最初の質問についてですが、組織標本でみられる血球(赤血球?)、血管(血管内皮細胞?)、リンパ球、形質細胞、マクロファージを解析から除きたいのであれば、
(1)回収した細胞を溶血バッファーで処理して、赤血球をできるだけ除去した上で、forward scatterの低い細胞(赤血球はforward scatterが低いです)をゲートアウト。
(2)CD31(血管内皮、マクロファージ)、CD45(リンパ球、マクロファージ)、CD138(形質細胞)を同じ蛍光色素で染めて、陽性細胞をゲートアウト。
でどうでしょうか? 血管は他にsmooth muscle cellsやpericyteも含んでいるので、完全ではないですけどね。蛍光についてはPIと同じ検出域のものを選べば、まとめてゲートアウトできます。
その他、線維芽細胞が混じっている可能性があると思いますが、表面マーカーで線維芽細胞を除くのはちょっと難しいかもしれません(あまり特異的なマーカーがないので)。PDGFRなど、線維芽細胞での発現が知られているマーカーの中から、腫瘍細胞で発現していないものを選べば、何とかなるかもしれません。
EGFPなどで腫瘍細胞を標識できれば、そちらの方が確実なのは確かですが、遺伝子導入のセットアップに時間がかかるようなら、その間に染色でゲートアウトする方法を試してもよいかもしれませんね。ちなみに、昔CAG-EGFPマウスの骨髄細胞を移植目的で使った事があるのですが、非常に高い蛍光レベルだった事を記憶しています。一方、CMVプロモーターのウイルスベクターでは幹細胞系の実験でサイレンシングに悩まされましたが、普通の細胞ではFACSでの検出には全く問題ない場合が多く、どちらが良いかは細胞によるのだろうと思います。 |
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