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【統計】FWER制御法とFDR制御法の使い分けについて トピック削除
No.403-TOPIC - 2012/04/12 (木) 17:53:46 - in situ
いつもお世話になります。

少し、統計で最近頭を悩ませていることがありまして、相談させていただきます。

生物学の統計において、近年多重比較を考慮することが必要であると認識されてきて、多群間の比較にはTukey法やDunnet法およびBonferroni法などが適用されるようになりました。
これらは、p値を操作することで、統計の多重性を解消しようとする方法でFamilywise error rate(FWER)制御法と呼ばれています。

これに対して、p値ではなく、False Discovery rate(FDR)を制御する統計手法である、Benjamini and Hochberg法(BH法)やその応用がmicroarrayなどの大規模統計において使われているようです。

これらは、数学的にはどちらも問題ないのですが、それぞれ制御しようとしている対象が異なります。

例えば、ばらつきが結構大きいmicroarrayなどのデータだと、FWER制御法だとそれぞれのp値が大きくなってしまい、有意差が出なかったりしますが、BH法だと順位づけを行って、p値が元々小さいものには有利になるように調整するため、少なくともいくつかの有意差が出たりします。

逆に、比較的ばらつきは少なく、差があるようなものを多く含んだサンプルを対象にした場合、BH法だと順位付けを行う性質上、一定数以上の有意差は出にくくなると考えられます。


今回の質問ですが、小規模〜中規模のスクリーニングなどではどちらを使うのがより適切なのか、また、エディター、レビュアーからどちらかを使うように要求されたことがある方はいらっしゃるか、ということです。

よろしくお願いします。
 
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(無題) 削除/引用
No.403-7 - 2012/04/17 (火) 02:48:31 - in vitro
何%くらいポジティブな結果が期待されるのでしょうか。もし、10000個中1個でしたらFWERが妥当だと思いますし、10000個中500個くらいなら、FDRが妥当だと思います。実際にその後で確認をするのであれば、他の方がおっしゃっている通り、ゆるめにして偽陰性を避けたというのもよく論文で見かけます。

(無題) 削除/引用
No.403-6 - 2012/04/13 (金) 22:24:13 - in situ
橘さま


コメントありがとうございます。

スクリーニングであれば、そのあとの確認があるのだから、統計にそれほどこだわる必要がないとのご指摘もっともだと思います。
僕も統計っていうのは一つの手段だと思っているので、何が何でも統計で有意差を出さないといけないというのはおかしな話だと思っています。

確かに、多重性を考慮していればどちらでもレビュアーから突っ込まれることはないですよね。
ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.403-5 - 2012/04/13 (金) 20:29:07 - 橘
今回の多重比較はあくまでスクリーニングであって、その後にきっちりとした確認がなされるのであれば、その多重比較の信頼性はそれほど必要ないのではありませんか? そういう場合は補正しなくてもいいのではないでしょうか。何でもかんでも多重比較だから補正が必要と言ってくるレビューワーは確かにいますので、難癖を避けたければ何らかの補正をしておいた方がいいでしょうが、方法はよほど問題が明らかなものでない限りはどれでもいいでしょう。

(無題) 削除/引用
No.403-4 - 2012/04/13 (金) 09:57:08 - in situ
直輝さん


返信ありがとうございます。
参考になります。


確かに、マイクロアレイだと(特にマウスなど個体からのサンプルだと)、個体差が大きすぎてFWER制御だと全て均一に差がないと判定されてしまうわけですよね。
それだったら、その中でもp値の小さいものに絞って有意差が出るようにしてやろう、というのがFDR制御なのでしょう。(若干、そこらへん恣意的に感じるのですが…)

ちなみに、今回問題にしている状況は実はマイクロアレイではなくて、もう少しばらつきの少ない値が得られる中規模スクリーニングだったりします。
その場合、逆にFWER制御の方が有意差がでるサンプル数が少なかったりするのです。


>経験的には、p値(q値)が小さくても変動倍率が1.5倍以下の場合、独立した実験で再現性が得られる可能性は低いです。

こういうことってありますよね。
生物学的有意差と統計的有意差が一致しないというか。
ここら辺解析専門の人相手だと、その人が解析したことがある実験以外はなかなかそういう感覚を分かってもらえなくて困ることがあります。

解析経験者です 削除/引用
No.403-3 - 2012/04/13 (金) 02:11:22 - 直輝
マイクロアレイ解析で遺伝子を絞り込むときには、変動倍率とp値(あるいはq値)の両方を使うのがオススメです。

経験的には、p値(q値)が小さくても変動倍率が1.5倍以下の場合、独立した実験で再現性が得られる可能性は低いです。

マイクロアレイ解析でFDRがよく用いられる理由は、BonferroniやFWER補正は保守的すぎるからだと思われます。
個人的には、FDR(BH法)でq < 0.1でさえ、厳しいと感じることが多いです。

統計手法を論じるような論文でない限り、FDRでレビューアーから文句がつくことはないと思います。重要な遺伝子について、qPCRで再現性を確認せよと言われることはあるかもしれませんが。

参考になれば幸いです。

【統計】FWER制御法とFDR制御法の使い分けについて 削除/引用
No.403-1 - 2012/04/12 (木) 17:53:46 - in situ
いつもお世話になります。

少し、統計で最近頭を悩ませていることがありまして、相談させていただきます。

生物学の統計において、近年多重比較を考慮することが必要であると認識されてきて、多群間の比較にはTukey法やDunnet法およびBonferroni法などが適用されるようになりました。
これらは、p値を操作することで、統計の多重性を解消しようとする方法でFamilywise error rate(FWER)制御法と呼ばれています。

これに対して、p値ではなく、False Discovery rate(FDR)を制御する統計手法である、Benjamini and Hochberg法(BH法)やその応用がmicroarrayなどの大規模統計において使われているようです。

これらは、数学的にはどちらも問題ないのですが、それぞれ制御しようとしている対象が異なります。

例えば、ばらつきが結構大きいmicroarrayなどのデータだと、FWER制御法だとそれぞれのp値が大きくなってしまい、有意差が出なかったりしますが、BH法だと順位づけを行って、p値が元々小さいものには有利になるように調整するため、少なくともいくつかの有意差が出たりします。

逆に、比較的ばらつきは少なく、差があるようなものを多く含んだサンプルを対象にした場合、BH法だと順位付けを行う性質上、一定数以上の有意差は出にくくなると考えられます。


今回の質問ですが、小規模〜中規模のスクリーニングなどではどちらを使うのがより適切なのか、また、エディター、レビュアーからどちらかを使うように要求されたことがある方はいらっしゃるか、ということです。

よろしくお願いします。

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