単にwhole 病原体を免疫してできた抗体がたまたま免疫染色に使えなかったというだけではないでしょうか。同じ抗原を免疫して得た抗体といっても、違うウサギ/マウスに注射していますし、同じ抗原特異性のものがおなじように産生されるとは限りません。(自作する場合は、ウサギなどでは通常、数匹に免疫してます。同じものを注射してもうまいこといい抗体が得られる個体と、そうでないものがあることは必ずしも珍しくないので。)とくに質問の場合は抗原自体の純度も違うし、違う性質の抗体が出来てくるのはなんとなく、「そういうことも あるだろうなー」みたいな気もけっこうします。ELISAやwesternではかなりいい感じでも、免疫染色は全然使えないとか、またはその逆とかいろいろあります。もちろんどれでもいけるのもありますが。特にPFA/パラフィン切片などで使えない例は普通に遭遇します。こうした場合、免疫染色の前に切片標本を抗原賦活化処理(pH6とか9のbuffer中で高温加熱とか、プロテアーゼ処理とかみたいな、かなり激しい処理をして抗原分子の構造を崩して、固定や包埋の過程で隠れてしまったエピトープを表に露出させる)というのをすると、上手く染まるようになることがあり昔からこの手の問題の解決にははよく用いられています(もちろんどのケースでも万能というわけではないです。)。あるいは凍結切片だとうまくいく抗体もしばしばあります。いずれも病理のセンセならよく知ってる方法なのでそういう方法をためしてみたらどうかなど聞いてみてください。 |
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