>1.高濃度フェノール抽出液を加える。この抽出液には微量のアルコールと塩を含ませておく。フェノールは水飽和の状態に達していない。RNA、DNA、タンパク質が抽出液中に溶出する。フェノール濃度が高いため、全て溶解した状態となる。溶解しないタンパク質は固相に
この段階ではAGPC法のmonophasic reagent (Trizol, Isogenなど)と同じでしょう。フェノールが水飽和に達していないというのとはちょっと違って、フェノールとグアニジンやSarcosylなどをふくむ水溶液が完全に混和して単相になっているのですね。水飽和フェノールとグアニジン等を含む水溶液が体積比1:4ほどの比率でこのような状態になるようです。
これにクロロフォルムを加えると有機溶媒と水溶液の極性の違いが大きくなって相分離するということですね。ひょっとすると、ここで誰かがクロロフォルもと間違って水を入れてしまったことがあって、
>方法は偶然見つけたような感じを受けます。
という結果になったのかも。
>遠心すると、有機溶媒相、固相、水層に分離する。固相にDNAおよびタンパク質が凝集する。デブリがフタのようになり、有機溶媒相はデカンテーションしてもおちてこない。
液相は相分離せず、単純に上清と沈殿だけみたいです。クラボウのプラスミド抽出系もそうでした。
フェノールはアルコール沈殿で除去できるというのはよく知られていると思うので(フェノール抽出の後にフェノール残渣を除去するためのクロロフォルム抽出は必須でないということで)、完全にフェノールとコミの上清からアルコール沈殿で核酸を回収するというのは、それほどびっくりなことではないです。 |
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