8回膜貫通だと疎水性の高さが気になる。ていうのが、そういう蛋白質は しばしば高濃度のSDS存在下でも十分に可溶化できなかったり、特に電気泳動前の加熱処理すると完全に不溶化してしまったりして、ゲルに入らなくなったり、変なマルチマー形成してゲルの上の方とかスタッキングゲルやウェルの底で引っかかったりして見かけ上、予想される位置にバンドが全く検出できないことがある。SDS sample bufferに溶かした後、加熱処理はせずに、代わりに室温で1晩くらい放置してから泳動してみるとか、スタッキングゲルも切り離さずにウェスタンしてみるとかすると、解決の糸口がみえてくるかもしれない。
エピトープの位置とか、エピトープ周辺の局所的な変な高次構造などの影響によって、ウェスタンでは認識できないこともあるかもしれない。抗原認識って結構繊細らしい。実際免疫組織染色やELISAでは非常に良好な結果を与えるにも関わらずwesternでは全然だめとか、その逆とかはそういう抗体はそんなに珍しいことではない。monospecificな抗体を得るため抗原ペプチドで免疫するという意義からいうと逆だけど、マルチ specificというか異なる複数箇所のエピトープについて何種類かの異なる抗原ペプチドを作成して免疫すればどれかしら当たるとおもうので、適用用途の柔軟性を重視するならばひとつの方法とおもう。 |
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