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Streptavidin Sepharoseによるpulldownサンプルの粘付きについて トピック削除
No.4347-TOPIC - 2015/08/18 (火) 09:07:14 - 非常識人
表題の通り、Streptavidin Sepharoseによる、細胞Lysate内のbiotin化されたタンパクのpulldown実験において、ボイル後のサンプルが糸を引く状況が発生しております。

実験の流れとしては、
細胞内タンパクのbiotin化→1%SDS/PBSで細胞Lysateを取得→ソニケーションで細胞破砕→SA Sepharoseで一晩pulldown→1%SDS/PBSでwash→boilし、1×SBに溶出→電気泳動〜 
このようになっております。

元々boil後に遠心すると、サラサラとした上清の1×SBと残ったSepharoseで綺麗に分離され、上清のみを吸い取ってSDSPAGEにかけるのは非常に簡単だったのですが、ここ数回、何故か沈殿したSepharoseまで一緒に吸い上げてしまいます。表題の「粘付き」とはこのSephasoseと混ざったサンプルが糸を引くということです。
勿論、遠心条件は変えておらず、遠心不足によるものではないと考えています。
また、糸を引くだけなら良いのですが、実際にバンドまで汚くなり、結果の解釈ができないという問題が生じています。(正直いままで以上に遠心したサンプルからも、ビーズ由来と思われるノンスペバンドが一定量観察されるようになっています)

ソニケーション時間の延長、古かった1×SBの新調、及びStreptavidin Sepharoseの新調を行いましたが、結果は改善しておりません。

上記の状態から、おそらくStreptavidin Sepharoseの状態に何か変化があると考えているのですが、先達の方々から助言をいただければと思います。

長文失礼いたしました。
何卒宜しくお願い致します。

補足等は、トピックへの記述に応じて追記いたします。
 
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(無題) 解決済み 削除/引用
No.4347-14 - 2015/08/26 (水) 12:55:35 - 非常識人
とりあえず、本件に関して解決いたしましたので、最後のレスとして報告します。

原因は、1%SDS/PBSの不備でした。
具体的な原因は不明ですが、思うに実濃度より薄くなっており十分な溶出ができず、若干残った細胞内のDNAがソニケーションで生き残り、最終的に加えられるSampleBuffer内のSDSによって完全に溶解して残ったDNAが溶け出して粘ついていた、ようです。

SA-sepharoseによるpulldown後の再ソニケーションは、若干のバンド減少が確認されたことより、2度目のソニケーションでsepharoseとタンパクの結合が多少破壊されることがわかりました。

ソニケータ―本体は、うちのラボにある2機とも同様な結果を与えたので、機会に不備はないと判断しました。

たくさんのご意見ありがとうございました。

また、同様な症状が見られた方は、私の経験をぜひ参考にしてみてください。

(無題) 削除/引用
No.4347-13 - 2015/08/22 (土) 13:21:35 - 非常識人
Sunny Jose様>
ご意見ありがとうございます。
ソニケータ―が消耗品であり、汚れなどによってもソニケータ―具合が変わってくることは存じていましたが、うちのラボのボスによると、ソニケータ―はかなり最近買ったもので、普通の劣化速度を考えると、この時期にそれによる影響がでるのはあまり考えられないそうです。

ソニケータ―の不備というご意見をたくさんいただきましたが、うちのラボの2台のソニケータ―ともに同様の結果になってしまったので、それ以外にcriticalな原因があるように思えます。

まだまだご意見、助言を募集中ですが、現段階の状況をお伝えします。

・ソニケータ―時間を大幅に伸ばしても、boil後の粘つきは改善されない(徐々に減少することさえも見られない)
・ソニケータ―強度を大幅に上げても、boil後の粘つきは改善されない(徐々に減少することさえも見られない)
・ソニケータ―後、27G針によるsuspendも効果なし
・マイコプラズマ等の感染による細胞の発現変化、性質変化を疑ったが、感染は確認されず

また、以前アドバイスいただいた、tritonX-100への試薬の移行ですが、同じタンパクでも局在場所によっては同一の界面活性剤で可溶化できるか変わってくる可能性があり、今までのデータとそぐわない結果になる恐れがあることから、避けることにしました。

現段階でサンプルの粘つきを改善できた唯一の方法が、「SA-sepharose添加O/N incubateした後に、もう一度ソニケーションをかける」方法でした、つまりSDSによる溶出後に加えて、SA-sepharoseによるpulldown後に改めてsepharoseごと再度ソニケーションにかけるということです。

一定以上ソニケーションしてもDNAの破砕量に急に限度ができてしまい、sepharose添加後のソニケーションでしか改善ができない、ような感じになっています。

やればやるほどDNAは破砕されていく、のではないでしょうか?

また、上記の唯一の改善策も、sepharoseと目的タンパクとの結合がそれによって切断されてしまうという決定的な欠点の存在可能性もまだ残っております。

また何か新規に結果が出ましたら、情報共有も含めてスレに記載したいと思います。
なにかご意見等ございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.4347-12 - 2015/08/21 (金) 05:39:28 - Sunny Jose
直接超音波のチップは消耗品です。
特に、先端を溶液に漬けずに空気中で発信してしまうようなことをしてしまうと一気に劣化します。
今回のケースは、チップの劣化が原因でしょう。

(無題) 削除/引用
No.4347-11 - 2015/08/18 (火) 20:57:28 - 非常識人
ご意見ありがとうございます。

おお様>
最終的にだまになったDNAが溶出される事例があるのですね・・・
シリンジでのDNAの細分化は試したことがないので、サンプルのソニケーション後、SA-Sepharose添加前にワンステップ組み込むのもよさそうです
実際にどの程度シリンジに通せばよいのでしょうか。

たていす様>
言葉足らずでごめんなさい。
実験のストリームとしては、まずbiotin試薬が特異的に結合する変異を加えたたんぱく質を発現させ、intact cellの状態でbiotin試薬を加え、あとは記載の通り操作して最終的にSA-Sepharoseで落としてくる、というものです。なので、どちらかというと、前者ですね。
Lysateのソニケーション産物にSA-Sepharoseを加え、その後遠心分離します。

AP様>
理屈では理解できるんですけど、あまりにもドラスティックな変化が突然発生したので、感覚が追いついていないのも事実です…
またこれが真だとしても、自分一人ではどうにもならさそうですね。教授や業者にチェックの相談をしなければならないですね…
現段階ではシリンジに通す対症療法しかできなさそうですね…

(無題) 削除/引用
No.4347-10 - 2015/08/18 (火) 19:58:30 - AP
粘稠、糸をひくというのは、やっぱりDNAだと思うけれどなあ。
ソニケーションは設定値をそろえたといっても、機械任せで盲撃ちしているようなもんだから、実は条件が違っているかもしれない。現に結果として、違う仕上がりになっているのだから、「条件は変えていませんから! キリッ」と決め付けるのは違うんじゃないか?

機械の故障、不調

プローブが緩んでいる、プローブ破損して、ヒビが入ったとか、ごく先端が折れたとか

チューブが変わった、プローブを当てるポイントが変わった

ソニケーションじゃない方法でやってみたら
DNaseの提案もありましたが、注射針に繰り返し通すとか。

(無題) 削除/引用
No.4347-9 - 2015/08/18 (火) 18:55:29 - たていす
7月までは、SA-Sepharoseで良好にpull-downできていたということですか?
それとも、ウェスタンで見るとビオチン化がうまく行っていたと言うことですか?

あなたの言っている
>実験の流れとしては、
>細胞内タンパクのbiotin化
とは、どういう操作なのでしょうか?
私が想像するには、
1)ビオチン化シグナルを入れた組み換えタンパク質を発現させる。
2)タンパク質にNHS-biotinなどで化学修飾する。
の、どちらかなのだろうなと思いますが、それぞれで対応が違うんじゃないかなと思います。

SA-Sepharoseに細胞抽出液(未遠心)を添加していると考えて良いのですか?

(無題) 削除/引用
No.4347-8 - 2015/08/18 (火) 15:46:15 - おお
見えるか見えないかはおいといてDNAがだまになっていて、溶出しないまま、その状態では別にねんせいがない場合もあります。ビーズといしょに落ちてきて最後ボイルするときに溶け出てきたりして、IPとかではけっこう難儀です。

DNAをちぎるにはソニケーションのほかにシリンジでニードルを通す方法もあり、場合によってはそっちの方が均一性という意味では安心かもしれません。その目的には23G-25Gのニードルがよく使われると思いますが、神経質な人は上記ニードルで処理した後にもう一段階細いものを使う人もいます。

(無題) 削除/引用
No.4347-7 - 2015/08/18 (火) 15:24:14 - 非常識人
soo様>
ご意見ありがとうございます。私のラボで用いているのは一般的な「チップをサンプルに差し込む型」のソニケーターです。
Sepharoseのみをboilするのは簡単な操作なのでやってみます。

おお様>
ご意見ありがとうございます。
正直申し上げますと、今までこの体の実験を1年程度行ってきており、仕様bufferや実験条件を変えずに今年8月に入ってから急に異変が生じたので、根本的なプロトコルの不備、細胞間に依る差異はあまり無いように感じています。7月で実験して問題なかった細胞同を8月に実験したら、急に粘つき始めたのが現状です。
ただ原因が全くわからない以上、おお様のご意見を参考にさせていただきたいと思います。幸いなことに目的タンパクはTriton-X100で可溶化可能(別実験でCHAPSOで可溶化したものを遠心して落としてきて、さらにTriton-X100で可溶化する実験を行っています)なので、試す価値はありそうですね。
ただソニケーションの前後で各サンプルの粘付きが消えること、糸を引かなくなることを毎回確認している、さらにはSepharoseとの結合後のwashの段階で粘つきは全く観察されないので、ソニケーション不足によるDNAの残留は無いように思えるのですが、いかがでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.4347-6 - 2015/08/18 (火) 14:54:02 - おお
>おお様の「よりマイルドな条件での溶出」というのは、boil条件をマイルドにするということなのでしょうか。

細胞から蛋白を溶出するとき(cell lysateをつくるとき)1%SDSを使ってますよね。この条件だと核マトリクスが完全に壊れてDNAが出てきます。DNAは非常に長いのでそれが理由で溶液がどろどろで糸を引くようになります。そう言う溶出って意外と難しい面がありまして、DNAの解け方が不均一になりやすいこともあります。そうするとやはり毎回あるいはサンプル間で違った事が起こる可能性はあります。あとDNAがビーズに絡みやすいかもしれません。

でこのようなDNAが溶出してしまうような方法でなく、DNAが溶出しないようなlysis bufferもあって、たとえばSDSのかわりにTriton x-100を使うと、細胞の状態や数によりますが核マトリクスが壊れないのでDNAが出てこない状態でたいていのタンパク質が得られます。ただし不溶のまま残ってしまう蛋白もないわけではないです。

(無題) 削除/引用
No.4347-5 - 2015/08/18 (火) 14:05:24 - soo
湯浴型と書いたのは、眼鏡洗浄器みたいなもので、たまに使用しているラボがありますが、出力が弱いので細胞の溶解には適しておらずDNAの剪断もできません。普通は溶液にチップを入れるタイプのものを使用していると思うので、一応聞いてみたまでです。
Sepharoseだけをboilするとどうなるか、またおおさんの指摘通りDNaseを添加して改善するかを試すのが原因を探る簡単な方法だと思います。

(無題) 削除/引用
No.4347-4 - 2015/08/18 (火) 12:24:30 - 非常識人
ご意見ありがとうございます。
ソニケーターの設定を念のため確認してみますが、毎回使用時に設定を確認しているので、今までとは違う設定でソニケーションしたとは考えにくいです。
また、私の知識が浅はかで申し訳ないのですが、湯浴型のソニケーターとはどのようなものなのでしょうか。ゲノム溶出に大きく関わることがあるのでしょうか。

またサンプルの状態に関しまして、
・細胞は予めセルカウントしたものを一定時間培養したものを仕様
・ソニケーション後のサンプルを一部inputとしてapplyしているが、こちらに異変はない、westernのバンドも通常通り
・Streptavidin Sepharose添加したpulldown群はソニケーション後からwash、boil直前まで、粘つくこともSepharoseが上清とともに吸いだされるようなことも全くなく、まるでboilによって新たに遊離した何かによってSepharoseが吸いだされやすくなったかのような感じ
であります

おお様の「よりマイルドな条件での溶出」というのは、boil条件をマイルドにするということなのでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.4347-3 - 2015/08/18 (火) 10:16:39 - おお
変性条件でpull downしているので、修飾とか見てるんでしょうかね、、、
おそらくDNAが絡んでいるんだと思います。サンプルのinputがちょっと多くなっているとかないでしょうか?あとDNAはいつも一定量絡むとは限らないので日によって、サンプルによって変わってくることはあるとおもいます。
DNAが溶出しないもう少しマイルドな条件で溶出してはどうでしょうか?で結合させた後で強い条件で洗えば同様の結果が期待できるように思えますが。
あるいはビーズにつけた後、PBSで2回ぐらい洗って、DNaseI処理をしてまた強い条件で洗うとか。

(無題) 削除/引用
No.4347-2 - 2015/08/18 (火) 10:04:29 - soo
普通に考えるとゲノムDNAの混入を疑いますが、ソニケーターの使い方を間違えているor壊れている、湯欲型のソニケーターを使っているとかないでしょうか?

Streptavidin Sepharoseによるpulldownサンプルの粘付きについて 削除/引用
No.4347-1 - 2015/08/18 (火) 09:07:14 - 非常識人
表題の通り、Streptavidin Sepharoseによる、細胞Lysate内のbiotin化されたタンパクのpulldown実験において、ボイル後のサンプルが糸を引く状況が発生しております。

実験の流れとしては、
細胞内タンパクのbiotin化→1%SDS/PBSで細胞Lysateを取得→ソニケーションで細胞破砕→SA Sepharoseで一晩pulldown→1%SDS/PBSでwash→boilし、1×SBに溶出→電気泳動〜 
このようになっております。

元々boil後に遠心すると、サラサラとした上清の1×SBと残ったSepharoseで綺麗に分離され、上清のみを吸い取ってSDSPAGEにかけるのは非常に簡単だったのですが、ここ数回、何故か沈殿したSepharoseまで一緒に吸い上げてしまいます。表題の「粘付き」とはこのSephasoseと混ざったサンプルが糸を引くということです。
勿論、遠心条件は変えておらず、遠心不足によるものではないと考えています。
また、糸を引くだけなら良いのですが、実際にバンドまで汚くなり、結果の解釈ができないという問題が生じています。(正直いままで以上に遠心したサンプルからも、ビーズ由来と思われるノンスペバンドが一定量観察されるようになっています)

ソニケーション時間の延長、古かった1×SBの新調、及びStreptavidin Sepharoseの新調を行いましたが、結果は改善しておりません。

上記の状態から、おそらくStreptavidin Sepharoseの状態に何か変化があると考えているのですが、先達の方々から助言をいただければと思います。

長文失礼いたしました。
何卒宜しくお願い致します。

補足等は、トピックへの記述に応じて追記いたします。

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