ヒト培養細胞(HEK293)を核と細胞質画分に分けるべく次のように実験を行いましたが、うまくいきませんでした。
1. HEK293細胞をトリプシン処理, 1xPBSに懸濁し1000gで遠心を2回繰り返す。
2. 懸濁液A(50mM Tris-HCl pH 7.5, 150mM KCl, 5mM MgCl2, 0.5% NP-40, 1 mM DTTの溶液)に懸濁しP1000チップで10回ほどやさしくパイペッティングし、氷上に 10分。
3. 4℃で16000g, 15分間遠心。
4. 上清を細胞質画分として回収。沈殿は懸濁液Aにやさしく懸濁して3の条件で再度遠心、これをもう一度繰り返す。沈殿を核画分として回収。
その後各画分からTrizol溶液を使用してRNAを精製し、ノーザン解析にてRNAを検出。
すると細胞質画分に核内容物であるU6 RNAが大量に(核画分に見られるのよりも
たくさん)検出されてしまいました。つまり細胞質画分に核内容物がかなりの濃度で混入しているようです。
この細胞質画分のプロトコルのどこかに問題、改善点があるでしょうか?
4のステップで核沈殿を懸濁液Aに再懸濁しようとしたところ、沈殿が白く大きなベトベトした塊のようになっていて、まともに懸濁できませんでした。
3での遠心の速度が速すぎて核膜が壊れているという可能性があるでしょうか?
その場合遠心速度は1000gくらいにするべきでしょうか?
もしくは0.5% NP-40というのは濃度が高すぎで、0.1%程度に下げるべきでしょうか?
とても困っています。何でもよいのでアドバイスをいただけると助かります。
よろしくお願いします。 |
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