EtOH pptに使用するNaOAcはpH 5.2や4.8, 4.5、あるいは7.0など、場面によって、あるいは本によって異なる記述が見られます。まあ、どれを使っても核酸の回収には大差ありません。
しかし、pH 5前後の3 M NaOAcは結構作るのが難しくて、酢酸が終体積の半分くらい必要で、pHが下がりきらなかったりボリュームをオーバーしてしまうこともしばしば。pH 4.3って相当なもんです。
ひょっとするとRNA精製のAGPC法に使うためのものでしょうかね。教科書的には2 M NaOAc, pH 4.0というのを使うようですが。AGPC法ではpH 4.0のバッファー、フェノールでRNAを抽出します。より加水分解を受けやすいRNAでも大丈夫なわけですし、RNAを含む水層を回収したあとのフェノール層からDNAを回収する方法もあります。つまり、pH 4.0であるがために、核酸が分解する心配はないだろうということ。
ちなみに、例えば0.2 M HClのような強い酸性条件では脱プリン反応、それに続く骨格の加水分解で核酸の断片化が起こります。 |
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