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Dpn1を利用した変異体作製に手こずっています。 トピック削除
No.3972-TOPIC - 2015/04/01 (水) 07:48:19 - 変異体作製
お世話になります。

私は現在、一塩基置換の変異体プラスミドの作製を行っています。
これまでの経歴の中で5つ以上の一塩基置換の経験や、一つの欠変異体の作製を行ってきました。

一塩基置換の変異体を作製する際には、アジレントテクノロジー社のQuikChange Primer Designのプログラムを利用してプライマーを設計し、あとはプロトコルにならって鋳型プラスミドから変異体プラスミドを作製します。ベクターはpcDNA3.1(+)ベースの物です。

その後、Dpn1を使って鋳型を消化した後に、DH5αに形質転換しています。

アンピシリン含有LBプレートに生えてきたコロニー20-30個のうち、6個をシークエンスしましたが、全て鋳型由来のものでした。

Dpn1は新しいものです。
mutagenesisせず、鋳型のものをDpn1処理して形質転換するとコロニーはゼロです。
またシークエンスの結果から、いくつか塩基が削れたクローンも取れた事から以上のように考えています。

1. Dpn1は活性があり、理論的には鋳型由来のプラスミドは全て消化されているはず。
2. 確かに鋳型プラスミドを元にmutagenesis反応が起きている

そこでプライマーをオーダーした際の配列を改めて確認しましたが、ただしいものを注文しています。2度行いましたが、目的の物は取れませんでした。

ベクターbackboneだけを替えて、同様に目的の遺伝子のmutagenesisを行いましたが、同様にWTのものしかできませんでした。

以上から考えられることとして、間違ったプライマーが届けられた可能性があります。それ以外にはどういったことが考えられますでしょうか?またこの困難を克服する方法をご教示いただけませんでしょうか?

大変稚拙な質問で恐縮していますが、どうかよろしくお願いいたします。
 
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18件 ( 1 〜 18 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.3972-18 - 2015/04/03 (金) 10:00:56 - AP
PCRベースに切り替えたほうがいいんじゃないかという先の書き込みに関連しますが、

>また、primerの5'のみ相補的にすると、産物にもう一方のprimerがannealingできますのでPCRになります。

これで効率があがったとすると、PCRが走って産物が多くできたからかもしれませんね。

(無題) 削除/引用
No.3972-17 - 2015/04/03 (金) 05:35:38 - yyy
> 5'のみ相補的にした方が成功率が上がるのですね。ぜひ検討したいと思います。

> yyy様がこの方法をとられる際には、生えて来たクローンのシークエンスをした後、ベクターを乗せ替えることをされるでしょうか?

実際に成功率が上がるかどうかは正式に比較検討してみたことがないのでなんとも言えません。ただ、経験的にはそんな印象がある、ということで絶対的にそうだというのではありません。どうしても上手くいかなければ試してみる価値はあると思います。ちなみに、5’側のプライマーと相補的な部分は15−18base、3’側のテンプレートと相補的になる部分は20−25base程度で作っています。

後半は他の方々が代わりに答えて下さったようなので、最後の部分だけ答えますが、模範解答としては載せ替えた方が良いでしょうね。クローニングベクターでmutagenesisをして発現ベクターに載せ替える、と言うのが教科書的だと思います。発現ベクターでmutagenesisをした場合、ベクター部分に変異が入ってる可能性は常にあるので、もし使い慣れたコンストラクトでなくてどういう結果が出るか予想が出来ない場合はPCRしてないベクターに載せ替えるのが安全だと思われます。たまに載せ替える前は発現が悪かったけど、載せ替えたら上がった、と言う話も聞きますので。

(無題) 削除/引用
No.3972-16 - 2015/04/01 (水) 22:09:01 - AP
Toyoboのキットのような別方式にしてみては。プライマーさえそれ用に作れば、キットを使わなくてもできますね。

PCRベースでないアジレントの方法だと、cccを鋳型にした完全長の相補鎖がそれぞれ独立に合成されて、それらがアニールしてnicked circleになるという過程が必要だと思います(あってますか?)。それって、かなりなんかんですよね。閉じた輪であるcccをdenatureしても、ほどけたらせんのねじれはどこにも逃げ場がないので、その分どこかが余計にねじれて解離しにくくなるでしょう。生体内ではジャイレースやらトポイソメラーゼがねじれをほどいてくれます。それなしには、スイスイと完全長が合成できるとは思えません。しかも、不完全長のの鎖が多くできて、これが完全長の鎖にアニールし安くなれば、やっとできた完全長の鎖も潰してしまうでしょう。
PCRベースのほうほうなら、cccを鋳型にした初期の伸長が困難だとしても、完全長が合成された鎖だけが指数関数的に増幅するので、こういう問題は起きないでしょう。

(無題) 削除/引用
No.3972-15 - 2015/04/01 (水) 20:03:37 - papa
>QuikChangeで使うDNA polymeraseはstrand replacementの活性が無いので、環>状の鋳型をぐるりと一回りしてきたポリメラーゼの反応はprimerにぶつかった>ところで止まります。2つのprimerが全長にわたって相補的だと、こうしてで>きた産物にはもう一方のprimerに相補的な配列が含まれていませんので、産物>を鋳型としたchain reactionは起こり得ません。つまり、non-PCRということ>になります。

中年さま
考えてみたらそうですね。
確かにPRであり,non-PCRですね。
よく考えずに口走ってしまいました。
すみません。

(無題) 削除/引用
No.3972-14 - 2015/04/01 (水) 18:17:46 - 中年
意味の分からない独り言みたいになってしまいました、すみません。

No.3972-12の前半はpapaさんへのコメント、後半は文字通り独り言です。

また、primerの5'のみ相補的にすると、産物にもう一方のprimerがannealingできますのでPCRになります。

No.3972-8でyyyさんが示してくださった方法はnon-PCRです。論文を読む限りではこれが良いように思えますが、実際のところどうなんでしょう。

(無題) 削除/引用
No.3972-13 - 2015/04/01 (水) 18:05:37 - doi
PrimeSTAR Mutagenesis Basal Kit
http://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?catcd=B1000327&subcatcd=B1000893&unitid=U100005179

1時間でPCRが終わってそのまま大腸菌の形質転換ができます。

(無題) 削除/引用
No.3972-12 - 2015/04/01 (水) 17:59:28 - 中年
QuikChangeで使うDNA polymeraseはstrand replacementの活性が無いので、環状の鋳型をぐるりと一回りしてきたポリメラーゼの反応はprimerにぶつかったところで止まります。2つのprimerが全長にわたって相補的だと、こうしてできた産物にはもう一方のprimerに相補的な配列が含まれていませんので、産物を鋳型としたchain reactionは起こり得ません。つまり、non-PCRということになります。

それはともかく、closed circularなプラスミドを鋳型にぐるりと全長のDNA合成が進むということがトポロジカルに可能なのかと昔から疑問に思っていました。わずかに含まれているnickの入ったプラスミドが熱変性して一本鎖になり、それだけが鋳型になっているのではないかと疑っているのですが、いかがでしょうか。もしそうであるとすると、環状ssDNAはDpnI処理で消化されないので、これが非変異型のバックグラウンドの一因になっているのではないかと思うのですが。

(無題) 削除/引用
No.3972-11 - 2015/04/01 (水) 17:34:04 - Q
DpnIはhemimethylated DNAの切断効率が低いので、鋳型が残ってしまってる可能性もあります。キットを参考に自前で揃えた試薬を使用しているようですので、酵素の反応条件が最適ではないことも考えられます。
新しい酵素を使っているということですが、反応時間を長くしてみる、反応に用いる鋳型の量を減らす、DpnI切断前に精製する、などを試してみてはいかがでしょうか。

また、変異が導入されたプラスミドが全く取れないということは、leaky expressionで蓄積した変異タンパク質が大腸菌に毒性がある可能性もあるかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.3972-10 - 2015/04/01 (水) 17:10:23 - papa
>代案をご提示いただきありがとうございます。
>これはquickchange mutagenesisの原理(non-PCR based)とは異なり、PCRで増>幅させるのですね。

アジレント社はなぜquick changeをnon-PCR basedとうたっているのでしょうかね。私にはPCR-basaedにしか思えないですが。

ぱってしかみていないのであれですが,むしろ,yyyさんが提示した方法の方がnon-PCRのような気がするのですが。

(無題) 削除/引用
No.3972-9 - 2015/04/01 (水) 12:31:42 - 変異体作製
yyy様、重ねてお礼申し上げます。

プライマーは全長に渡って相補的なデザインです。
5'のみ相補的にした方が成功率が上がるのですね。ぜひ検討したいと思います。
それにしてもなぜ私のような現象が起こってしまうのかが気になるところですが…

代案をご提示いただきありがとうございます。
これはquickchange mutagenesisの原理(non-PCR based)とは異なり、PCRで増幅させるのですね。

8 kbのものを30サイクル増幅させて、2つのPCR産物を混合してアニール後Dpn1処理すると、結構PCRによるエラーも出てきそうな気もします。

yyy様がこの方法をとられる際には、生えて来たクローンのシークエンスをした後、ベクターを乗せ替えることをされるでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.3972-8 - 2015/04/01 (水) 09:37:07 - yyy
件のスレを見つけました。ご参考までに。
http://www.kenkyuu2.net/cgi-biotech2012/biotechforum.cgi?mode=view;start=2;Code=1540

(無題) 削除/引用
No.3972-7 - 2015/04/01 (水) 08:56:18 - yyy
すみません、“C末側”ではなくて“5'側”の間違いです

(無題) 削除/引用
No.3972-6 - 2015/04/01 (水) 08:52:23 - yyy
会社によっては脱塩のみだとプライマーの質がかなり悪くて使いものにならないことがあるのですが、IDTだと多分大丈夫でしょうね。自分もIDTからのプライマーを脱塩のみで使ってましたが、大抵は問題なかったですから。

プライマーはセンスとアンチセンスが全長に渡って相補的なデザインですか? それともC末側だけが相補的なデザインですか? 個人的な経験からは後者の方が成功率が高い感じなので、自分は専ら後者でやってますが。

もしプライマーを注文できるならデザインしなおすのが良いかと思いますが、現在のプライマーでも使える方法が以前にこのサイトでも紹介されてたと思います。センス鎖とアンチセンス鎖をそれぞれのプライマーを使って別々に作って混ぜる、とかだったと思いますが。

(無題) 削除/引用
No.3972-5 - 2015/04/01 (水) 08:28:17 - 変異体作製
中年様

ありがとうございます。
ほとんどのクローンは鋳型と同じものでしたが、中には8塩基ほどがけずれてしまったようなものもありました。このような頻度は少なかったです。場所は変異導入したい塩基の数十塩基下流のところにありました。

行き詰まっています。。

(無題) 削除/引用
No.3972-4 - 2015/04/01 (水) 08:24:47 - 変異体作製
yyy様

ありがとうございます。
はい。脱塩のみです。現在、アメリカ留学中で、IDTというところからオーダーしています。
35塩基ほどの長さなので脱塩のみで十分のはずだと思うのですが。。

(無題) 削除/引用
No.3972-3 - 2015/04/01 (水) 08:16:55 - 中年
「いくつか塩基が削れたクローン」はどの場所の塩基がどのように削れていますか?

(無題) 削除/引用
No.3972-2 - 2015/04/01 (水) 08:03:40 - yyy
primerの精製法(e.g.脱塩のみ)は何ですか?

Dpn1を利用した変異体作製に手こずっています。 削除/引用
No.3972-1 - 2015/04/01 (水) 07:48:19 - 変異体作製
お世話になります。

私は現在、一塩基置換の変異体プラスミドの作製を行っています。
これまでの経歴の中で5つ以上の一塩基置換の経験や、一つの欠変異体の作製を行ってきました。

一塩基置換の変異体を作製する際には、アジレントテクノロジー社のQuikChange Primer Designのプログラムを利用してプライマーを設計し、あとはプロトコルにならって鋳型プラスミドから変異体プラスミドを作製します。ベクターはpcDNA3.1(+)ベースの物です。

その後、Dpn1を使って鋳型を消化した後に、DH5αに形質転換しています。

アンピシリン含有LBプレートに生えてきたコロニー20-30個のうち、6個をシークエンスしましたが、全て鋳型由来のものでした。

Dpn1は新しいものです。
mutagenesisせず、鋳型のものをDpn1処理して形質転換するとコロニーはゼロです。
またシークエンスの結果から、いくつか塩基が削れたクローンも取れた事から以上のように考えています。

1. Dpn1は活性があり、理論的には鋳型由来のプラスミドは全て消化されているはず。
2. 確かに鋳型プラスミドを元にmutagenesis反応が起きている

そこでプライマーをオーダーした際の配列を改めて確認しましたが、ただしいものを注文しています。2度行いましたが、目的の物は取れませんでした。

ベクターbackboneだけを替えて、同様に目的の遺伝子のmutagenesisを行いましたが、同様にWTのものしかできませんでした。

以上から考えられることとして、間違ったプライマーが届けられた可能性があります。それ以外にはどういったことが考えられますでしょうか?またこの困難を克服する方法をご教示いただけませんでしょうか?

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