ESやハップロイド培養細胞以外のがん細胞の場合は、染色体数が複数ある可能性があるため、難しいですが、ESの場合は論文的には結構高効率で成功していますね。ただ、がん細胞でもできないことはないです。
1. ターゲッティングベクターにセレクションマーカーを含むカセットをいれるか。通常セレクションマーカーを含んでいれば50%とはいかなくても1/10ぐらいの割合でホモはとれるとおもいます。この場合はCreで後で除く必要が有りますが効率は悪くなさそうです。もちろんノックインされた後は切れなくなるようにするのと、ランダムインテグレーションをはじく必要性はあります。
2. Amaxa等Nucleofectionでやる。Fugene等でも入る場合もあるみたいですが、Knock in に関してはなぜかNucleofectionの方が圧倒的に効率がいいみたいです。
3. Nickaseの使用については、当初の結果とは違って今ではWT Cas9に比べて効率が悪いということが言われていますので、iPSということを考えると使いづらい可能性があります。
4. 一応GFPのノックインによって構造変化などで致死になっていないことはあらかじめ確かなのか。N末やC末のが削れる程度で問題なくても、大きなタンパク質がつくことによって影響がある可能性があります。
5. iPSで発現しているならば、GFPの発現量を指標にそのままソーティングするというのはできないかどうか。ホモで入った場合の方がGFPの発現が若干高いことを期待する。そこまでいかなくても、入ったクローンだけをセレクションすれば良いならばもっと多くクローンを確認できるので、1つぐらいは見つかるかもしれない。
iPSについては、導入効率の問題もあるので最近Cell Stem Cellsにでてた論文のように、一度Cas9をDox誘導システムにしたラインを樹立した上で、gRNAをmRNAで入れる方法がより効率がいいみたいです。ま、クローンがとれていない訳ではないのでこの場合ちょっとちがいますが。 |
|