nitrotyrosine, dityrosine, bromotyrosine, クロロチロシンなど酸化修飾アミノ酸残基特異抗体が市販されています。ヒスチジンが酸化されたオキソヒスチジンも昔から知られていてHPLCで定量されたりしていましたが、特異抗体は作られていない(うまく作れない)ようです。上記抗体は主に組織/細胞染色でしばしば使用されています。ただウェスタンには適用できないものが多いようです。重要なことは産生される活性酸素種により修飾の種類が異なる事です。たとえばニトロチロシンはNOとスーパーオキサイドが反応してできるパーオキシナイトライト(ONOO−)で攻撃されたときに生じます。クロロチロシンは好中球のMPOが産生するハイポクロライドにより攻撃されたときに生じます。dityrosineはOHラジカルの攻撃に付随して生じると思いますので割りと酸化ストレスマーカーとしての一般性は高い気がします。ROSによる酸化傷害のマーカーといっても、主にどのようなタイプのROSが生じているのか(と予想されるか)によりどのマーカーが適切かということが変わってきますので、選び方を間違えると残念なことになります。実験の内容からみると、DNAの酸化傷害の分析が適しているようにもおもいます。8-OHdGはOHラジカルによるグアニンの傷害で生じますので、一般的な酸化ストレスのマーカーとして使えるように思います。昔は手間のかかるHPLC/電気検出器が主流でしたが、最近は抗体が市販されていて免疫染色やELISAでも容易に定量できるようで、論文でもしばしば見かけます。ただ気をつけないとアーティファクトを拾いやすいことと、POD/BAB系検出の免疫染色でよく行われるH2O2処理がネックかもしれないのです。なので、検出はALP系の方がいいかもしれません。なお8-OHdG以外にも酸化修飾塩基は知られています。抗体があるかどうかは分かりません。 |
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