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遠心による細胞密度の濃縮 トピック削除
No.4747-TOPIC - 2016/01/15 (金) 02:53:48 - BS
いつも勉強させていただいております。

質問4727でSDSサンプルの調整について質問させていただいたものです。その節は、親切にアドバイスいただき感謝申し上げます。

その後、細胞表面蛋白をビオチン化→アビジンアガロースで抽出し、ウエスタンブロットをおこないました(おかげさまで電気泳動は問題なくできました)。目的蛋白のバンドが弱く、プロトコールを再検討しましたところ、細胞(表面蛋白)の抽出量を増やすことが必要と考えました。

接着培養で培養密度が低い(約2×10^5/35mm well)ものを使用しているため、表面のビオチン化後に、いくつかのwellの細胞をあらかじめ回収して遠沈し、上清を除くことで密度を濃縮させてから少量のRIPAでcell lysisをおこないたいと考えております。
まずはプロトコール作成をとの指示で、この際の方法について記載している文献(N AM J Med Sci. 4:429-34, 2012)をあたっていましたところ、遠心は1500rpmで5分とありましたが、×gが不明でした(プレートからHEKをはがして回収するときは500×g・5分くらいと読んだことがありますが、定かではないです)。
ご意見あるいは、参考にすべき文献などお知恵をいただけましたら幸いです。
 
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(無題) 削除/引用
No.4747-11 - 2016/01/20 (水) 18:49:39 - BS
おおさん、貴重なご意見をありがとうございます。

細胞膜自体の抽出においては、sonicationのような強力な溶解法ではなく、ピペッティングのようなマイルドな溶解で可能なのですね。

具体的には、私たちは膜の溶出に、detergentとしてN-octyl glycopyranoside 1:25(常温に戻して使用)、1% Tritonx、0.5% deoxycholic acidを用いて、1mM EDTA、100mM Tris、150mM NaClで使用直前に、proteinase inhibitor cocktail(SIGMA P8340)を1:30で入れて1時間(4℃)で水平のshakerで緩やかに攪拌しています。その後、lysateを23G針に数回通して、16000×g・20分遠心し、上清を回収し、総分画(membrane+cytosol)としています。

このcell lysisの過程で膜抽出に際してお気づきの箇所がございましたらご指摘いただけましたらありがたく存じます。biotin化→細胞膜分画抽出は初めての試みで、lysisについては研究室の方がIPのときに使用されていたものを参考にしました。

(無題) 削除/引用
No.4747-10 - 2016/01/20 (水) 05:44:38 - おお
>[Re:9] BSさんは書きました :
> 追加で失礼いたします。
>

>
> 細胞の標識・回収では、cell lysisの前に細胞を集めて遠心しpelletをlysisする際に、文献では頻回にsonicatingやvoltexなどをlysis中におこなわれているものがありましたが、私たちのprotocolでは最初に23G針で数回ピペッティングして、超音波破砕やvoltexはしていません。



> ここで、お伺いしたいのですが、
> lysisの過程で膜の抽出効率を上げるにはもっと積極的にvoltexなどを行うべきなのでしょうか(超音波の機械は研究室にありませんでした。。)?

ソニケーションやニードルをつかうのは核内の解けにくい蛋白を抽出したり、溶出してきたDNAのfragmentation(そのままだとドロドロとしてあつかいにくいので)のためにおこなったりします。細胞膜のものを回収するだけならそこまで強力な方法をとらないでもいいかと個人的にはおもってます。0.3-1% TRITON X-100かNP-40でいいかもしれません。塩濃度は生理的な程度か、核からの蛋白の溶出を少なくするために50mMぐらいにさげてもいいでしょう。細胞をけんだくして、10分程度on iceにおいて500gぐらいで遠心すれば核が沈降するので上澄みをとればそこに可溶化した膜蛋白、細胞質、ミトコンドリアや小胞体などの蛋白が含まれると思います。この場合ボルテックスもする必要もなくピペッティングかタッピングぐらいで十分です。

もうちょっと丁寧にやるなら、デタージェント抜きで細胞を壊して(こくhypotonic bufferがつかわれる)、500gぐらいで核を除き、100000gで膜成分を回収すれば邪魔なものは減っていきますので、何か阻害しているものとかが除けるかもしれませんし、最終的に得られるものがよりきれいであると思えます。

>
> また、膜分画サンプルではゲルの下端に濃いバンドが見られました(このバンドは膜分画のサンプルのみで、lysis後に遠心して回収したtotal fragmentでは見られてないです)が、50mMDTT入り1%SDSサンプルバッファーでアビジンから抽出する(室温で2時間)際に、蛋白のdegradationが進んでしまったため、低分子域にバンドが見られているということは考えられますでしょうか?

膜とは限りませんが、小さい蛋白は存在しますので、、、どのレンジの分子量なのか、、、

ただ分解は可能性はあるでしょう。よく使われているプロテアーゼカクテルを使っていて、それなりに結果が得られるなら、そんなに気にすることはないと思います。リソソームのカテプシンなども流出してきますがphレンジ的にはそんなに活性がないかなって気がしますけど、また、カルパインは結構ブロックが難しいプロテアーゼで、もし収量がどうも低いとか、目的の蛋白のWBで顕著にフラグメントが見られるならその辺りのプロテアーゼの阻害剤を追加してみてもいいかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.4747-9 - 2016/01/20 (水) 02:04:50 - BS
追加で失礼いたします。

ゲルCBB染色の結果ですが、細胞を濃縮して回収したサンプルで、全体にややバンドが濃く見られましたが、想定した程ではなく、まずは細胞の標識・回収(膜のビオチン化からcell lysate、アビジン回収まで)、サンプル調整を最適化することが必要と考えました。また、stacking gel内やresolving gelとの境界付近に蛋白が残留している様子はなく、泳動にあたり、サンプルの変性は十分におこなわれていると判断しました。

細胞の標識・回収では、cell lysisの前に細胞を集めて遠心しpelletをlysisする際に、文献では頻回にsonicatingやvoltexなどをlysis中におこなわれているものがありましたが、私たちのprotocolでは最初に23G針で数回ピペッティングして、超音波破砕やvoltexはしていません。
ここで、お伺いしたいのですが、
lysisの過程で膜の抽出効率を上げるにはもっと積極的にvoltexなどを行うべきなのでしょうか(超音波の機械は研究室にありませんでした。。)?

また、膜分画サンプルではゲルの下端に濃いバンドが見られました(このバンドは膜分画のサンプルのみで、lysis後に遠心して回収したtotal fragmentでは見られてないです)が、50mMDTT入り1%SDSサンプルバッファーでアビジンから抽出する(室温で2時間)際に、蛋白のdegradationが進んでしまったため、低分子域にバンドが見られているということは考えられますでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.4747-8 - 2016/01/19 (火) 20:39:02 - BS
おおさん、ありがとうございます。

再度、サンプルを室温で確認しましたところ凝集はなく、ご指摘いただきましたように、低温によるSDSの凝集を見ていたと考えました。サンプルを遠心した時の温度設定が8℃になっており、そのまま遠心機を使用したことが原因かと反省しています。今後は注意します。

ゲル染色の結果が出ましたら、またご相談させていただけましたら幸いです。

現時点では、ゲル染色(一部はサンプルをTriton入りのRIPAで回収しておりますので、CBBでのバックグラウンド上昇が気になります)で濃縮サンプルでもバンドが薄いようであれば、cell lysisなどサンプル回収時の問題、もし適当な濃縮が確認できれば転写から1、2次抗体など検出系の問題と考えております。

(無題) 削除/引用
No.4747-7 - 2016/01/19 (火) 04:48:45 - おお
蛋白量がおおいいとボイルで沈殿したりしますけど、実験からしてそんなに多い気がしませんし、、、ボイルもしてないと見受けられますし。

sdsは低温で沈殿しますけど、室温で扱っているということですよね。ただ気温が低いですしsdsかなというきもします。40度ぐらいで温めるとSDSであれば改善するとはおもいますけど。

あぐりげーしょんらしいものは上記で解決しなりなら、2xでそのサンプルバーファーを半量入れて、用事調製した飽和尿素を同量入れてえいどうするとかいけつするかもしれません。あるいは、ゲルに尿素を入れてしまうという手もありますが。

ラベルの方法自体になにか改善の余地があるのかはちょっと経験がないのでわかりませんけど。。。

回収した膜蛋白の凝集・沈殿、ゲル下端に濃バンド 削除/引用
No.4747-6 - 2016/01/19 (火) 01:41:23 - BS
追加で質問させていただきます。

その後、細胞をcellscraperで回収し、1500×g・5分で沈殿後、500μLのRIPA buffer + PIC cacktailで1時間・振盪4℃でlysisしました。
理論的には回収した膜蛋白は約6-7倍程度に濃縮されているのではと考えています。

ビオチン化した表面膜蛋白は、アビジンビーズからSDS1%, 62.5mMTris・HCl, 10%glycerol、50mM DTT pH6.8でelutionしたのですが、回収したエッペンドルフを見ると蛋白が凝集しているように見え(常温です)、遠心するとやはり相当量のprecipitateが見られました。

そして、その上清をboilせずに電気泳動し、ウエスタンブロット(精製一次抗体→HRP二次抗体→ECL検出)しましたところ、目的蛋白の分子量に相当するバンドは増強せずに、メンブレンでゲル(アクリルアミド8%)の泳動先端近くに相当する位置に濃いバンド(バックグラウンドの増強や他の部分にはバンドはないです)を認めました。

まずはゲル(stacking gel部分含めて)をCBBで染色し、2回分のサンプル(濃縮あり・なし)で比較したいと考えていますが、回収した膜蛋白の凝集とゲル下端のバンドをどう考えたら良いか、もしアドバイスをいただけましたらありがたく、よろしくお願い申し上げます。

(無題) 削除/引用
No.4747-5 - 2016/01/15 (金) 17:31:21 - BS
ご意見をありがとうございます。

HEKを使いDNAトランスフェクションをされている私の研究室の先生は300×g(1500rpm)・5分でやられているとのことでした。
ご意見をいただきましたように、遠心回収後に培養する場合では細胞への影響を考慮する必要があり、lysisする場合も膜が破れ(遠心で細胞が破壊され)てしまうと回収しにくくなるということなのですね。

細胞を15mlチューブに回収後、スイングロータータイプの遠心機で、1500×g・5分の遠心からプランニングしてみたいと思います。

また、細胞の回収で気になる点があります。
接着細胞を再培養するする場合の細胞回収にはcell scraperを使わず(当然かと思いますが)、トリプシンではがして、なるべく低侵襲に回収しているとのことでした。
私のようにトリプシンでなく、cell scraperではがした場合には(やり方にもよると思われるかもしれませんが)回収する細胞の損傷は強いものなのでしょうか?その場合には、遠心スピードもさらに上げる必要があると思われますでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.4747-4 - 2016/01/15 (金) 11:20:49 - おお
つよくってもよわくっても横につくときはつきます。そう言うときはスイングのローターの方がよいのでは。1ml程度でも15ml tubeをつかって回収できなくもないでしょうから。

そこそこつよくっても膜が破けることはないと思いますが、細胞がじきに調子悪くなります。なのですぐにlysateをとるときぐらいです速く回すのは

(無題) 削除/引用
No.4747-3 - 2016/01/15 (金) 10:37:16 - 横からです
>1000-2000gでいいかなとおもいます。もちろん500gでも落ちてくるでしょう。

横からすみません。
そうなんですか!?いつも培養室での遠心機では15mlチューブを1000rpm(250g)で遠心していましたが、エッペンに移して細胞を遠心してウエスタンなりしようとした場合、小型の遠心機で500gほどでやってみましたが、上清をp1000で吸うと結構底に沈まず壁に付いてる細胞らが吸ってる間に剥がれてくる印象でした。

1000gや2000gでも大丈夫なんですね。
というか、細胞をライシス後、脱核は2300gでやっていましたが、、2000gでも細胞破裂しないんですね。。

(無題) 削除/引用
No.4747-2 - 2016/01/15 (金) 07:16:37 - おお
細胞の沈降条件だけにかぎっていうと、回収してlysisするならそんなに強すぎるとか気にしないでいいこともおおいかとおもいます。1000-2000gでいいかなとおもいます。もちろん500gでも落ちてくるでしょう。

人によってはエッペンに回収した場合、クイックスピンでマキシマムにたっしたところですぐオフにするとかいうひともいます。

細胞を遠心後また培養したりするときはなるべく低い方がいいと思います。

遠心による細胞密度の濃縮 削除/引用
No.4747-1 - 2016/01/15 (金) 02:53:48 - BS
いつも勉強させていただいております。

質問4727でSDSサンプルの調整について質問させていただいたものです。その節は、親切にアドバイスいただき感謝申し上げます。

その後、細胞表面蛋白をビオチン化→アビジンアガロースで抽出し、ウエスタンブロットをおこないました(おかげさまで電気泳動は問題なくできました)。目的蛋白のバンドが弱く、プロトコールを再検討しましたところ、細胞(表面蛋白)の抽出量を増やすことが必要と考えました。

接着培養で培養密度が低い(約2×10^5/35mm well)ものを使用しているため、表面のビオチン化後に、いくつかのwellの細胞をあらかじめ回収して遠沈し、上清を除くことで密度を濃縮させてから少量のRIPAでcell lysisをおこないたいと考えております。
まずはプロトコール作成をとの指示で、この際の方法について記載している文献(N AM J Med Sci. 4:429-34, 2012)をあたっていましたところ、遠心は1500rpmで5分とありましたが、×gが不明でした(プレートからHEKをはがして回収するときは500×g・5分くらいと読んだことがありますが、定かではないです)。
ご意見あるいは、参考にすべき文献などお知恵をいただけましたら幸いです。

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