お世話になります。
特定疾患の変異(遺伝子A)を持つ細胞と野生型細胞間の比較解析を行う研究をしています。
遺伝子Aは酵素Aをコードし、糖(シアル酸)転移酵素活性が知られています。
そこで、それぞれの細胞からtotal cell lysate(もしくはゴルジ体を含む膜分画)を酵素源として調整し、in vitroで糖転移反応を起こさせ、産物(シアル酸転移完了により産物にラジオアイソトープが取り込まれます)をDEAE-sephadexかQAE-sephadexで精製(吸着および溶出)したものを、液体シンチレーションカウンターで測定予定です。
私の疑問は、通常のtotal cell lysateを作製する場合には、150mM ほどのNaClが入っておりますので、これでは陰イオン交換クロマトに付く物も付かないのではとの疑念があります。
論文には、細胞を1% Triton X-100 in PBS plus protease inhibitorsでlysisし、その50 ugのtotal proteinsを50 mM Tris-HCl (pH7.4), 10 mM MgCl2, 10 mM MnCl2, 糖ドナー(トリチウム標識のCMP-Sialic acid)、人工基質を加え、1 h, 37度でincubation後、陰イオン交換クロマトにかけ、放射線標識された人工基質をNaClで溶出すると書かれてあります。
古い論文のため詳しく調整法は書かれてありませんでしたが、1% Triton X-100を含むPBS(137 mM NaCl)や通常のcell lysisi buffer (150 mM NaCl)でcell lysateを調整し、どのように陰イオン交換クロマトに最終的にアプライ可能な酵素反応液を作ろうか悩んでいます。
論文ではカラムの洗浄は2 mM Tris (pH8)で洗浄し、
溶出は、30 mM NaClを含む2 mM Tris(pH8)で溶出と書かれてありました。
これら記述より、NaClを30 mM以下にするために、total cell lysateを最低でも5倍は希釈しないといけない計算になるかと思います。ただ、10 mMならカラムに結合する許容範囲なのか25 mMでもいいのかそういうところがわかりません。
糖転移活性でなくても、in vitro kinase assayの後、陰イオンクロマトなどをやられることもあるかと思います。もしそのような経験をお持ちの方がいらっしゃいましたら、どうかコメントをいただけますと幸甚です。どうぞよろしくお願い致します。 |
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