Label-retaining cells自体は存在するのだと思いますが、この現象のメカニズムとして、幹細胞が非対称分裂で本当にDNA strandを選択的に分配している(immortal DNA strand theory)のか、ただ単に長期に渡って細胞周期が止まっているだけなのかは、個人的にはよく分かりません。ただ、一応コンセプト(というか仮説)として受け入れられているようなので、幹細胞のBrdUラベルを考える場合にはその可能性を頭の片隅に置いておいてもいいかなと思い、コメントしました。
腸の幹細胞については理解が進み、クリプトの底にある幹細胞は細胞周期に入っているのに対し、昔から言われていた+4ポジションの幹細胞(label-retaining cellsもこの位置に存在するとされています)は静止期にあり、幹細胞のリザーバーとして存在する可能性が考えられています。前者の幹細胞が後者の幹細胞を生み出すとする報告もあるように思うので、例えば、前者の幹細胞が細胞周期に入っている時にBrdUを取り込み、直後に+4に移って細胞周期を止めてしまえば、分裂することなくBrdUラベルを維持する事も可能と、個人的には思っています。
普通に考えるとimmortal DNA strand theoryは納得し難いコンセプトですよね。本当に存在していれば面白いとは思いますが。 |
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