一般的にバッファーは強い酸と弱い塩基、または強い塩基と弱い酸を組み合わせて作ります。強い、弱いとは電離度の高さで、強ければほぼ100%電離してイオンになるし、弱ければ一部だけ電離し残りは電離しません。
酸やアルカリが加わって水素イオン濃度の変動が起こったとき、、その分、未電離の分子が電離したり、電離しているイオンが未電離に戻ったりすることで、水素イオン濃度の増えた分を吸収したり、減った分を補ったりします。それでpH(水素イオン濃度の対数を表す物)の変動が起こりにくくなるのがバッファーです。
xx mol/Lのなんとかバッファーと言ったとき、バッファーの基剤となる弱酸、弱塩基の濃度がそれになるようにします。1 mol/L リン酸ナトリウムバッファーといえば、弱酸のリン酸基の総濃度(電離未電離合わせた)が1 mol/Lになるようにして、強塩基のNaイオンの濃度は合わせるpHによって変わります。
酢酸アンモニウムバッファーだと、酢酸もアンモニアは、弱酸・弱塩基の部類で、どちらを基剤と考えるかは組み合わせ次第ですが、この場合は酢酸を基剤とと考えて、酢酸基の濃度が3.1mol/Lになるようにするのが正解でしょうね。したがって、3.1 mol/Lの酢酸アンモニウムと3.1 mol/Lの酢酸を少しずつ混ぜて(混ぜても酢酸基の濃度は変わらない)、pH 5になるようにするのが基本。そのときどれくらいの比率で混ぜればよかったかを記録しておけば、次からはそれに従えばpHメータなしでもできます(必要ならばpHメーターによる確認と微調整)。
じつは、弱酸、弱塩基の電離度(濃度によって異なる)や解離係数やらが分かれば(主な物質については理科年表や生化学の教科書なんかに載っています)、目的のpHを得るにはどういう分量で混ぜればいいかは計算できます。生化学の試験なんかで覚えさせられましたが、もう自力で出来る自信はありません。 |
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