使うなら、問題になることはまずないはず。
大腸菌に対する抗体が邪魔なら、大腸菌で吸収してやれば簡単に除けます。そうでなくても、アフィニティー精製することが多いはずですよね。
>あと、アクリルアミドから切り出した抗原で作った抗体は免染まで使えたりするか、
PAGEから切り出したから、免染(WB, IP)に使えない、という理由はないです。できた抗体がたまたま非変性状態ではアクセスしにくいエピトープだったとかいうのは、偶然であるか、元からそこがしかエピトープになりえないとかであって、どうやって精製した免疫原かには無関係と言っていいです。
抗原タンパク質は抗原提示細胞に食われてバラバラの断片にされて提示されますので、SDS-PAGEで変性しようとしまいと関係ないです。 |
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