それは1次元目IEFの条件しだいです。高濃度の尿素などをゲルに添加してサンプルも高濃度の尿素と還元剤などで変性させた状態で泳動をおこなうならば、蛋白質
は変性してますから、複合体もまた解体してしまいモノマーというか、 個々のポリペプチド鎖あるいはそれに近い状態で分離されます。例外的に、非常にタイトな疎水性結合とか、S-Sやチオエステル結合以外の共有結合による複合体は解離しませんが、こういう蛋白質複合体に遭遇するケースは通常は少ないでしょう。S-Sを還元剤で切断したあとヨードアセトアミドでSH基をブロックしていないと泳動中に一部のSH基どうしのランダムな再結合がおこり、アーティフィシャルな高分子量スポットやスメアーパタン、テーリングなどを生じることがあります。
とにかくより多くの種類の蛋白質を分離したいならばこちらがbetterでしょう。
未変性条件でIEFを行うならば、複合体の状態で分離されます。もちろん不安定な複合体や、弱い相互作用のものは試料調製過程や泳動中に解離してしまう事は起こりえますので限界はあります。
複合体の構成成分の変化の解析や蛋白質間相互作用の解析が目的ならこちらの方法がよいでしょう。
あと同じ蛋白質でも変性条件、未変性条件それぞれで、移動するみかけの等電点位置は変わります。
いずれにせよ、自分の実験の目的により適した方法を選択することが重要と思います。 |
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