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タンパクのSDS化(可溶化) トピック削除
No.3381-TOPIC - 2014/09/17 (水) 15:11:59 - にゅー
いつも勉強させていただいてます。

タンパクのSDS化(可溶化)ですが、細胞をRIPA bufferで溶解後、IP法で目的タンパクを落とし、その目的タンパクをSDS化をしました。
しかし、R.T. O/Nで行うところを諸事情によりR.T. 4days O/Nととなりました。この際、タンパクは凝集してしまったり、抗原性が変わったり、WBで本来と違う位置でバンドが検出されたりすることはありますでしょうか。

また、SDS化した後、-20℃で保存するといつも出ていた結果と異なることはありますでしょうか。

アドバイスよろしくお願いします。
 
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(無題) 削除/引用
No.3381-6 - 2014/09/17 (水) 22:06:52 - 名無し

またさまざまな可能性を踏まえて厳密みれば、SDSがあるから大丈夫とは断言できないように、加熱もしたから大丈夫ともいいきれません。プロテアーゼインヒビター入れてても分解おこるときは起きます。大切な事は自分の見たいに変な事が起きていないかどうかということで、もしday4放置のもので、普段と違う様子がみられたら、考えればいいと思います。いずれにせよ、これを判断できるのは、この研究の経緯を現場で実際に見てきたあなたしかいません。

加熱処理が適切でない蛋白質を見る場合などではRT O/Nは昔からよく行われいるとおもいます。
IPの場合は溶出はSDSでも別にいいのですが、SDSの高い変性可溶化能ゆえ、ビーズに非特異的に吸着した余計な蛋白質も一緒に溶かしだしてしまい、結果としてバックグラウンドが上がってしまうことがあります。またこの際にDTTやbMEを加えた物を用いるとIgGのL鎖がサンプルに混入して(抗体をビーズに共有結合しているならばH鎖はの混入はもともと少ない)、見たい蛋白質の分子量によっては分析に支障が起こる場合もあります。

なので、SDS bufferの代わりにGlycine-HCl (pH2.0~2.5)溶液などで抗体の構造を緩めて抗原分子を溶出したほうが、バックグラウンドの低い、よりいいかんじのデータが得られる事がおおいです。後で電気泳動するならば、それを考慮して、液量は少量にすることが重要です。

以上は、IPはビーズを用いた方法で行っているとおもい書きましたが、もし抗体を直接ライゼートと混ぜてインキュベートして沈降物を得ているならば、この場合は直接SDS溶液で可溶化してください。

DTTはメルカプトエタノールと比べてその作用は強いですが高温処理に対する安定性や溶液状態での長期の安定性の面では後者に劣るように思い、私たちは通常のSDS-PAGEではDTTはあえてあまり使わないのですが、電気泳動サンプルでDTTを使用して、加熱やサンプルの保存は問題はないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.3381-5 - 2014/09/17 (水) 21:51:22 - おお
可能性は皆さんの書いているとおりですが、大丈夫ですかときかれるとなんともいえませんよ。ボイルもしてないということは、変性も完全じゃない可能性もあるでしょうから、ぷろてあーぜの活性も残っている可能性もあるかもしれませんし。
今回は参考データーとしてとっておいて、いずれにしろ再現性をとるだろうし、いちど比較してみてください。

プロてあーぜがひそんでいる可能性に加えて、目的の蛋白以外のものが除去されて、見たい蛋白がプロてあーぜのターゲットになりやすいという状況ではあるとおもいます。

(無題) 削除/引用
No.3381-4 - 2014/09/17 (水) 21:39:20 - にゅー
独り言さま

独り言さまがおっしゃる通りボイルが一般的ですので、私もそのように考えていました。ただ、目的とするタンパクによって、ボイルすることでタンパクが凝集、変性を起こしWBで検出できなくなるケースもあるようです。
私も、今回に限ってはボイル時よりもR.T. O/Nの方が良い結果が得られました。

名無し様
SDS可溶化について丁寧な解説をしていただいてありがとうございます。
とりあえずは、ボイルが基本ですが、仮にR.T.で数日間放置しても、(タンパクによりますが)結果自体は変わらない可能性が高いといった解釈でよろしいでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.3381-3 - 2014/09/17 (水) 21:26:19 - 名無し
SDSの濃度にもよりますが、2%前後(SDS−PAGEsample bufferのSDS濃度)あるならば一般的には、非常にSDSは強力な変性剤なのでたいていの酵素のたぐいはすみやかに失活してしまうので、蛋白質の分解とか、翻訳後修飾の脱修飾等は起こらない(or極めて起こりにくい)と思います。なので室温で1日おいても4日おいても少なくとも目に見えるような明らかな差異は生じないようにおもいます。またサンプル中での微生物の繁殖等もSDSの性質を考えればまずおこらないだろうと思いますし。

SDSで蛋白質の完全変性が完了するまでにははあるいていど時間を要します(これを待つのがうざいので電気泳動の時は加熱します。)ので、例外的に、非常に溶けにくい蛋白質が4日の時点でようやく可溶化されてくるといったことはもしかするとあるかもしれませんが、レアケースでしょう。

細胞内には様々なプロテアーゼがあり、中には高濃度SDS存在下でも完全に失活せずに活性を一部保持しているプロテアーゼも中にはあるということ聞きます。こういったものがゆっくり働いてある種の蛋白質を分解する可能性は否定は出来ません。基質側でも変性した蛋白質は分解を受けやすいのでこういう特殊なプロテアーゼの標的にされることはあるかもしれません。いずれにしても例外的でそうそう簡単に起こるないとはおもいますが。

なお、低濃度のSDS(0.01%以下くらい)は逆に一部のプロテアーゼを活性化することがあります。SDSの作用でほんのすこし高次構造が緩んで活性化するみたいです。

(無題) 削除/引用
No.3381-2 - 2014/09/17 (水) 21:02:28 - 独り言

> しかし、R.T. O/Nで行うところを諸事情によりR.T. 4days O/Nととなりました。この際、タンパクは凝集してしまったり、抗原性が変わったり、WBで本来と違う位置でバンドが検出されたりすることはありますでしょうか。

そもそもなんですが、
SDS-PAGEが目的なら、サンプルにSDSとDTT入れたら100度で5分が普通だと思うけど。RT O/Nがスタンダードって、何か特殊なタンパク質をみているのでしょうか?抗体を使ったIPであれば、抗原タンパク質が完全に離れるのか心配。

RT 4 daysだと、もしプロテアーゼなどコンタミしていて、まだ生きていたら、分解があるかも。

タンパクのSDS化(可溶化) 削除/引用
No.3381-1 - 2014/09/17 (水) 15:11:59 - にゅー
いつも勉強させていただいてます。

タンパクのSDS化(可溶化)ですが、細胞をRIPA bufferで溶解後、IP法で目的タンパクを落とし、その目的タンパクをSDS化をしました。
しかし、R.T. O/Nで行うところを諸事情によりR.T. 4days O/Nととなりました。この際、タンパクは凝集してしまったり、抗原性が変わったり、WBで本来と違う位置でバンドが検出されたりすることはありますでしょうか。

また、SDS化した後、-20℃で保存するといつも出ていた結果と異なることはありますでしょうか。

アドバイスよろしくお願いします。

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