ある病原体の定量が目的で、3通りのプライマーをそれぞれ既出論文の通りにreal-time PCR(SYBR Green)試みましたが、それぞれに問題が起き行き詰っております。方法や方針についてご指導アドバイス頂ければ幸いです。
プライマー@(各20mer、産物80bp):動物種によって非特異的増幅がおこる
病原体攻撃後のマウス脳・血液よりDNAを抽出しreal-time PCRをすると特異的な定量ができる(非感染マウス・NTCは陰性)ものの、大動物で同様の試験をすると陰性個体でも陽性(Tm値正確)となり産物を泳動すると目的サイズにバンドが検出され、以下の確認をした
・陰性群の大動物(n=5,別室飼育)が全頭感染した?→血清学的に確認して陰性
・プライマーが何かひっかける?→稲(餌に入ってるかも)にF側があたる程度
・DNA抽出操作中のコンタミ→凍結組織より再抽出しても変わらず
その他、非特異反応の起こりにくいreal-time PCR用試薬へ変更、温度条件の変更(60→65℃)、等で問題解決ができず諦めてプライマー変更
プライマーA(各21mer、産物270bp):D.Wでも陽性になる
real-timeでも使えたとの報告を見つけたため使用したが、NTCでも陽性となり、普通のPCRにて以下のことを確認
・温度条件の変更(57→62℃)→効果なし
・コンタミの可能性→プライマー・試薬類すべて再発注(プライマー業者も変更)、フィルターチップに変更、チューブ変更、実験室変更、手技者変更(熟練者)、しても原因特定できず ※但し部屋によりD.W陽性率に差があった、たまたま???(A室10%、B室50%、C室80%)
同じPCR試薬でプライマー@とAを別々にPCRするとAのみD.W陽性、そのためコンタミの可能性があるとすればプライマーAの溶液中と判断。そこで「プライマー@FR+AF側」「プライマー@FR+AR側」でそれぞれPCRするが両方ともD.W陰性であった
プライマーB(各23mer、産物76bp):real-time PCRでTm値の山が2つ出る
スタンダードを確認すると、1e3〜1e1病原体/wellではTm値は83℃付近に山ひとつであるのに対して、1e0/wellでは73℃付近にもう1つ小さな山がではじめ、それ以下の鋳型濃度およびNTCでは73℃付近の山のほうが大きくなってしまい正確な値の検出は不可能となります。難解なのは、D.Wや陰性動物サンプルでも83℃(目的産物のTm値)付近に小さな山ができていることです(33~35サイクルくらいで立ち上がり始めています)
このプライマーでPCRをするとやはりDWでもバンドが出るものの、陽性と比べほんの少し下側にずれているように見えます
上司にも随時相談していますが、手技を疑われるばかりでなかなかアドバイスいただけません。どのプライマーも少なくとも1本は別の論文で引用使用されているものを使っており、やはりこちら(私)に何らかの根本的な原因があると思うのですが…正直お手上げ状態です。宜しくお願いします。 |
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