もう解決済みのところ、差し出がましいのですが、ちょっと気になるので何点かコメントします。
ノコダゾールは微小管重合を阻害する事により、M期(prometaphase)で細胞周期を止めますが、DNA複製は直接阻害しません。M期でそろえば、その時点ではDNA複製しませんが、G1/Sの細胞が全部G2/Mに入るまで処理を続ける必要があります。この場合、長時間のノコダゾール処理の間に細胞分裂をスキップして4倍体となってG1に戻ってしまう細胞が出てくる可能性があり、この細胞がS期に入ってしまうとDNA複製を開始します。
他の方もおっしゃっていますが、mitotic shake-offでprometaphaseの細胞を回収すれば、DNA複製を終了した細胞を集められます。これが質問者さんの意図に沿うのであれば、数時間のノコダゾール処理後、shake-offで細胞回収する方が確実です。ただし、細胞数はあまり取れないので、実験によっては大変かもしれません。
HUについては、DNA複製を完全に阻害するというよりは、DNA複製のスピードを遅らせる薬だったように思います。FACSで見るとHUで処理した細胞はきれいなG1ピークを示さず、幅広なintra-Sのピークがでる場合が多いので、お使いの細胞でどうなるか確認した方が良いかもしれません。
CDK7阻害剤を用いた実験をやっている同僚がいて、血清濃度を下げてCDK7阻害剤を加えると、S期への進行がかなり抑えられる(その方が使っている細胞では)と言っていました。FACSの結果を見せてもらった感じでは、G1のピークがきれいに出ていて、DNA複製の阻害という点では、HUより良いように思いました。ご参考まで。 |
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