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plasmidのバンドが出ない トピック削除
No.3034-TOPIC - 2014/05/14 (水) 15:06:41 - はるか
plasmidのクローニングについて

生物系の研究室に配属されて二年ほどになる学生です。
現在細胞にtransfectionするためのクローン作製をしているところなのですが、困ったことが起こったので相談させてください。

5kbpのvectorに50bpほどのインサートを組み込んだplasmidを作成しております。
現在ライゲーションし、トランスフォーメーションし、生えてきたコロニーにたいしてインサートを入れた外に設計されているプライマーをつかってコロニーPCRを行い、そのPCR産物をseq.して配列を確認しました。
このplasmidをもつ大腸菌をグリセロールstockし、そこから一部を削り取り液体培養してplasmid抽出し、抽出したplasmidをエタ沈してtransfectionに用いています。
いつもエタ沈後に濃度チェックし、200-300ng程度0.7%または1%アガロースゲルで電気泳動してplasmidを確かめているのですが、今回この電気泳動の際、インサートを組み込んだplasmidのバンドが出ませんでした。
ひとつはバンドらしきものがあったのですがもとのvectorよりはるか上流にぼんやりとしたバンドが出ただけで、目的のバンドとは思えず……。
もしかして別のものを抽出してきているのかもしれない、ともう一度コロニーPCRに用いたプライマーでPCRしてみたのですが、こちらはきちんと目的のサイズのバンドが出ます。(インサートを組み込んだものはその分少し上にバンドが出ます)
ベクターにはアンピシリン耐性遺伝子がコードされており、アンピシリン添加培地で液体培養してるのできちんとベクターをもった大腸菌から抽出していると思うのですが……インサート周辺だけが増えてくることはないですよね?
先輩や先生と相談したりもしているのですが……とりあえず今はplasmid自体をseq.しようと考えています。

原因としてはどのようなことが考えられるでしょうか?
お力を貸していただけると嬉しいです。
 
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(無題) 解決済み 削除/引用
No.3034-44 - 2014/05/17 (土) 21:59:01 - はるか
>中年さん
空ベクターとインサートありを寒天培地に広げてみましたが空ベクターではコロニーが形成されましたがインサートありでは形成されませんでした。
今まで増えていたのは、使っていた培地のアンピシリンがへたっていたのかもしれないなと思いました……。



培地等を新しくし、インサートを入れ直して作ってみたところ、今度は電気泳動で目的とするバンドが確認されました。
前回までの原因ははっきりとはわかりませんでしたが、とりあえず先には進めそうです。
今まで数々のアドバイスをくださった方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.3034-43 - 2014/05/16 (金) 20:21:37 - はるか
>[Re:40] sevenさん
>[Re:38] monさん

泳動した部分にはなにもうつっておらず、ウェルが光ることもありますが何もいれていないウェルも同じようになっていたりしたので特に問題としておりませんでした。
スメアな核酸であった場合では今回の条件では流れ切ってしまっていた、ということでしょうか……。

plasmid抽出の方法にも気を配りたいと思います。


>中年さん

都合により寒天培地が不足していたため先延ばしにしておりました。
結果が出たらまた報告させていただきます。


>ppさん
ベクターの違いはインサートの下流にあるプロモーターの種類が違うだけで残りは同じです。

(無題) 削除/引用
No.3034-42 - 2014/05/16 (金) 18:52:43 - pp
状況が整理しきれないのであれなのですが,

今のベクターでは,インサートなしはプラスミドがキチンと取れる。
今のベクターでは,インサート有りはプラスミドがキチンと取れない。(量が極めて少ない)
別のベクターではインサート有りはキチンと取れる。

今のベクターと別のベクターの違いは何があるのでしょうか。
インサートの上流に大腸菌プロモーターがあるなしとか
何かあるのでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.3034-41 - 2014/05/16 (金) 16:55:14 - 中年
ligationからやり直すことの可否はここでは論じません。でも、今あるストックをプレートに引いて、コロニーの形状を空ベクターのそれと比較するというのは、時間も手間もコストもほとんど掛からないので、試して結果を教えてもらえないでしょうか。これで原因が分かれば安いものではないですか?

(無題) 削除/引用
No.3034-40 - 2014/05/16 (金) 16:39:28 - seven
他の方も言われていますが特定のサイズではないスメアな核酸が混入しているのかもしれません

アルカリSDSでは短めのDNAはのぞけないので、DNAのせん断、分解が起きている場合そういったplasmid以外のDNAやRNAが混入します。
そういう場合は
RNA分解がうまくいってない
plasmid抽出時にvoltx、ピペッティングなどでゲノムをせん断させている
培養液中に死菌が多く分解されたゲノムが多く存在する
等の可能性が考えられます。

(無題) 削除/引用
No.3034-39 - 2014/05/16 (金) 14:59:53 - はるか
>[Re:36] APさんは書きました :
> わからないような事ではないでしょう。素直に、EtBrで染まらないなら「nonodropの測定で濃度がある」というのが間違いです。

>[Re:35] 中年さんは書きました :
> ゲルに流してEtBrで染色してもバンドが出ないのなら、そのUVの吸収はDNA以外の何ものかによるものです。

測定集団がNanodropくらいしかないのですが、OD比は1.8-1.9でバンドが見えているplasmidとほとんど同じ程度です。
ピークも260にあり、いつもと同じで特におかしいと思わなかったのですが、何か別のものを測っているという事なのですね…。

> ところで、その定量結果では培養液体積あたりのプラスミド収量はどのくらいなんでしょうか。

プラスミド収量は2-3μg/mL程度です。


>[Re:34] おおさんは書きました :
> グリセロールストックで保存しているあいだに、プラスミドがぬけて、収量が極端に落ちるということはよくあります。なのでシングルコロニーを3個ほどひろうのは常時やるほうがいいです。

いつもコロニーピックした分から液体培養、もしくは画線培養→液体培養し、そこからプラスミド精製、一部をストックにしています。
今回は時間の都合でストックだけ作りましたが……次回はそうしたいと思います。
今回もコロニー3つをストックしていましたが、うち2つから抽出してみましたが同じような結果になってしまいました。

(無題) 削除/引用
No.3034-38 - 2014/05/16 (金) 12:47:26 - mon
濃度があるのにバンドが出ない理由は、
バンドにならないように非均一なモノになっているか(スメア)、ゲルから流れ出るくらい(分離できないくらい)小さくなっている、非常に大きい(夾雑物のせいで)ウェルからゲルに入っていかない(この場合はウェルが染まる、正電荷をもった夾雑物のせいで逆向きに泳動された等が思いつきますね。
おおさんの「(怪しい)plasmid溶液でtransformし直してAmp耐性クローンを拾う」という提案で解決できると思いますよ。

(無題) 削除/引用
No.3034-37 - 2014/05/16 (金) 12:29:31 - サンショウウオ

>これは本当に「プラスミドが液中に放出され」た結果なんでしょうか? それを何らかの方法で確かめて言っているのでしょうか。おそらく上記のような現象だったんだと思いますが。

本題からちょっとそれているのですが、APさんの投稿を読んで非常に勉強になりました。


 一応、ナノドロップで培養液の残りやプラスミド精製時のwash液を測った時、培養液に数ng/ulのプラスミドがあるような形のスペクトルが見られたので液中に放出されたと判断していました。
  夾雑物の可能性と、Ampが劣化してプラスミドを持たない菌が増えてくることを全く考えていませんでした。

(無題) 削除/引用
No.3034-36 - 2014/05/16 (金) 11:14:44 - AP
>目的plasmidがとれていない、というのはわかりますが、濃度があるのに電気泳動してもバンドが出てこない、というのがよくわかりません……。

わからないような事ではないでしょう。素直に、EtBrで染まらないなら「nonodropの測定で濃度がある」というのが間違いです。

吸光度には干渉する要因、物質がたくさんありますので過信は禁物です。むしろEtBrのような選択的な蛍光色素で染めた強度のほうが正確です。
最近では、次世代シークエンス(NGS)やmicroarrayなど、材料DNAの正確な定量が必要な分野ではpicogreenなどを用いた蛍光強度ベースの定量が推奨されているくらいです。

ところで、その定量結果では培養液体積あたりのプラスミド収量はどのくらいなんでしょうか。oriの違い(多コピーか少コピーか)や培地の種類、プラスミドの大きさ等によってことなりますが、pUC系の多コピープラスミドなら、1 ug plasmid/mL 培養液以上の収量があるはずです(かなり少なめの見積もり。通常は3-5 ugくらい)。
吸光度で見てそれ以下の収量であった場合、実はプラスミドは全く取れていなくて、測定された吸光度は夾雑物由来ということもありえます。これを濃縮して見かけ上、十分な濃度にしたとしても無駄ということになります。

(無題) 削除/引用
No.3034-35 - 2014/05/16 (金) 10:45:23 - 中年
ゲルに流してEtBrで染色してもバンドが出ないのなら、そのUVの吸収はDNA以外の何ものかによるものです。DNAによる吸収かどうかを調べたいなら、吸収スペクトルを取ってみるか、それができないならOD260とOD280の比を出してみては?

(無題) 削除/引用
No.3034-34 - 2014/05/16 (金) 01:24:21 - おお
グリセロールストックで保存しているあいだに、プラスミドがぬけて、収量が極端に落ちるということはよくあります。なのでシングルコロニーを3個ほどひろうのは常時やるほうがいいです。

毒性そのたも気になるところですが、まずはそこから確認しないと毒性やその他の使っているプラスミドの癖を見抜くのはちょっと飛躍があるかもしれません。

プラスミドの濃度が不正確なのはRNAが入っている可能性があるかもしれません。エチブロでのRNAの感度ははるかに悪いのでないようにみえても結構あるばあいがあります。

少ないといっているそのプラスみど溶液で配列が読めるのであれば、それを再度大腸菌にtransformationするのも手かと思います。

>...てインサートを入れた外に設計されているプライマーをつかってコロニーPCRを行い、そのPCR産物をseq.して配列を確認しました。
>このplasmidをもつ大腸菌をグリセロールstockし、そこから一部を削り取り液体培養してplasmid抽出し、抽出したplasmidをエタ沈してtransfectionに用いています。

ライげーしょん後transformationして得られたコロニーはグリセロールストックにするのはグリセロールすとっくが比較的不安定なほうほうなので、コロニーPCRはしてもいいですが、ピックアップしたコロニーは液体培地でふやしてプラスみど精製までもっていくか、あらたに寒天の上に移して増やすかしておいた方がいいかとおもいます。その寒天も冷やして保存できますがなるべく冷やさないで、シーケンスの結果が2日、3日かかるなら、室温で増やすとか、レプリカを取るとかして生きがいいものをプラスミド精製に持っていけるようにすればいいかと。

(無題) 削除/引用
No.3034-33 - 2014/05/15 (木) 21:39:06 - はるか
>[Re:31] APさんは書きました :
> 他の方からも指摘があったように、インサートが毒性の場合(大腸菌に負荷を与える産物がleakyに発現するとか、大きなinverted repeatがあるとか)、大腸菌の増殖に非常に不利になります。

勉強不足故調べながらになりますので理解に不足があるかもしれませんが、インサートは短く、また前回は別のベクターに同じインサートを組み込んでおりますがこちらは問題なくplasmidが抽出できているので、インサート自体に毒性があるとは考えにくいのでは…と思っています。
しかしインサートから毒性が生じた場合はもう一度plasmidを作っても同じ現象が起こる可能性があるということですよね……。
もう少し勉強してみます。

(無題) 削除/引用
No.3034-32 - 2014/05/15 (木) 21:21:11 - はるか
皆さまからさまざま指摘をいただきましたが、先生の指示でとりあえずplasmidをシークエンスしてみました。
結果は波が小さく、また先の電気泳動でもバンドが出てこないことからplasmidが非常に少ないのだろう、という結果になりました。
NanoDropが正しく測定できていないのかもしれない、と別の研究室のNanoDropを使わせていただいたのですが、結果はほぼ同程度の濃度・OD比となりました。
目的plasmidがとれていない、というのはわかりますが、濃度があるのに電気泳動してもバンドが出てこない、というのがよくわかりません……。
ストックから寒天培地に起こしなおすことも教えていただき考えましたが、どちらにせよ目的のplasmidが入っていない可能性が高いためligationからやり直すことになりました。

濃度があるのにバンドが出ない理由は何が考えられるでしょうか……
現在の条件では流れ切れてしまうほどサイズの小さいDNAを取ってきているのでしょうか…。

(無題) 削除/引用
No.3034-31 - 2014/05/15 (木) 20:06:40 - AP
他の方からも指摘があったように、インサートが毒性の場合(大腸菌に負荷を与える産物がleakyに発現するとか、大きなinverted repeatがあるとか)、大腸菌の増殖に非常に不利になります。そうすると、抗生物質で選択をかけながら培養しても、毒性が出ないような組換えを起こしたプラスミドをもつクローンが増殖に有利となり、正しいプラスミドをもつ細胞を駆逐してしまうというような想定外のことが起こります。

特にアンピシリン選択の場合、培養しているうちにアンピシリンがヘタってきます(プラスミドを保持した耐性菌が放出するベータラクタマーゼで培地中のアンピシリンが分解される、カタボライトで培地が酸性化してくるとアンピシリンが効かなくなってくる)。アンピシリンがヘタッたところで、プラスミドをまるまる脱落した細胞が、毒性による負荷がなくなった分、増殖に有利なため一気に増えて、プラスミドを保持した細胞を駆逐してしまうということが起こりえます。
今回はこのパターンのような気がします。

ひとつの対処法は、pUC系のレプリコンであれば培養温度を30℃付近まで下げることです。pUC系のoriは温度感受性突然変異をもち、低温にするとコピー数が少なくなるので、毒性を回避できる可能性があります。

また、lacZ内のクローニングサイトにインサートを入れるような場合、LacZ geneのleaky expressionによって、インサートから毒性が発現する場合もありえます。培地にグルコースを添加するとlacオペロンが抑制されることで毒性が軽減するかもしれません。また、今回もこのケースに当てはまるなら、宿主としてDH5alphaは避けたほうが良さそうです。DH5alphaはlacオペロンのリプレッサーであるlacI^q遺伝子を持たないため、lacプロモーターがconstitutiveな発現をおこないます。

>大腸菌の培養時間が長くなって濁度1.3とかになるとプラスミドが液中に放出されてしまい、250mlスケールで培養して菌体は回収できたけどプラスミドが回収できなかった。

これは本当に「プラスミドが液中に放出され」た結果なんでしょうか? それを何らかの方法で確かめて言っているのでしょうか。おそらく上記のような現象だったんだと思いますが。

(無題) 削除/引用
No.3034-30 - 2014/05/14 (水) 23:36:20 - はるか
>[Re:28] サンショウウオさん

濁度は測ったこともなく……おおよそ13-16時間程度o/nで培養して抽出していました。
培養時間も長くなりすぎないよう気をつけます。

(無題) 削除/引用
No.3034-29 - 2014/05/14 (水) 23:32:00 - はるか
すみません、調べていたらよくわからなくなってしまったのでリニアとサーキュラーという表現は正しくないのかもしれません。
トランスフェクトするべきなのはスーパーコイル…?でしょうか。

ともかく、空ベクターのコントロールとインサートありのもののバンドが同じ高さあたりに同じ太さで出ること=同じ量の同様なプラスミドをトランスフェクトしていること、を確認するために電気泳動していました。

(無題) 削除/引用
No.3034-28 - 2014/05/14 (水) 23:29:06 - サンショウウオ
大腸菌の培養時間が長くなって濁度1.3とかになるとプラスミドが液中に放出されてしまい、250mlスケールで培養して菌体は回収できたけどプラスミドが回収できなかった。なんてことが私はつい最近ありました。  

 濁度0.8ぐらいで精製するようにしたら収量が大幅に増えました。

(無題) 削除/引用
No.3034-27 - 2014/05/14 (水) 23:14:03 - はるか
>[Re:26] teさんは書きました :
> あまり詳しくないですが、お邪魔します。制限酵素で切らなくても大きさとか分かるんでしたっけ?インサート無しのコントロールも含めて切ってみてもいい気もします。

リニアとサーキュラーで泳動度は変わるんだと思うんですが、バンドが全く出ないほどかわるものでしょうか……。
もともとちゃんとサーキュラーのプラスミドが同程度とれてるか確認するために泳動していたので切ってはないのですが、切ってみて確かめたほうがいいのかもしれないですね……。
検討します。

(無題) 削除/引用
No.3034-26 - 2014/05/14 (水) 22:23:38 - te
あまり詳しくないですが、お邪魔します。制限酵素で切らなくても大きさとか分かるんでしたっけ?インサート無しのコントロールも含めて切ってみてもいい気もします。

(無題) 削除/引用
No.3034-25 - 2014/05/14 (水) 21:53:10 - はるか
>中年さん

アドバイスありがとうございます。
教えていただいた通りやってみようと思います。

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