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組織中の酵素活性を測定したい トピック削除
No.4089-TOPIC - 2015/05/12 (火) 23:38:32 - YK
お世話になります。

マウス組織中のゴルジ装置に局在する酵素の活性を放射性同位体を用いてin vitroで測定したいです。
私はこれまで培養細胞でこの手の実験を行ってきましたが、組織(mid colon)は初めてです。

野生型マウスとその酵素をノックアウトしたマウスのmid colonのtotal cell lysateを共同研究者から渡され、それを私が評価しています。

ストレートフォワードな実験のはずが、活性が見られず困っています。その酵素の発現、活性はmid colonが最も高い組織と論文に報告されています。

共同研究者からもらったlysateの調製法を聞いたのですが、マウスのmid colonを取り出し、内容物をPBSで洗浄し、1% Triton X-100 in 20 mM Tris-HCl, pH7 (+ protease inhibitor cocktail) を組織に加え、BeadBeaterで室温で調製されたようです。

私が思うに、腸管は結合組織が多く、BeadBeaterをかなり続けないと均一なlysateはできないんじゃ?と思っています。そもそも室温でしかも激しい組織の壊し方をするBeadBeaterでやったら酵素もnativeでなくなるのでは?と思っています。が、確信がないので共同研究者らに言えません。私が4度、dounce homogenizerで優しく調製したらいいんですが、ネガコン(ノックアウトマウス)がないので野生型だけでやってもな・・と思っています。

組織からできるだけ活性を維持しつつ酵素を可溶化する方法としてはどれがおすすめですか?BeadBeaterは摩擦熱も発生しそうですし、lysateも泡あわです。また、酵素反応中のTriton X-100を0.1%でやるように書かれてあります。ですが、この濃度では可溶化能力が低いのか、酵素反応中に上清と下に沈むモヤモヤが10分も立てば見えてきます。私は酵素反応中10分おきに底をタップしています。試しに終濃度1% Triton X-100でやってみると可溶化がしっかりできているのか、酵素反応中の分離はなくなりましたが、活性はそれでもみえませんでした。Triton X-100自体はタンパク質の活性に影響はしないはずですよね?

まずはポジコンで、培養細胞でやるべき、と思いますが、その酵素を高く発現している細胞がないので試せません。
 
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(無題) 削除/引用
No.4089-9 - 2015/05/14 (木) 02:26:54 - L
確認ですが、「これまで培養細胞でやってきた」実験というのは、今回の酵素の活性測定なのでしょうか? それとも他の酵素なのでしょうか? もし、既に培養細胞で今回の酵素活性測定の系ができているのであれば、できるだけそれに近い条件にした方がいいでしょうし、もし初めて測定する酵素活性であれば、培養細胞での系を確立してから組織にトライする方が無難な気がします。大腸癌の細胞株とか、どうでしょうか?

大腸といっても、色々な細胞からできています。その酵素の発現は大腸のどのような細胞でみられるのでしょうか? もしクリプトの上皮細胞で発現しているのであれば、DTT/EDTAなどでクリプト上皮細胞を分離してサンプルにすれば、酵素活性を濃縮できるかもしれません。ただし、この場合、共同研究者の方にお願いするのは、ちょっと気が引けますけどね。

トータルの腸を使う場合、私のラボでも、まっくろんさんとほぼ同様の方法で蛋白を抽出しています(ポリトロンは使ってません)。 溶解BufferにはTritonとNP40を0.1%で入れてますが、単独でも多分大丈夫です。この方法で得たライセートを使って、細胞質に局在するキナーゼをIPし、リコンビナントの基質のリン酸化を検出する事により、活性測定しています。ただし、我々はマウスの小腸しか使っておらず、ゴルジに局在する蛋白を調べた事もないので、この方法で大腸のゴルジ局在酵素の活性が測定できるかどうかは、実際試してみないと分からないです。

(無題) 削除/引用
No.4089-8 - 2015/05/13 (水) 13:07:28 - まっくろん
 書き漏らしたので,一応追記です。

 WBと書きましたが,ELISA用のサンプルを作るときも同様にやっています(酵素活性はやったことがありません)ので,未変性試料を作る際にもいけるんではないかと勝手に思っています。

(無題) 削除/引用
No.4089-7 - 2015/05/13 (水) 13:04:04 - まっくろん
 組織(凍結)を貰って,自分で色々試せるといいですけどね。

 こちらでは組織のタンパク質発現をWBで見る時,おおさんがおっしゃる乳鉢を使って行います。手順ですが,
1) 陶器(?)の乳鉢内に液体窒素を入れて,完全に蒸発するまで冷やす(棒も一緒に)
   2) 乳鉢に少量の液体窒素と,凍結した組織を入れる
   3) パウダー状になるまでゴリゴリ 
   4) パスダーになったら,液体窒素で冷やした薬さじなどで回収
   5) 使う分のみチューブに移して,タンパク抽出作業
   6) 残りは凍結保存(なるべく早く使い切ります)

 パウダーからタンパク質を抽出するときは,溶解バッファー(+プロテアーゼインヒビター)で一応ポリトロンを使います。その際,バッファーは冷えたもので,氷中で行っています。

 参考になれば幸いです。

(無題) 削除/引用
No.4089-6 - 2015/05/13 (水) 12:00:31 - おお
>また、酵素反応中のTriton X-100を0.1%でやるように書かれてあります。ですが、この濃度では可溶化能力が低いのか、酵素反応中に上清と下に沈むモヤモヤが10分も立てば見えてきます。

明らかなデブリをのぞいていて細かい粒子のけんだく液になっている状態なら、チューブをrotatorなどで反応中回しておくのも手かと。

ただ遠心してデブリを除くと思うけど、、、それで蛋白が上澄みにきているかペレットにどれくらい残っているか確認してから活性を測ればいいかとおもうのだけど、、、

(無題) 削除/引用
No.4089-5 - 2015/05/13 (水) 11:24:45 - たていす
>私はこれまで培養細胞でこの手の実験を行ってきましたが
文面からはよく判りませんが、培養細胞でこの酵素活性を測定できなかったのですね?
そうだとすると、
1)酵素が抽出できていない。
2)活性測定がまるでうまく言っていない。
の両方の可能性があると言うことでよいですか?

1)抽出できている、できていないに関しては、
抽出液中の当該の酵素をウェスタンで確認する。
抽出液中のゴルジの(似たような局在の)タンパクをウェスタンで確認する。
ことが、可能だと思います。
2)の活性測定が適切になされているのかに関しては、
ポジコンと言うことになるでしょうが、そもそも可溶化したものが測定できそうなのでしょうか?ゴルジの膜画分で測定したほうが良いという可能性はないのでしょうか?

>?と思っています。が、確信がないので共同研究者らに言えません。
これはないでしょ。カッコつけないで聞くべきではないかなぁ。

(無題) 削除/引用
No.4089-4 - 2015/05/13 (水) 05:24:09 - おお
液体窒素などで凍らせて冷えた状態のまま乳鉢とかでパウダーにしてしまうっていうのもきいたことあるな、そういえば。固くてパウダーになりにくいなら、ハイブリバッグなどにいれて、トンカチでたたいて細かくつぶすっていうのもやっている人がいるみたい。で細かくつぶせてからバッファーをいれる。

(無題) 削除/引用
No.4089-3 - 2015/05/13 (水) 01:30:37 - おお
ポリトロン使う人もいますね。

(無題) 削除/引用
No.4089-2 - 2015/05/12 (火) 23:54:32 - おお
TX-100も所詮detergentなので、蛋白を変性する可能性はあります。
あまり経験はないのですが、colonは確かに堅い組織なので、lysateを作る前にナイフなどで細かく切り刻む、結合組織を酵素分解するなどの工夫が必要かもしれません。あるいは凍結切片をつくるか。

組織中の酵素活性を測定したい 削除/引用
No.4089-1 - 2015/05/12 (火) 23:38:32 - YK
お世話になります。

マウス組織中のゴルジ装置に局在する酵素の活性を放射性同位体を用いてin vitroで測定したいです。
私はこれまで培養細胞でこの手の実験を行ってきましたが、組織(mid colon)は初めてです。

野生型マウスとその酵素をノックアウトしたマウスのmid colonのtotal cell lysateを共同研究者から渡され、それを私が評価しています。

ストレートフォワードな実験のはずが、活性が見られず困っています。その酵素の発現、活性はmid colonが最も高い組織と論文に報告されています。

共同研究者からもらったlysateの調製法を聞いたのですが、マウスのmid colonを取り出し、内容物をPBSで洗浄し、1% Triton X-100 in 20 mM Tris-HCl, pH7 (+ protease inhibitor cocktail) を組織に加え、BeadBeaterで室温で調製されたようです。

私が思うに、腸管は結合組織が多く、BeadBeaterをかなり続けないと均一なlysateはできないんじゃ?と思っています。そもそも室温でしかも激しい組織の壊し方をするBeadBeaterでやったら酵素もnativeでなくなるのでは?と思っています。が、確信がないので共同研究者らに言えません。私が4度、dounce homogenizerで優しく調製したらいいんですが、ネガコン(ノックアウトマウス)がないので野生型だけでやってもな・・と思っています。

組織からできるだけ活性を維持しつつ酵素を可溶化する方法としてはどれがおすすめですか?BeadBeaterは摩擦熱も発生しそうですし、lysateも泡あわです。また、酵素反応中のTriton X-100を0.1%でやるように書かれてあります。ですが、この濃度では可溶化能力が低いのか、酵素反応中に上清と下に沈むモヤモヤが10分も立てば見えてきます。私は酵素反応中10分おきに底をタップしています。試しに終濃度1% Triton X-100でやってみると可溶化がしっかりできているのか、酵素反応中の分離はなくなりましたが、活性はそれでもみえませんでした。Triton X-100自体はタンパク質の活性に影響はしないはずですよね?

まずはポジコンで、培養細胞でやるべき、と思いますが、その酵素を高く発現している細胞がないので試せません。

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