qRT-PCRのΔΔCt法における標準誤差の計算方法についてのご質問です。
ΔΔCt法に関する様々なホームページや教科書、また似たようなトピックには目を通したのですが具体的な計算が今ひとつ記入されておらず理解できなかったため、質問させていただきます。
仮に、個体AとB間における遺伝子発現量をΔΔCt法を用いて相対比較するとします。この場合、私は以下のような計算で平均値と標準誤差を求めています。
*また、このときA1はB1と、A2はB2と、A3はB3と同時に機械にかけて測定しています。
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<目的の遺伝子のCt値>
A1; 15, A2; 16, A3; 17 B1; 14, B2; 13, B3; 12
<リファレンス遺伝子のCt値>
A1; 5, A2; 5, A3; 5 B1; 5, B2; 5, B3; 5
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<平均値の計算>
@ ΔCtを求める(ここではA1に注目している)
A1のΔCt = A1のCt(目的の遺伝子) - A1のCt(リファレンス遺伝子) = 15 - 5 = 10
A A及びBのΔCの平均をとる(それぞれを(AのΔCt), (BのΔCt)とする)
AのΔCt = (10 + 11 + 12 ) / 3 = 11
BのΔCt = (9 + 8 + 7) / 3 = 8
B ΔΔCtを求める(Aを1とした相対比較を目的とする)
AのΔΔCt = AのΔCt - AのΔCt = 11 - 11 = 0
BのΔΔCt = BのΔCt - AのΔCt = 8 - 11 = -3
C 2^(-ΔΔCt)値をとり相対値とする
相対値A = 2^(-ΔΔCt) = 2^(-(0)) = 1
相対値B = 2^(-ΔΔCt) = 2^(-(-3)) = 8
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<標準誤差の計算>
@ ΔCtを求める(ここではA1に注目している)
A1のΔCt = A1のCt(目的の遺伝子) - A1のCt(リファレンス遺伝子) = 15 - 5 = 10
A A1-3, B1-3の ΔΔCtを求める(AのΔCt(A1-3のΔCtの平均値)を用いる)
A1のΔΔCt = A1のΔCt - AのΔCt = 10 - 11 = -1
A2のΔΔCt = 0
A3のΔΔCt = 1
B1のΔΔCt = -2
B2のΔΔCt = -3
B3のΔΔCt = -4
C それぞれについて2^(-ΔΔCt)値をとり相対値とする
相対値A1 = 2^(-ΔΔCt) = 2^(-(-1)) = 2
相対値A2 = 1
相対値A3 = 0.5
相対値B1 = 4
相対値B2 = 8
相対値B3 = 16
D A, Bについて標準誤差を求める
AのSEM = STDEV(相対値A1, 相対値A2, 相対値A3)/ SQRT(COUNT(相対値A1, 相対値A2, 相対値A3)) = 0.4409586
BのSEM = 3.5276684
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<結果>
A = 1, SEM; 0.4409586 B = 8, SEM; 3.5276684
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上記のような計算を行っているのですが、標準誤差を求めるために用いた相対値A1-3の平均値及びB1-3の平均値がそれぞれ1.17, 9.33となり、平均値を求めるために用いた計算結果の1, 8と同じになっていないためどうも気持ちが悪いです。
平均値を求める計算と標準誤差を求める計算で、塁上計算(2^(-ΔΔCt))をまたにかけていることがこの違いの原因であると思うのですが、、じゃあどうすればいいのか?という疑問だけが残っています。
周りに相談できる相手はおらず(qRT-PCRをやっている方がおりませんし知識のある方もおりません)、qRT-PCRに関する教科書も読んできました。
この疑問に関して、助言できる方がおられましたら是非ともアドバイスを御願い致します。 |
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