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陰イオン交換クロマトに供するcell lysate調整法について トピック削除
No.3918-TOPIC - 2015/03/05 (木) 01:11:33 - AIEX
お世話になります。

特定疾患の変異(遺伝子A)を持つ細胞と野生型細胞間の比較解析を行う研究をしています。

遺伝子Aは酵素Aをコードし、糖(シアル酸)転移酵素活性が知られています。
そこで、それぞれの細胞からtotal cell lysate(もしくはゴルジ体を含む膜分画)を酵素源として調整し、in vitroで糖転移反応を起こさせ、産物(シアル酸転移完了により産物にラジオアイソトープが取り込まれます)をDEAE-sephadexかQAE-sephadexで精製(吸着および溶出)したものを、液体シンチレーションカウンターで測定予定です。

私の疑問は、通常のtotal cell lysateを作製する場合には、150mM ほどのNaClが入っておりますので、これでは陰イオン交換クロマトに付く物も付かないのではとの疑念があります。

論文には、細胞を1% Triton X-100 in PBS plus protease inhibitorsでlysisし、その50 ugのtotal proteinsを50 mM Tris-HCl (pH7.4), 10 mM MgCl2, 10 mM MnCl2, 糖ドナー(トリチウム標識のCMP-Sialic acid)、人工基質を加え、1 h, 37度でincubation後、陰イオン交換クロマトにかけ、放射線標識された人工基質をNaClで溶出すると書かれてあります。

古い論文のため詳しく調整法は書かれてありませんでしたが、1% Triton X-100を含むPBS(137 mM NaCl)や通常のcell lysisi buffer (150 mM NaCl)でcell lysateを調整し、どのように陰イオン交換クロマトに最終的にアプライ可能な酵素反応液を作ろうか悩んでいます。

論文ではカラムの洗浄は2 mM Tris (pH8)で洗浄し、
溶出は、30 mM NaClを含む2 mM Tris(pH8)で溶出と書かれてありました。

これら記述より、NaClを30 mM以下にするために、total cell lysateを最低でも5倍は希釈しないといけない計算になるかと思います。ただ、10 mMならカラムに結合する許容範囲なのか25 mMでもいいのかそういうところがわかりません。

糖転移活性でなくても、in vitro kinase assayの後、陰イオンクロマトなどをやられることもあるかと思います。もしそのような経験をお持ちの方がいらっしゃいましたら、どうかコメントをいただけますと幸甚です。どうぞよろしくお願い致します。
 
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(無題) 削除/引用
No.3918-5 - 2015/03/05 (木) 09:04:46 - AIEX
papa様

コメントいただきありがとうございます。

はい。酵素反応する際には元のcell lysateを希釈して用います。
どの程度までNaClを希釈できるかはcell lysateの濃度次第となりますが、カラムにアプライする際には酵素反応液をどの程度まで更に希釈すれば問題なく使えるのか、あるいは脱塩する方法があるのかを質問させていただいておりました。言葉足らずで申し訳ありません。

随分昔に、大腸菌の培養supから分泌タンパク質をDEAE-sephasexで精製していた際には数十mMのNaClで溶出していました。今回ばかりは方法はestablishされているようなんですが、ややその方法に問題があるのではとの疑念があります。

(無題) 削除/引用
No.3918-4 - 2015/03/05 (木) 08:54:00 - papa
反応液は終濃度で150 mMのNaClを含むのでしょうか。
細胞破砕液に150 mM含まれていても,反応液において薄まるのではないのですか。

(無題) 削除/引用
No.3918-3 - 2015/03/05 (木) 07:26:29 - AIEX
おお様

コメントをいただきありがとうございます。

このアッセイでは人工的な基質(Methyl α-D-galactopyranoside)を用います。
分子量は、194.18g/molと小さく、ガラクトースの一位の水酸基がメチル化されているものです。

これを用いてin vitro糖転移アッセイを行うと、Methyl α-D-galactopyranosideの六位の水酸基にラジオアイソトープ標識したシアル酸が転移されます。

そのため、ゲル濾過や、透析での脱塩は難しいのではと思っています。

>つくかつかないかはわからないのでまずはつくかどうか確認してください。あるいは着く塩濃度を先に見つければ、反応後希釈とかできると思います。

やはりそうですよね…
ただ、このアッセイ、コモンに使われているにしてはややtrickeyなのではと思っています。

QAEかDEAE-sephadexにサンプルをアプライした後、カラムを2 mM Tris-HCl (pH8)でwashして、人工基質に取り込まれなかったラジオアイソトープ標識されたCMP-Sialic acidを除かなくてはなりません。その後、30 mM NaClで溶出するとのことですが、付く、付かないの検討が難しそうです。

シアル化されたMethyl α-D-galactopyranosideに対する抗体もありませんし、結合するかどうかは結局のところ液シンのカウントでのみでしか評価できそうにありません。

そうなると限りなく酵素反応液を2 mM Tris-HClで希釈して塩濃度を薄めてカラムにアプライしても、洗浄後にNaClで溶出してカウントが上昇しなければ、酵素反応が上手く行っていないのか、それともカラムに結合しなかった(あるいは洗浄の過程で外れてしまった)のかが判断できないんですよね…

Methyl α-D-galactopyranosideという人工基質が故に伴う問題だと思うのですが、今のところこれで行わねばならなさそうです。

(一番良い方法は、モデルとなる組替えタンパク質(FLAGやHisタグなどを付加)にGalを付けたものを基質として用い、酵素反応終了後、カラムにアプライ、液シンでのカウントを行うのがベストです。その際の条件検討としてcoldのsialic acidを用いて、カラムに付くか付かないかなどをタグに対するwesternなどで検討できるのですが…)

今出来ることとして、1% Triton X-100 in PBSで細胞溶解液を調整し、酵素反応終了後、出来るだけlysateを希釈(100倍ほど?)してカラムにアプライするか、それとも、界面活性剤を使わない方法でゴルジ体を含む膜分画を超遠心で回収して、その後Triton-X100を含むbuffer (No salt)で酵素源を可溶化後、酵素反応に用いて、それをカラムにアプライするなどを考えています。

このような方法はベターでしょうか?何か問題等ありますでしょうか?
なにか代替案等ありましたらご教示いただけないでしょうか?

質問を重ねてしまい大変恐縮ですが、頭で考えたことだけでは不安で質問をさせていただくことを御許し下さい。どうぞよろしくお願い致します。

(無題) 削除/引用
No.3918-2 - 2015/03/05 (木) 02:36:12 - おお
つくかつかないかはわからないのでまずはつくかどうか確認してください。あるいは着く塩濃度を先に見つければ、反応後希釈とかできると思います。

ぶっつけ本番ということであれば(micro)dialysisとかG25/G50スピンカラムなどのようなもので脱塩という手も取れるかもしれません

陰イオン交換クロマトに供するcell lysate調整法について 削除/引用
No.3918-1 - 2015/03/05 (木) 01:11:33 - AIEX
お世話になります。

特定疾患の変異(遺伝子A)を持つ細胞と野生型細胞間の比較解析を行う研究をしています。

遺伝子Aは酵素Aをコードし、糖(シアル酸)転移酵素活性が知られています。
そこで、それぞれの細胞からtotal cell lysate(もしくはゴルジ体を含む膜分画)を酵素源として調整し、in vitroで糖転移反応を起こさせ、産物(シアル酸転移完了により産物にラジオアイソトープが取り込まれます)をDEAE-sephadexかQAE-sephadexで精製(吸着および溶出)したものを、液体シンチレーションカウンターで測定予定です。

私の疑問は、通常のtotal cell lysateを作製する場合には、150mM ほどのNaClが入っておりますので、これでは陰イオン交換クロマトに付く物も付かないのではとの疑念があります。

論文には、細胞を1% Triton X-100 in PBS plus protease inhibitorsでlysisし、その50 ugのtotal proteinsを50 mM Tris-HCl (pH7.4), 10 mM MgCl2, 10 mM MnCl2, 糖ドナー(トリチウム標識のCMP-Sialic acid)、人工基質を加え、1 h, 37度でincubation後、陰イオン交換クロマトにかけ、放射線標識された人工基質をNaClで溶出すると書かれてあります。

古い論文のため詳しく調整法は書かれてありませんでしたが、1% Triton X-100を含むPBS(137 mM NaCl)や通常のcell lysisi buffer (150 mM NaCl)でcell lysateを調整し、どのように陰イオン交換クロマトに最終的にアプライ可能な酵素反応液を作ろうか悩んでいます。

論文ではカラムの洗浄は2 mM Tris (pH8)で洗浄し、
溶出は、30 mM NaClを含む2 mM Tris(pH8)で溶出と書かれてありました。

これら記述より、NaClを30 mM以下にするために、total cell lysateを最低でも5倍は希釈しないといけない計算になるかと思います。ただ、10 mMならカラムに結合する許容範囲なのか25 mMでもいいのかそういうところがわかりません。

糖転移活性でなくても、in vitro kinase assayの後、陰イオンクロマトなどをやられることもあるかと思います。もしそのような経験をお持ちの方がいらっしゃいましたら、どうかコメントをいただけますと幸甚です。どうぞよろしくお願い致します。

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