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酵素 トピック削除
No.3816-TOPIC - 2015/02/03 (火) 20:24:05 - momo
いつもお世話になっております。教えて下さい。

臓器からある消化酵素を抽出する際にまず、冷水10℃以下に臓器の粉末を入れて溶解させてph4にして遠心分離をして上澄みを陰イオン樹脂に吸着させ食塩水で洗浄しました。

1.どうして最初10℃以下の冷水で行う必要があったのでしょうか?
樹脂に吸着させた後、食塩水で洗浄したのですが、この食塩水の温度は20℃くらいでした。
どうして最初だけ冷水を使ったのかがわかりません。

2.どうしてph4で抽出するのでしょうか?
 
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遅まきながら 削除/引用
No.3816-15 - 2015/02/13 (金) 22:43:22 -
消化酵素=蛋白分解酵素の理解でよろしいでしょうか?
組織から蛋白分解酵素を抽出して、精製しようとする場合、問題になるのは蛋白分解酵素同士が互いを分解することです。これを抑制する為には、酵素反応が進行しにくい低温で、蛋白分解酵素の最適pHを外れたpHで抽出するするのが常法かと思います。これがpH4の冷水を使用する理由かと考えます。膵臓からトリプシノーゲンやキモトリプシノーゲンを抽出する場合、緩衝液ではなく、希塩酸や希硫酸を使った例も見たことがあります。
一旦、抽出した蛋白質をイオン交換樹脂に吸着させてしまえば、酵素反応による蛋白分解を心配しなくてもよくなるので、常温の水を使用したのではないでしょうか?また、常温の水を使用したほうが、蛋白質の拡散係数が大きくなり、イオン交換に要する時間を短縮することができるという利点もあるのかもしれません(あくまで理論的には、ですが)。ただ、学生実験や実習にように大人数で実験をする場合は、低温室の広さに制限があるので、常温で行う場合もあります。この場合は、目的の酵素が安定な性質の酵素である必要がありますが。

(無題) 削除/引用
No.3816-14 - 2015/02/05 (木) 01:59:58 - おお
>[Re:8] momoさんは書きました :

> 酵素は低温の方が安定だという事は聞いていましたが、何故ですか?
> だって臓器は体の中にあるのだから、35℃では失活しないと考えるのは間違っていますでしょうか?

体温に近い方がいいというのは安定性というより活性(触媒としての)のはなしでしょ。
たとえばDNAを切る制限酵素。使うときは37度とか(高熱性細菌とかだともっと高い温度)でDNAを消化しますが、保存は-20度です。たいていの場合グリセロールがはいってて-20度では凍結しないようになってます。

(無題) 削除/引用
No.3816-13 - 2015/02/05 (木) 01:53:32 - おお
>[Re:9] momoさんは書きました :
> phの方でも質問させて下さい。
>
> 臓器は乾燥物です。
>
> >等電点が低く大量にある夾雑物を沈殿除去
> これは等電点が高いと酸性にした場合に塩になって沈殿すると思っていたのですが、等電点が低い物質に塩酸を加えると沈殿物になるのですか?
>


たとえは塩基性の官能基はpHを下げると電離しますが、あげると電離が抑制されて電荷を失います。酸性の官能基はpHを上げると電離しますが、下げると電離が抑制されて電荷を失います。蛋白ではなく単純な例をあげるとdeoxycholateはCOOHの酸性の官能基をもちpkaは6.6ぐらい(電荷をおびるものは分子内にこれ一つだけです)。アルカリ側では電離しているために溶けますが、酸性にふると不溶化します(つまり沈殿するか、溶かそうとしても溶けない)。

pIよりpHを下げるということはおおざっぱに見た目の負の電荷を失うということです。pIが低いものは生理的な条件下では負の電荷をおびて溶液中にとけていると、おおざっぱにいえるかと思います。

(無題) 削除/引用
No.3816-12 - 2015/02/04 (水) 22:44:58 - AP
ちょっと単純な物言い過ぎたと反省しているのですが、
>等電点4といえば平たく言えばpH4で電荷がなくなるってことでしょう?
タンパク質は両性分子で、等電点では分子内の正電荷と負電荷が釣り合うためプラマイゼロになるということなので、かならずしも電荷、つまり極性のある基がなくなるというわけではないですね。低pHでどれだけ極性が下がるか、それで沈殿するかは、タンパク質の種類によるでしょう。

(無題) 削除/引用
No.3816-11 - 2015/02/04 (水) 21:42:13 - momo
臓器を水に溶かし酸を加え溶液をph4にすれば臓器内のアルカリ成分は中和されて塩になると思っていました。
生物学を学び初めて1ヶ月経ってないので分からない事だらけですが宜しくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.3816-10 - 2015/02/04 (水) 21:25:03 - AP
>だって臓器は体の中にあるのだから、35℃では失活しないと考えるのは間違っていますでしょうか?

ちょっとちょっと、いくら素朴な疑問と言っても、これは基本常識ではないの?

ホモジネートにしてしまえば、あらゆるタンパク質が溶液中にリリースされるわけでしょう。その中にはタンパク質分解酵素が山ほど含まれているわけで、試験管内で出会うすべてのタンパク質が分解されうるわけです。阻害剤を加えたとしても、瞬間的に効くわけではないし、ひょっとすると完全には効かないかもしれない。他にも、酸化とか自発的な分解とかでだめになるタンパク質もある。そういう影響を抑えるために、温度を下げる、これ基本。

細胞内は試験管の中みたいに自由に物質が動けるわけではなく、膜やオルガネラなどでオーガナイズされていて、タンパク質分解酵素だって細胞内にあるタンパク質ならなんでもアタックできるというわけじゃないでしょう。

>>等電点が低く大量にある夾雑物を沈殿除去
これは等電点が高いと酸性にした場合に塩になって沈殿すると思っていたのですが、

どうしてそう思い込んでいるのかが謎なんですが。
タンパク質の等電点について生化学の教科書を読んだら一発なんじゃないか?

等電点4といえば平たく言えばpH4で電荷がなくなるってことでしょう?
電荷がなくなれば極性が失われて、水に溶けにくくなります。
pHをあげれば電離しにくい弱酸の基でも電離度があがって、電荷が付きやすくなります。

(無題) 削除/引用
No.3816-9 - 2015/02/04 (水) 19:44:21 - momo
phの方でも質問させて下さい。

臓器は乾燥物です。

>等電点が低く大量にある夾雑物を沈殿除去
これは等電点が高いと酸性にした場合に塩になって沈殿すると思っていたのですが、等電点が低い物質に塩酸を加えると沈殿物になるのですか?

(無題) 削除/引用
No.3816-8 - 2015/02/04 (水) 19:28:34 - momo
皆様ありがとうございます。
phの理由良くわかりまいした。

酵素は低温の方が安定だという事は聞いていましたが、何故ですか?
だって臓器は体の中にあるのだから、35℃では失活しないと考えるのは間違っていますでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.3816-7 - 2015/02/04 (水) 07:52:10 - おお
あ、カラムに乗せる前ね。それは蛋白の抽出条件はいろいろ調べられているものがあって、その条件がよかったというプラクティカルなものもあります。

塩基性蛋白はとくに低いpHで抽出しやすいものが多く、そう言う条件ではほかの蛋白が抽出されにくいのでpHをさげて抽出する方法は好まれて使われているようです。すべての塩基性蛋白でうまくいくかというとそうとも限らないでしょうし、塩基性タンパク質でなくてもうまくいくものがあるかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.3816-6 - 2015/02/04 (水) 07:46:14 - AP
pH4は、アクチン、チュブリンなど、等電点が低く大量にある夾雑物を沈殿除去するためじゃないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.3816-5 - 2015/02/04 (水) 07:44:50 - mon
「臓器の粉末」って、凍結粉砕したものではなく、アセトン処理後の乾燥粉末でしょうか?
だとすると、目的タンパクの溶解のためかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.3816-4 - 2015/02/04 (水) 07:42:10 - mon
pH4は極端なpHなので、いろいろな可能性が考えられます。
一般的なタンパクは変性する(変性し始める)条件です。
「等電点より酸性側のpHでは正に荷電し、負に荷電した担対(陽イオン交換体)と結合します。等電点(pI)と等しいpH条件では有効表面電荷がゼロになるため、担体とは結合しません。」
ですから、余分なタンパクの正電荷を増やし陰イオン樹脂に吸着しにくくする(不純物の吸着が少なくなる)、と書いていましたが、吸着時には中性に戻すのですね。
となると、
 タンパク分解酵素を含む余分なタンパクを変性・沈殿させる
 複合体を解離させる
 目的タンパクを活性化させる(逆に、何かの活性を抑制する)
あたりかな?

(無題) 削除/引用
No.3816-3 - 2015/02/04 (水) 06:30:36 - momo
ご回答ありがとうございました。
>pH4で落とすのはその樹脂の特性によるものと思います。
陰イオン樹脂に吸着する際はphを7にしています。これはpiから樹脂に吸着させる条件である事がわかったのですが・・・溶解撹拌の際に弱酸性にする理由がわかりません。

(無題) 削除/引用
No.3816-2 - 2015/02/04 (水) 03:39:33 - おお


たんぱくは低温のほうがいろいろな意味で安定です。たとえばその溶液中の蛋白分解活性(その酵素の分解)なども低温で抑制しようというのも理由でしょう。

PBSはなぜ室温かはわかりません。終始低温で精製などすることが多いです。一度吸着させるといくらか不要な蛋白が出て行くので、そのケースではあなたの蛋白は安定であることがわかっているのかもしれませんし、その樹脂のなにかの特性を利用しているかもしれません。あるいは温度をあげることでそのケースで何か期待していること(反応)が起こるのかもしれません。温度をあげてATPをながすと、目的のものについていたシャペロンのような夾雑物を除けるといったようなプロトコールもありますし。

pH4で落とすのはその樹脂の特性によるものと思います。なのでその樹脂のことを調べてください。まあイオン交換でもpHをふって落とすこともできますけど。

酵素 削除/引用
No.3816-1 - 2015/02/03 (火) 20:24:05 - momo
いつもお世話になっております。教えて下さい。

臓器からある消化酵素を抽出する際にまず、冷水10℃以下に臓器の粉末を入れて溶解させてph4にして遠心分離をして上澄みを陰イオン樹脂に吸着させ食塩水で洗浄しました。

1.どうして最初10℃以下の冷水で行う必要があったのでしょうか?
樹脂に吸着させた後、食塩水で洗浄したのですが、この食塩水の温度は20℃くらいでした。
どうして最初だけ冷水を使ったのかがわかりません。

2.どうしてph4で抽出するのでしょうか?

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