Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

ウェスタンブロットで二量体を分解したい トピック削除
No.3915-TOPIC - 2015/03/04 (水) 05:53:48 - 小児科医師(ゆとり教育)
ウィルスベクターに正常遺伝子を運搬させ、ノックアウトマウスに蛋白を発現させるという実験をしています。この蛋白は分子量60kDaで、ジスルフィド結合により二量体(非常に安定)を形成するということがわかっています。

ウェスタンブロットの結果
ttps://docs.google.com/file/d/0B2rxAwHkt8XqSDUxWWdGc29Wc28/edit

右から3番目と4番目にそれぞれ60kDa、120kDaのあたりに1本ずつバンドが見えています。おそらく120kDaのあたりにあるバンドは二量体だと思うのですが、それを証明するために還元剤によりジスルフィド結合を切断し、120kDaの蛋白が減少し、60kDaの蛋白が増加することを示そうと考えています。

現在使用しているサンプルバッファーは、終濃度でブロモフェノールブルー 0.05%、DTT 100mM、グリセオール 10%、SDS 2%、Tris-HCl 50mM, pH 6.8となるように調整しています。これを95℃ 10分か37℃ 30分で還元しています。

問題は、DTT 100mMとかなりの還元剤を入れているのですが、それでもはっきりとした二量体のバンドが出ていることです。二量体を分解するのに何か良い方法はないでしょうか?ご教授賜りますと幸いです。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



19件 ( 1 〜 19 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.3915-19 - 2015/03/26 (木) 14:16:24 - 小児科医師(ゆとり教育)
Ureaを用いた実験の結果を報告します。

実験は、SDS sample buffer(DTT 10mM、100mM、250mM)、8M Urea sample bufferの4種類を用いて、それぞれ95度、10分と37度、30分で還元しました。

結果は、DTTは濃度依存的に一量体も二量体も減少させました(みためで、
同じくらいの割合でバンドが薄くなっていた)。37度に比べると95度の方が
バンドの減少が大きくなっていました。Urea sample bufferはDTT 250mMと
同じくらいのバンドでした。もし必要であれば画像をアップロードします。

少なくともDTTまたはUrea添加により二量体が分解され、一量体が増加すると
いう結果を示すことはできませんでした。DTTおよびUreaが二量体にも一量体
にも蛋白構造の変化などの影響を及ぼし、抗原性を減少させたのではないかと
考えています。95度の方がより強く還元することによっても抗原性を減少
させる結果となったのではないかと思います。

残念な結果でしたが、アドバイスいただいた方々にはお礼を申し上げます。

(無題) 削除/引用
No.3915-18 - 2015/03/07 (土) 17:11:58 - プロトン
> 長い遺伝子を導入したものでは濃度依存的に致死率が増加し、目的とする蛋白の機能もみられませんでした。これらとウェスタンブロットとの結果から、長い遺伝子を導入したマウスでは安定であるダイマーが作られず、過剰なモノマーが致死率に影響を与えていると推測しております。その原因として、ヒトの長い遺伝子とマウスの遺伝子がかなり異なることが原因ではないかと考えております。ヒトの短い遺伝子とマウスの遺伝子は96%の相同性があり、ある程度の蛋白機能を持つことが確認できています。

まあ、それで説明がつくなら(データ全体の解釈をラボの他の人などが支持するなら)のいいのでしょうけど、ここですべて系を説明するわけにもいかないでしょう。
もし120Kがダイマーであるということをいいたいのなら、上の説明で終わりでいいような気がします。

>100mMのDTTではダイマーのS-S結合が分解できなかったか、別の共有結合があるか、いずれかの可能性が高いと考えています。

それでいいと思います。無理にS-S結合にこだわらない方がいいかも。

(無題) 削除/引用
No.3915-17 - 2015/03/07 (土) 14:59:59 - おお
たとえばケラチンのような SS結合に加えコイルドコイルなどで各分子に分解しにくいものがありますので、そういうものも参照するといいかもしれませんね。

(無題) 削除/引用
No.3915-16 - 2015/03/07 (土) 08:27:08 - 小児科医師(ゆとり教育)
>プロトンさん

コメントありがとうございます。ご指摘の通り、No.3915-14にもあるように100mMのDTTではダイマーのS-S結合が分解できなかったか、別の共有結合があるか、いずれかの可能性が高いと考えています。

一番右端のモノマーは別のタイプの遺伝子を導入したものです。ヒトではこの遺伝子はスタートコドンが2箇所あり、転写産物はそれぞれの位置に相当する2種類のものが作られます。マウスではヒトでは短いものに相当する開始コドンが一つだけあります。右から3番目と4番目のものはヒトの短い遺伝子を導入したマウス、一番右のものはヒトの長い遺伝子を導入したマウスから蛋白抽出を行いました。

長い遺伝子を導入したものでは濃度依存的に致死率が増加し、目的とする蛋白の機能もみられませんでした。これらとウェスタンブロットとの結果から、長い遺伝子を導入したマウスでは安定であるダイマーが作られず、過剰なモノマーが致死率に影響を与えていると推測しております。その原因として、ヒトの長い遺伝子とマウスの遺伝子がかなり異なることが原因ではないかと考えております。ヒトの短い遺伝子とマウスの遺伝子は96%の相同性があり、ある程度の蛋白機能を持つことが確認できています。

(無題) 削除/引用
No.3915-15 - 2015/03/07 (土) 07:13:47 - プロトン
クリティカルにさっと読むと、参照されている論文では、120Kのバンドは減っていないので、DTTによってSS結合が壊れたとはいえませんよ。何か別の共有結合があると仮定するのが自然かもしれません。

>右から3番目と4番目にそれぞれ60kDa、120kDaのあたりに1本ずつバンドが見えています。

その隣の隣のモノマーのバンドは何か処理したのですか?

(無題) 削除/引用
No.3915-14 - 2015/03/06 (金) 09:00:24 - 小児科医師(ゆとり教育)
>中西部ポスドクさん

コメントありがとうございます。やはりUreaは有力のようですね。アップロードに関しては、以前、Picasaを使ったときに便利だったので今回も使ったのですが、googleと連携するようになり以前とは感じが変わったようです。特に公開して問題はないと思いますが、もし問題が生じるようでしたら非公開にさせていただきます。

>qwさん

その通りです。非特異的バンドでないことが言いたいです。ところでリガンドで標識というのはいい方法ですね!よく考えたら研究室にRIで標識されたホルモンがあるのでそれが使えるかもしれません。ボスと相談してみます。

>slcさん

その論文は参考にしている先行論文の一つです。Figure 3でDTT濃度依存的にoligomerが減少していることを示しているのですが、250kDa付近にあるバンドはDTT無しのときに比べると、DTTありの場合に減少していることが分かりますが、120kDaにあるバンドには変わりがないため質問させていただきました。他にJ Mol Endocrinol. 2015 Feb;54(1):39-50. doi: 10.1530/JME-14-0272.
Modulation of monocarboxylate transporter 8 oligomerization by specific pathogenic mutations.を参考にしています。

(無題) 削除/引用
No.3915-13 - 2015/03/06 (金) 08:40:07 - slc
関係あります?

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3213760/

(無題) 削除/引用
No.3915-12 - 2015/03/06 (金) 08:35:57 - qw
上のバンドがノンスペでないことだけがわかればいいんだと思って読んでいます。
私も+Urea(6M程度か?)で可溶化が促進されそうに思います。
それとは別に、推測ですが、このタンパクはリガンドで標識できるのではないですか?上下のバンドが特異的に標識されればそれで良いのかなと思います。

DTTありなし 削除/引用
No.3915-11 - 2015/03/06 (金) 03:42:31 - 中西部ポスドク
十分にDTTを加えているので、単純なdisulfide bondではないと思いますが、
DTTーとDTT+を比較することにより、少なくともdisulfide bondが二量体化に影響を与えるか否かの検討は出来るように思います。
単量体化にはUreaがよいと思いますが、その場合はdisulfide bondが関与しているかどうか等は不明になります。

ところで、アップロードされた写真にお名前が乗っていますがよろしいのでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.3915-10 - 2015/03/06 (金) 01:22:25 - 小児科医師(ゆとり教育)
>おおさん、cDNAさん

TCEPを探してみましたが、研究室にはないようなのでDTTなどがうまくいかなかった場合に検討しようと思います。逆にダイマーを作ってしまうと言うのも面白いアイディアですね。ご指摘ありがとうございます。

>qwさん

参考にしている先行文献の一つに、同様に培養細胞でCys>Serの変異タンパク質にしてダイマーが形成されないことを証明しているものがあります。ただ、マウスでやるとなるとまず最低6ヶ月はかかるので、留学が後2週間しかないことを考えると難しいです。

>totoさん、yyyさん

8M Ureaは文献では読んだことがあったのですが、自分では使ったことがありませんでした。ぜひ一度、Ureaを使って実験してみたいと思います。

(無題) 削除/引用
No.3915-9 - 2015/03/06 (金) 01:11:37 - 小児科医師(ゆとり教育)
画像がうまくアップロードできていないようなので、もう一度上げます。

https://plus.google.com/photos/116572960535577293032/albums/6122784072229980289/6122784077712861874?banner=pwa&pid=6122784077712861874&oid=116572960535577293032

(無題) 削除/引用
No.3915-8 - 2015/03/04 (水) 23:49:55 - yyy
disulfdie bondだけでなく、相当強い疎水性相互作用も二量体形成に寄与してるのではないでしょうか?
ジスルフィド架橋があることが疎水性相互作用による二量体形成を否定することにはなりません。Disulfide架橋は位置的に十分に近くないと安定して存在出来ないし、溶媒から保護されてる方がより安定だと思うので、ジスルフィド無しでも二量体を形成してたのが、架橋によってさらに強化されてる可能性もあるかと。
サンプルバッファーにureaとかは試してみたでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.3915-7 - 2015/03/04 (水) 23:49:10 - toto
これはS-Sの還元の問題というより、SDS耐性構造を取っているからではないでしょうか。泳動中の再酸化で共有結合2量体ができる確率はかなり低いと思います。こういう場合、8Murea(ほとんど飽和なので粉末を加えて作ります)をSDSサンプルバッファーに加えて泳動することで改善する事もあります。

あるいは、bufferを中性のに変えて、50mM 炭酸ナトリウム(pHを調整していないもの)を用いて、pH11付近でSDSサンプル処理をおこなってそのまま泳動することで改善する場合があります。膜蛋白でたまに用いられます。いずれもバンドが幅広になり、あまり美しいパターンにはならないことが多いですが。

これでもだめなときは、もっとドラスティックなやり方もありますが、まずはこの2つをおすすめします。

(無題) 削除/引用
No.3915-6 - 2015/03/04 (水) 23:34:09 - qw
>ノックアウトマウスに蛋白を発現させるという実験をしています。
発現系で実験しているようなので、HotSpotのCys>Serの変異タンパク質にして発現させると良いのではないかなあ?
それでdimerがなくなれば、証明できるのではないかしら。

(無題) 削除/引用
No.3915-5 - 2015/03/04 (水) 22:57:45 - cDNA
おおさんがご指摘のようにTCEPは試す価値あると思います。

ただ、とにかく戻りやすいジスルフィドだとすれば、TCEPにヨード酢酸アミドやアクリルアミドやNEMのようなSH修飾剤を共存させておくと効果がありそうです。

自分でやったことはありません。

(無題) 削除/引用
No.3915-4 - 2015/03/04 (水) 15:57:18 - おお
逆に徹底して酸化して硫酸基にしてしまうっていうのはどうかとか考え始めたんだが、、、過マンガン酸とかだと酸化できるらしいけど、、、そのほかの基とかどうなるかわからない、、、、

(無題) 削除/引用
No.3915-3 - 2015/03/04 (水) 08:42:28 - おお
ttp://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2014/CC/c4cc04491f#!divAbstract

ttp://www.strem.com/uploads/resources/documents/disulfide_reducing_agents_for_molecular_diagnostics_thpp_tcep_in_gene_chips.pdf

ttp://www.sigmaaldrich.com/content/dam/sigma-aldrich/docs/Aldrich/General_Information/1/dithiobutylamine-dtba.pdf


使用経験はないんですが、webではこういうのも見つかります。

(無題) 削除/引用
No.3915-2 - 2015/03/04 (水) 08:24:09 - おお
イメージが見れませんでしたけど、もう一つのよく使われる還元剤はTCEP かとおもいます。ほかにも探せば還元剤は見つかりそうですが、、、

泳動中に再酸化という可能性が考えられるなら、以下のようなものもかんがえられます。中身は確か無機硫黄酸化物だったとおもいますが。。。

ちょっと方法論を変えてゲル濾過からむでDTT存在下、非存在下でサイズを見てみてもいいかもしれません、もし再酸化がおこるのであれば。

NuPAGE® Antioxidant

The reducing agents, DTT and ß-mercaptoethanol, do not co-migrate through the gel with the sample in a neutral pH environment of the NuPAGE® Gels. Instead, the reducing agent tends to remain at the top of the gel and not migrate fully throughout the gel. Disulfide bonds are less reactive at neutral pH and are less likely to reoxidize than in a higher pH system. However, in the absence of an antioxidant some reoxidization may occur during the electrophoresis, resulting in slightly diffuse bands.

The NuPAGE® Antioxidant (a proprietary reagent) is added to the running buffer in the upper (cathode) buffer chamber only when performing electrophoresis under reducing conditions. The NuPAGE® Antioxidant migrates with the proteins during electrophoresis preventing the proteins from reoxidizing and maintaining the proteins in a reduced state. The NuPAGE® Antioxidant also protects sensitive amino acids such as methionine and tryptophan from oxidizing.
We also recommend using the NuPAGE® Antioxidant with reduced samples that have been alkylated, for optimal results.

The NuPAGE® Antioxidant is NOT compatible with gel systems other than the NuPAGE® system as the antioxidant is not efficient at higher pHs of other gel systems.

ttps://www.lifetechnologies.com/us/en/home/life-science/protein-biology/protein-labeling-crosslinking/protein-modification/reducing-agents-protein-disulfides.html#/legacy=www.piercenet.com

ttp://www.lifetechnologies.com/us/en/home/references/protocols/proteins-expression-isolation-and-analysis/sds-page-protocol/one-dimensional-sds-gel-electrophoresis-of-proteins-pre-cast-gels-.html

ウェスタンブロットで二量体を分解したい 削除/引用
No.3915-1 - 2015/03/04 (水) 05:53:48 - 小児科医師(ゆとり教育)
ウィルスベクターに正常遺伝子を運搬させ、ノックアウトマウスに蛋白を発現させるという実験をしています。この蛋白は分子量60kDaで、ジスルフィド結合により二量体(非常に安定)を形成するということがわかっています。

ウェスタンブロットの結果
ttps://docs.google.com/file/d/0B2rxAwHkt8XqSDUxWWdGc29Wc28/edit

右から3番目と4番目にそれぞれ60kDa、120kDaのあたりに1本ずつバンドが見えています。おそらく120kDaのあたりにあるバンドは二量体だと思うのですが、それを証明するために還元剤によりジスルフィド結合を切断し、120kDaの蛋白が減少し、60kDaの蛋白が増加することを示そうと考えています。

現在使用しているサンプルバッファーは、終濃度でブロモフェノールブルー 0.05%、DTT 100mM、グリセオール 10%、SDS 2%、Tris-HCl 50mM, pH 6.8となるように調整しています。これを95℃ 10分か37℃ 30分で還元しています。

問題は、DTT 100mMとかなりの還元剤を入れているのですが、それでもはっきりとした二量体のバンドが出ていることです。二量体を分解するのに何か良い方法はないでしょうか?ご教授賜りますと幸いです。

19件 ( 1 〜 19 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。