PIや7AAD染色で死細胞を分離できないと考える理由は何でしょうか? 未固定の細胞でPI染色した場合に、PI陰性の分画に死細胞がどの程度混入しているかご自分で調べてみたという事でしょうか? 例えば、PI陰性Anexin陽性の細胞を「死細胞」と定義するのであれば、PI陰性Anexin陰性の細胞を「生細胞」として解析すればよいと思います。要は「死細胞」の定義の問題かと。
デブリについては、無核なのでPIでは染まりません。よって、PI陰性分画に混入します。Fixation/permeabilization後のPI染色で、アポトーシス細胞、死細胞、デブリが混じっていると考えられるsub-G1分画のforward scatterを調べると、G1-G2-Mの細胞と比べて低めに出ると思いますので、この集団をforward scatterで除去するようゲートを設定し、未固定の細胞解析に応用すれば、ある程度デブリは除去できると思われます。ただし、固定法によっては、固定そのものがforward scatterに影響するので、ゲートの設定の際に、なるべく細胞形態への影響が小さい固定法を選択する必要があります。
固定による形態への影響が気になるならば、末梢血を採取してサンプルに混ぜ、FACSでforward scatterを解析してみるという手もあります。サンプルの細胞が普通の細胞であれば、末梢血中の赤血球よりも大きいので、混ぜた赤血球を除去できるようforward scatterのゲートを設定すれば、赤血球より小さいデブリは除去できます。 |
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