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マウス大腸からIEL, LPMCsの単離の方法
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No.3311-TOPIC - 2014/08/23 (土) 09:20:21 - colitis
マウス大腸からIEL (intraepithelial lymphocyte)およびLPMCs (lamina propria mononuclear cells)の回収を試みています。
参考文献:
Benno Weigmann et. al., Nature Protocols 2, 2307 - 2311 (2007)
2点お聞きしたいことがあります。ご存知の方がおられましたら教えていただけませんでしょうか。
1. マウス大腸の内腔部をPBSフラッシュ後、長軸で切開して、そのあとにEDTA/DTT in HBSS内で震盪する(EDTA/DTT処理により腸管組織から上皮が剥がすことができます。)のですが、このプロトコルではこの操作を2度繰り返すとありました。その後、残った残査(粘膜下組織や筋層など)に酵素(コラゲナーゼIV, Dispase-II, DNase)で完全に組織を破砕します。
質問は、最初のEDTA/DTT処理で上皮を剥がす操作は2回では不十分なのか、2回では全ての上皮が剥がれないようでした。私は4度繰り返してようやく震盪後の上清が透明に近づきました。みなさまは何度EDTA/DTTでの上皮剥がしを繰り返していますか?上清が透明になるまで何度もやり続けるべきでしょうか?
2. EDTA/DTT処理により剥がれた上皮細胞群に含まれるIELを回収するため、また、酵素により残査を破砕しそこから回収されるLPMCsを回収するため、それぞれの溶液をfiltrationを行ったのちにPercoll gradientでIEL, LPMCsを回収しようとしていますが、回収された中間層をCD45抗体で染めると5%ほどしか染まらず残りのPI陰性画分はCD45抗体では染まりませんでした。普通に考えて、percollで中間層を取れば100% CD45抗体で染まるはずですよね?
また40% percollの上澄みにも生きている小さな細胞(LPMCs)がいるようなのです。
DNaseの量を上げるべきでしょうか?あるいは、LPMCsはCD45の発現が低いなどそういった事実はありますでしょうか?私が調べた限りではありませんでした。
些細な情報でも構いませんのでコメントをいただけますと幸いです。どうぞよろしくお願い致します。
PS: 使用しているマウスは健康なワイルドタイプのマウスです。手技が安定しましたら今後colitisモデルで解析してみる予定です。
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(無題)
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No.3311-5 - 2014/08/26 (火) 14:23:12 - colitis
L様、ご回答ありがとうございます。
本日行いましたところ、IECであるべき分画にはやはり1%以下のCD45陽性細胞しか認めませんでした。ただ、FSC/SSCドットプロットでは明らかにpercollの前と後ではdotの出方が異なっているんです。pre-percollでは大きな上皮細胞と思われる細胞がmainですが、post-percollでは単核球(IEL?)のような集団になっています。なぜこの集団がCD45で染まらないのか、IELはCD45陰性なのかどうかも含めてこれから文献検索してみます。データをまとめたファイルをアップロードしました。もしお時間ありましたらみていただけませんでしょうか。
http://fast-uploader.com/file/6964585257967/
一方、LPMCsであるべき分画では30-40%のCD45陽性率でした。これほどまでの陽性率は初めてです。percollに供する前に何度も40 umのfilterでこしたのがよかったのか。。ただ、percollの前と後ではCD45の陽性率は変わっていないんですよね。。after percollではほとんどがCD45+になりますでしょうか?
>混入している細胞の自家蛍光によるバックグラウンドが高いと、小型の造血細胞の陽性域とかぶって検出しにくいかもしれません。CD45の検出はCD45とFSC(あるいはSSC)のdot plotでしょうか?
ありがとうございます。確かに上皮細胞はバックグラウンドが高いようですね。文献にもありました。
CD45の検出はCD45と7-AADで行いました。FACS Caliburでの解析です。後でFSCまたはSSCでもCD45のプロットを確認してみます。
> Nature protocolの論文は、IELの単離についてはあまり詳しく書かれてませんが、実際どのように行ってますか? EDTA/DTT4回で得られた上皮を全部集めてpercollで分離しているのでしょうか?
はい。EDTA/DTT4回で得られたものを遠心して、3%FCS入りPBSで再懸濁、その後遠心して、ペレットを40% percollで再懸濁、それを80% percollに重層しています。
私の場合、小腸しか使ってないのですが、2回目までで得られたクリプト及び絨毛上皮だけIELの単離に使ってます。残った組織をもう2回EDTA/DTTで処理してから酵素処理してLPMCを分離してますが、3回目以降のEDTA/DTTにはちぎれた絨毛組織が混じったりするので、IELの単離には使ってません。EDTA/DTT処理を繰り返す際に、はがれてきたクリプトの純度を顕微鏡でその都度確認すると良いと思います。どうしても心配ならば、切片を作ってどの程度クリプトが剥がれているか確認するのも手かと思います。
経験に基づかれたアドバイス本当にありがとうございます!3回目以降はクリプトが維持されてない可能性があるのですね。私も次回からは1, 2回のEDTA/DTTの上清をIEL回収に用い、その後更にEDTA/DTTを二度処理して、その上清は捨て、残渣を酵素処理することにします。
(無題)
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No.3311-4 - 2014/08/26 (火) 08:26:54 - L
IELでもLPMCでもCD45が5%という事でしょうか? IELの場合は上皮細胞の混入の可能性がありますが、LPMCの場合は他のタイプの細胞の可能性が高いですよね。混入している細胞の自家蛍光によるバックグラウンドが高いと、小型の造血細胞の陽性域とかぶって検出しにくいかもしれません。CD45の検出はCD45とFSC(あるいはSSC)のdot plotでしょうか?
Nature protocolの論文は、IELの単離についてはあまり詳しく書かれてませんが、実際どのように行ってますか? EDTA/DTT4回で得られた上皮を全部集めてpercollで分離しているのでしょうか? 私の場合、小腸しか使ってないのですが、2回目までで得られたクリプト及び絨毛上皮だけIELの単離に使ってます。残った組織をもう2回EDTA/DTTで処理してから酵素処理してLPMCを分離してますが、3回目以降のEDTA/DTTにはちぎれた絨毛組織が混じったりするので、IELの単離には使ってません。EDTA/DTT処理を繰り返す際に、はがれてきたクリプトの純度を顕微鏡でその都度確認すると良いと思います。どうしても心配ならば、切片を作ってどの程度クリプトが剥がれているか確認するのも手かと思います。
(無題)
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No.3311-3 - 2014/08/25 (月) 20:25:23 - colitis
alpha様ご回答いただきありがとうございます。
はい、DTTとEDTAは参考文献に倣い、同時処理しています。
私も2回の同時処理で十分上皮は回収できるのですが、本来の目的はLPMCsの回収ですので、DTT/EDTA処理で完全に上皮を除きたいという目的がありました。2回だけではその後の酵素処理に上皮が結構な量持ち込まれていませんか?alpha様はLPMCsを最終的に野生型マウス大腸からどれほど回収されておられますか?私は5-10万cellsほどで極めて低いものです。
percollの条件はbrake offでアクセルも最低速度で行っています。rpmをgに表示できる遠心機ですので設定、温度も間違いないです。alpha様はpercoll中間層に回収された細胞を抗CD45抗体で染められたことはありますか?あるいは、中間層全てが血球系のlineage markerで染まっていますか?私の5%は低いですよね。上皮が混ざっている印象なんです。中間層の生細胞はほぼ100%ほどです。LPMCsの細胞数が少ないので、dispase-II抜きで試してみます。
もしお時間ありましたらご回答再度いただけますと幸いにぞんじます。
>[Re:2] alphaさんは書きました :
> 1.に関してですが、EDTAとDTTは同時に処理ですか?
> 私は別々に1回ずつしていますが、それで上皮は十分、単離できます。
>
> 2.に関してですが、Percollの条件は間違いありませんか?
> 濃度や遠心スピードなどなど・・・
> 酵素処理をしすぎると、ほとんど死細胞として分離されます。
> 酵素の条件も再検討されると良いかもしれません。
> 私は時と場合にもよりますが、Dispaseを入れずに、コラゲナーゼだけで処理したりしますが、それでも十分な純度は取れます。
(無題)
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No.3311-2 - 2014/08/25 (月) 17:01:58 - alpha
1.に関してですが、EDTAとDTTは同時に処理ですか?
私は別々に1回ずつしていますが、それで上皮は十分、単離できます。
2.に関してですが、Percollの条件は間違いありませんか?
濃度や遠心スピードなどなど・・・
酵素処理をしすぎると、ほとんど死細胞として分離されます。
酵素の条件も再検討されると良いかもしれません。
私は時と場合にもよりますが、Dispaseを入れずに、コラゲナーゼだけで処理したりしますが、それでも十分な純度は取れます。
マウス大腸からIEL, LPMCsの単離の方法
削除/引用
No.3311-1 - 2014/08/23 (土) 09:20:21 - colitis
マウス大腸からIEL (intraepithelial lymphocyte)およびLPMCs (lamina propria mononuclear cells)の回収を試みています。
参考文献:
Benno Weigmann et. al., Nature Protocols 2, 2307 - 2311 (2007)
2点お聞きしたいことがあります。ご存知の方がおられましたら教えていただけませんでしょうか。
1. マウス大腸の内腔部をPBSフラッシュ後、長軸で切開して、そのあとにEDTA/DTT in HBSS内で震盪する(EDTA/DTT処理により腸管組織から上皮が剥がすことができます。)のですが、このプロトコルではこの操作を2度繰り返すとありました。その後、残った残査(粘膜下組織や筋層など)に酵素(コラゲナーゼIV, Dispase-II, DNase)で完全に組織を破砕します。
質問は、最初のEDTA/DTT処理で上皮を剥がす操作は2回では不十分なのか、2回では全ての上皮が剥がれないようでした。私は4度繰り返してようやく震盪後の上清が透明に近づきました。みなさまは何度EDTA/DTTでの上皮剥がしを繰り返していますか?上清が透明になるまで何度もやり続けるべきでしょうか?
2. EDTA/DTT処理により剥がれた上皮細胞群に含まれるIELを回収するため、また、酵素により残査を破砕しそこから回収されるLPMCsを回収するため、それぞれの溶液をfiltrationを行ったのちにPercoll gradientでIEL, LPMCsを回収しようとしていますが、回収された中間層をCD45抗体で染めると5%ほどしか染まらず残りのPI陰性画分はCD45抗体では染まりませんでした。普通に考えて、percollで中間層を取れば100% CD45抗体で染まるはずですよね?
また40% percollの上澄みにも生きている小さな細胞(LPMCs)がいるようなのです。
DNaseの量を上げるべきでしょうか?あるいは、LPMCsはCD45の発現が低いなどそういった事実はありますでしょうか?私が調べた限りではありませんでした。
些細な情報でも構いませんのでコメントをいただけますと幸いです。どうぞよろしくお願い致します。
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