説明不足で申し訳ありません。私の状況を詳しく説明すると以下のようになります。
ボスからの命令は並列シーケンサーでの超可変配列の解析で、この際
1. ファミリーの遺伝子からの増幅防止。
2. PCRバイアスをできるだけ減らす。
が求められています。1.については先ほど説明いたしました。
2.は、T7が使えればいいのですが、直線的増幅ではどうにもならないほど、ターゲットが少ないためPCRを選んでいます。類似の実験をした参考文献もPCRで行っていますが、彼らはファミリー全部PCRしていますし(配列を読んだ後分ける)、PCRバイアスを減らす努力を全くしていません。
1.は1チップ(スライド)に乗せるサンプルを増やしたいから無駄な配列を読まないようにしたいので。2.はPCRバイアスをT7と比較した論文を見せたら、こだわるようになりました。元来分子生物学への興味の乏しい人ですが、言い出すと聞きませんので何とかしようとしています。
予備実験で、PCR産物が一定濃度になると明らかに解離温度の異なるヘテロ接合体が形成されることが分かっています。解離しやすい鋳型はPCRに好適でしょうから、この影響を防ぐために、サンプルの一部でほぼ同条件のreal-time PCRを行いサイクル数を決めます(SYBR GREENは産物解離温度を上昇させるためEverGreenを使っています)。装置の蛍光モニタリングのため、アニーリング又は伸張ステップで30秒が必要です。
目的産物は80-100bpで目的外PCR産物は200bp以上なので、伸張時間が減らせない以上ポリメラーゼ量を減らそうと思っていますが、PCRでポリメラーゼを増減されている方はいらっしゃいますか?
またPlatinum Taq High Fidelityは経験的には、普通のTaqより高次構造に強いと感じましたが、表記上はGC配列に強い酵素では無いようです。PCR産物配列による増幅効率の違いを減らすには、GC配列に強い酵素の方が良いのかと思ったのと、高温活性化がゆっくり起きる方が1サイクル目のプライマーの非特異的結合を防げるのかと思い別酵素も含めた検討を始めています。
Qiagenのthe HotStar HiFidelity Polymeraseは上記条件を満たすのですが、
>Please note that single-stranded oligonucleotides (i.e. the
> primers) can also be a substrate for the 3'-5'-exonuclease activity >of this proofreading polymerase. Our R&D has observed that a higher >concentration of primers (as compared to standard PCR with Taq), in >combination with our highly active proofreading enzyme (after >reactivation, of course) gives better results in terms of product >yield and sensitivity. Therefore, a reduction of the primer >concentration surely will result in worse results.
とTechnicalサポートに言われました。proofreading polymeraseでプライマーは削られるから多めに入れろということか?と思い他の酵素では?と疑問も膨らみ、今回お聞きした次第です。ですが、削られたと言う方はいませんでしたので、この現象はキアゲンの酵素の特徴なのかもしれません。
qq様
>プライマーの3'端最後(一個手前)のホスホジエステル結合をS化すると、切>れ込まなくなるのではないでしょうか?
これだとキアゲンのpolymeraseでも大丈夫そうですね。検討してみます。
丸様
>酵素を変えなくても、ステップダウンをすれば大丈夫そうな気がします。
real-timeの装置でもできるか調べてみます。
ありがとうございました。 |
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