(続き)
また、PCRさんが仰られるように検量線はcDNAでやるべきです。程度の差はあれ、cDNAは高濃度側では増幅効率が悪く、低濃度側では増幅効率が良くなることがあります。この場合、直線性がある部分のみを検量範囲にします。
(直線性ですが、R^2が0.999を下回る場合Failedと判定する〜判定自体しないなど、機器によって様々です。ガイドライン上はとりあえず論文中に明記しとけばいいです)
サンプルは逆転写物をこの直線内に入るように希釈します。こうすることで、cDNAの中にPCR阻害物があろうと、それがサンプルより多い部分〜少ない部分で直線性を確保しているので、現状最も正しいです。
(東大の例でいうならTime0は未希釈のものから検量線の希釈段階を取っているだけで、検量線から外れているとは限らないのでは?普通サンプル希釈するし)
リアルタイム開発者のRocheや実験参考書あたりには昔からcDNA Standardが書かれていますが、臨床検査やウイルス研究の人たちからすると何pgとかの検量線の方が馴染みが深いようです。細胞数とか遺伝子発現量の変化とか気にしてないですからね。
そこらへんもあり、ガイドライン上はプラスミドでもなんでもいいことになってますので、サンプル汚いけど綺麗な検量線引いて論文通したい人は(面倒な)そっちのやり方を選ぶのではないでしょうか。臨床とVitro実験を同じガイドラインにまとめてこう中途半端になっただけなんですけどね
個人的にはReferenceで補正しているのに何コピーとか書いている人見ると何だか恥ずかしいです
先日アジレントのセミナーに行った時、cDNA希釈系列ではなくPCR産物を検量線に使われていたので質問したのですが、「cDNAで検量線を引くと絶対歪むから」と仰られていました。要するに増幅効率の違い=大きな誤差は承知済みってことです。個人的にはそんなサンプルなら実験しなきゃいいのにと思いますが、ここは人によるのでしょう
プライマーは自分で設計し経験を積まれることをおすすめします。
例えばちょっと違和感のある論文に載っていたTNF-αのプライマーを先日使ってみたところ、増幅効率は普通で立ち上がりが非常に悪く、通常サンプルだとCt=43程度でした。
刧僂tを使っている論文で検量線の記載もなかったので、コントロールでわざと小さく出るようなプライマーを選び、実験結果(誘導倍率)を大きく見せたのかもしれません。(PCRガイドラインも論文が酷すぎて出てきたわけで)
そういうこともあるので、プライマーの設計くらいは覚えたほうがいいですよ |
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