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組換えタンパク質を用いたモノクローナル抗体がHisタグのみ認識 トピック削除
No.4519-TOPIC - 2015/10/23 (金) 23:49:12 - モノクロ初心者
初めて投稿します。
組換えタンパク質を用いてモノクロを作出し、血中タンパク質の検出系を確立することを目的としています。

まず、pet28の系で組換えタンパク質を作製後、不溶性画分に目的タンパク質を得ました。
封入体を洗浄後、TAPS化+希釈法によるリフォールディング、ニッケルビーズによるバッチ精製で収量として10μg程度の目的タンパクを得ました。
Hisタグの除去も実施してみましたが収量がかなり悪く、抗原として不十分になってしまうため、このままTiterMaxでエマルジョン化し、マウス5匹に2μg程度ずつ接種しました。
その後、リンパ球を粗精製後、SP2と細胞融合し、約300クローンのハイブリドーマを得ました。
接種に用いた組換えタンパク質を認識するモノクロが約50ほどありましたが、N末端のHisタグから目的タンパク質まで同じ配列を持つ別の組換えタンパク質でもELISAを試みたところ、全てのモノクロが、同じN末配列を有する別の組換えタンパク質とも同様に反応したため、おそらくHisタグあたりを認識するものしか取れて来なかったと思われます。

リフォールディング済みのタンパクを用いたほうが、実際の血中タンパク検出に使える抗体ができてくるかと思いこのような方法で行いました。
今後、封入体を可溶化後、そのままマウスに接種しようかとも考えておりますが、結局は同じことになりそうな気がしております。

組換えタンパク質でモノクロを作られた経験をお持ちの方のアドバイスをうかがうことができればと思い、投稿いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
 
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組換えタンパク質を用いたモノクローナル抗体がHisタグのみ認識 削除/引用
No.4519-16 - 2015/10/28 (水) 10:23:04 - モノクロ初心者
皆様

色々なコメントをお寄せいただき誠にありがとうございました。
今回なぜHisタグ周辺領域ばかりに対するモノクロができてしまったのかということですが、大腸菌の破砕からリフォールディングで回収するまでの間に、プロテアーゼインヒビターを添加しているとは言え、かなり分解を受けていて、最終的にNiレジンで精製する段階では、目的タンパクよりもはるかに多いHisタグを含む断片を回収してしまったのではないか、ということが大きな原因と考えました。限外濾過で断片を除くことも試してみましたが、膜凝集でほとんど回収できませんでした。これ以上ここを詰めても仕方がないので、今回はここまでとしました。

やはり、変性条件下で精製したものをそのまま免疫して、目的にあった検出系に使える抗体をスクリーニングで取っていくという手法の方が、近道だなと感じた次第です。

組換えタンパク質を用いたモノクローナル抗体がHisタグのみ認識 削除/引用
No.4519-15 - 2015/10/28 (水) 10:12:47 - モノクロ初心者
>mon様
>「グアニジン等で可溶化した封入体液をPBS-10%Glycerol等で希釈して再沈殿させる」という意味です。これを8回ほど繰り返すと封入体中の不純物をかなり減らすことができます。

この操作については存じ上げておりませんでした。過去のトピックを検索しましたら同様の内容がございました。タグ無しの場合、大変有効な方法と思います。

>TAKARAのpHEK293 Ultra Expression Vectorが良さげなような
メーカーウェブサイトに「サイトメガロウイルス由来プロモーターを用いた遺伝子発現と比較して、2〜10倍量の組換えタンパク質の生産が可能である」とありました。高収量が期待できそうで、ぜひ検討してみます。貴重な情報をどうもありがとうございました。

組換えタンパク質を用いたモノクローナル抗体がHisタグのみ認識 削除/引用
No.4519-14 - 2015/10/28 (水) 10:05:09 - モノクロ初心者
>AP様 
>よっしー様

コメントありがとうございます。
当方もこれまで複数の抗体を作製して参りましたが、同様なスケジュールでコンフォメーションを認識するものが取れることもございました。これは、今回のようなリコンビナントではなく、細菌等を用いた場合でしたが。

(無題) 削除/引用
No.4519-13 - 2015/10/26 (月) 20:16:04 - mon
> >「封入体を溶解後希釈して不溶化」 
PAGEで切り出しても良いと思いますが、この文意は、「グアニジン等で可溶化した封入体液をPBS-10%Glycerol等で希釈して再沈殿させる」という意味です。これを8回ほど繰り返すと封入体中の不純物をかなり減らすことができます。

> お勧めの発現ベクターなどございましたら是非ご教示いただけますと幸いです。
自作のものを使っているのでなんとも言えませんが、TAKARAのpHEK293 Ultra Expression Vectorが良さげなような(使ったことはないです)。。。

(無題) 削除/引用
No.4519-12 - 2015/10/26 (月) 17:13:17 - よっしー
>[Re:11] APさんは書きました :
> フォールディングしていようといまいと、免疫されたタンパク質はマクロファージに食われて、8アミノ酸前後に断片化されて抗原提示細胞され、それに対応する抗体産生細胞が活性化されるわけだから、リフォールディングの必要性は疑問。

ここまでの話は,ナイーブヘルパーT細胞がエフェクターヘルパーT細胞になるまでの話で,これにより,抗原の断片を認識する沢山の種類のT細胞がエフェクターになると思います.(マクロファージではなく樹状細胞が主だと思いますが・・・)
B細胞は抗原の表面を立体的に認識します.変性して直鎖状のペプチドももちろん表面にあれば認識しますし,ネイティブな立体構造を持ったタンパク質も表面を認識します.
それをB細胞が取り込み,断片化したものをT細胞に提示するので,先ほどの沢山の種類のT細胞の一部がそれを認識し,B-T細胞の相互作用により,形質細胞へ分化する.というのが教科書に書かれている内容だと思います.

>フォールディングで生じる立体構造をみるような抗体は、T細胞非依存的で、急激なブーストはかからず免疫に長期間かかるので、通常のスケジュールでは取れてこないと思う。

上記の理由により,そんなことはないと思います.

(無題) 削除/引用
No.4519-11 - 2015/10/24 (土) 19:06:19 - AP
フォールディングしていようといまいと、免疫されたタンパク質はマクロファージに食われて、8アミノ酸前後に断片化されて抗原提示細胞され、それに対応する抗体産生細胞が活性化されるわけだから、リフォールディングの必要性は疑問。不溶化していてもいいくらい。アジュバントを使うのもマクロファージの貪食を促進する効果を狙っているんだよねえ。。なんか、もっともらしくフォールディングしていないとダメとかいう人もいるけど。フォールディングで生じる立体構造をみるような抗体は、T細胞非依存的で、急激なブーストはかからず免疫に長期間かかるので、通常のスケジュールでは取れてこないと思う。

(無題) 削除/引用
No.4519-10 - 2015/10/24 (土) 16:42:29 - モノクロ初心者
>おお様
>たていす様
コメントありがとうございます。

>refoldingって必要なんですかね。というか抗体作成でやる意義がどこまであるんですかね?
>抗原として使うときには関係ないだろうなと思います。

非常に貴重なご意見ありがとうございます。優先すべきは抗原量なのか構造なのかと考え、今回はリフォールディング後、少ないなりに量は取れたので、免疫に使用したということもございます。
現在、リフォールディングがうまくいかなかった別のタンパク質に関しては、8MUrea変性条件下でNiレジンで精製後、PBSで10倍希釈で免疫したマウスのリンパ球も取っております。これもタグは残っています。
これがうまくNativeを認識するようならいいのですが…後日ご報告いたします。

>変性蛋白で最初打って、ネイティブでブーストしますか?ブーストはなんとなく量が少なくてもいいような気がするし。
これは試してみる価値がありますね。タグなしのコンスト構築して、PAGE精製、免疫、タグ有リフォールド済みでブースト。これならいいかもしれません。アイディアありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.4519-9 - 2015/10/24 (土) 16:15:24 - モノクロ初心者
>mon様
コメントありがとうございます。

>「封入体を溶解後希釈して不溶化」 

「希釈して不溶化」という部分の意図が少し分からなかったのですが、封入体の溶解後、PAGEでバンドを分離精製するということでしょうか?例えばPAGEゲルを切り出して直接シリンジ内で破砕+エマルジョン化し、免疫といったイメージでしょうか?


>HEK293等の培養細胞による一過性発現系を試みるのも良いかも。
仰る通りで、この方がむしろ扱いやすいタンパク質が得られていたかもしれません。アフィニティー精製、タグ除去後溶出など非常に効率のいいものがありそうですので、今後試してみたいと考えております。お勧めの発現ベクターなどございましたら是非ご教示いただけますと幸いです。

>TAPS化で目的に合うエピトープがマスクされたのかな?
この点に関しましては、考えてもみませんでした。確かに可能性がないこともなさそうですね。

(無題) 削除/引用
No.4519-8 - 2015/10/24 (土) 16:03:25 - たていす
>refoldingって必要なんですかね。というか抗体作成でやる意義...
抗原として使うときには関係ないだろうなと思います。
ELISAでcloneをアッセイするときにnative-responsiveを拾いたければ、必要な感じがします。

(無題) 削除/引用
No.4519-7 - 2015/10/24 (土) 12:21:41 - おお
よくわからないけどrefoldingって必要なんですかね。というか抗体作成でやる意義がどこまであるんですかね?

もちろんネイティブな構造を認識する抗体や、蛋白の外に露出している部分を認識する抗体などとるにはやる価値があるかもしれませんけど。

油と乳化させたりすると、変性とかもしそうだし。

変性蛋白で最初打って、ネイティブでブーストしますか?ブーストはなんとなく量が少なくてもいいような気がするし。

(無題) 削除/引用
No.4519-6 - 2015/10/24 (土) 12:04:10 - mon
「Hisタグあたりを認識するものしか取れて来なかった」かつ
「tag無しでフォールディングした組換えタンパクの大量調製が困難」でしたら、
tag無し変性状態で精製(例えば、「封入体を溶解後希釈して不溶化」を10回ほど繰り返す、PAGEなど)>免疫>フォールディングしたもの(tag有りでも良い)でハイブリドーマをスクリーニング>血液(血清)中の目的タンパクが検出できるものを選抜、かな。
フォールディングした組換えタンパクの大量調製のためにHEK293等の培養細胞による一過性発現系を試みるのも良いかも。もし少量しか調製出来なくても、産物はハイブリドーマのスクリーニングにも使えますので損はないと思います。
TAPS化で目的に合うエピトープがマスクされたのかな?

組換えタンパク質を用いたモノクローナル抗体がHisタグのみ認識 削除/引用
No.4519-5 - 2015/10/24 (土) 01:50:19 - モノクロ初心者
>おお様
ありがとうございます。

>プラスミドのHis tagをコードする部分を除けばいいんじゃないか。たしか開始コドンのぶぶんはNcoIで切れると思うし。
承知しておりますが、封入体洗浄程度を接種するよりかは、Niレジンでの精製を優先した次第です。

>リフォールディング済みとありますが、実際にちゃんとした構造が取れていたか確認しましたか?
これは、実際どうなのか不明ですが、タンパク質間相互作用にて確認を行っております。

変性条件下で精製するとかなりの量が取れてきますが、リフォールディングに使用可能な量というのに制限がありまして、それ以上加えても凝集沈殿になるだけでした。
やはりタグ除去後にタンパク濃縮しか手はないのでしょうか…

(無題) 削除/引用
No.4519-4 - 2015/10/24 (土) 00:28:05 - おお
> ただしその場合はtagの切断をどうするか考えないといけないけど。

水溶液中で反応できれば、そのあと変性状態でもう一度Niカラムでthroughしてきたものを回収する手はあるかな。

(無題) 削除/引用
No.4519-3 - 2015/10/24 (土) 00:25:14 - おお
リフォールディング済みとありますが、実際にちゃんとした構造が取れていたか確認しましたか?

リフォールディングせずに変性条件かで精製した方がまずは収量が上がるのでは。そのあとしたければリフォールディングすればいいかと。ただしその場合はtagの切断をどうするか考えないといけないけど。

(無題) 削除/引用
No.4519-2 - 2015/10/24 (土) 00:18:55 - おお
プラスミドのHis tagをコードする部分を除けばいいんじゃないか。たしか開始コドンのぶぶんはNcoIで切れると思うし。

組換えタンパク質を用いたモノクローナル抗体がHisタグのみ認識 削除/引用
No.4519-1 - 2015/10/23 (金) 23:49:12 - モノクロ初心者
初めて投稿します。
組換えタンパク質を用いてモノクロを作出し、血中タンパク質の検出系を確立することを目的としています。

まず、pet28の系で組換えタンパク質を作製後、不溶性画分に目的タンパク質を得ました。
封入体を洗浄後、TAPS化+希釈法によるリフォールディング、ニッケルビーズによるバッチ精製で収量として10μg程度の目的タンパクを得ました。
Hisタグの除去も実施してみましたが収量がかなり悪く、抗原として不十分になってしまうため、このままTiterMaxでエマルジョン化し、マウス5匹に2μg程度ずつ接種しました。
その後、リンパ球を粗精製後、SP2と細胞融合し、約300クローンのハイブリドーマを得ました。
接種に用いた組換えタンパク質を認識するモノクロが約50ほどありましたが、N末端のHisタグから目的タンパク質まで同じ配列を持つ別の組換えタンパク質でもELISAを試みたところ、全てのモノクロが、同じN末配列を有する別の組換えタンパク質とも同様に反応したため、おそらくHisタグあたりを認識するものしか取れて来なかったと思われます。

リフォールディング済みのタンパクを用いたほうが、実際の血中タンパク検出に使える抗体ができてくるかと思いこのような方法で行いました。
今後、封入体を可溶化後、そのままマウスに接種しようかとも考えておりますが、結局は同じことになりそうな気がしております。

組換えタンパク質でモノクロを作られた経験をお持ちの方のアドバイスをうかがうことができればと思い、投稿いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

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