またさまざまな可能性を踏まえて厳密みれば、SDSがあるから大丈夫とは断言できないように、加熱もしたから大丈夫ともいいきれません。プロテアーゼインヒビター入れてても分解おこるときは起きます。大切な事は自分の見たいに変な事が起きていないかどうかということで、もしday4放置のもので、普段と違う様子がみられたら、考えればいいと思います。いずれにせよ、これを判断できるのは、この研究の経緯を現場で実際に見てきたあなたしかいません。
加熱処理が適切でない蛋白質を見る場合などではRT O/Nは昔からよく行われいるとおもいます。
IPの場合は溶出はSDSでも別にいいのですが、SDSの高い変性可溶化能ゆえ、ビーズに非特異的に吸着した余計な蛋白質も一緒に溶かしだしてしまい、結果としてバックグラウンドが上がってしまうことがあります。またこの際にDTTやbMEを加えた物を用いるとIgGのL鎖がサンプルに混入して(抗体をビーズに共有結合しているならばH鎖はの混入はもともと少ない)、見たい蛋白質の分子量によっては分析に支障が起こる場合もあります。
なので、SDS bufferの代わりにGlycine-HCl (pH2.0~2.5)溶液などで抗体の構造を緩めて抗原分子を溶出したほうが、バックグラウンドの低い、よりいいかんじのデータが得られる事がおおいです。後で電気泳動するならば、それを考慮して、液量は少量にすることが重要です。
以上は、IPはビーズを用いた方法で行っているとおもい書きましたが、もし抗体を直接ライゼートと混ぜてインキュベートして沈降物を得ているならば、この場合は直接SDS溶液で可溶化してください。
DTTはメルカプトエタノールと比べてその作用は強いですが高温処理に対する安定性や溶液状態での長期の安定性の面では後者に劣るように思い、私たちは通常のSDS-PAGEではDTTはあえてあまり使わないのですが、電気泳動サンプルでDTTを使用して、加熱やサンプルの保存は問題はないでしょうか。 |
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