浮遊細胞を遠心せずに免疫染色したいという事であれば、固定前にスライドグラスかカバースリップにのせてしまうという手もありますね。例えば、
(1)生きている細胞を培地にいれたままコニカルチューブ内で1時間程培養すると、ほとんどの細胞が沈みますので、そこで上清を除去し、残った少量の培地にサスペンドして、スライドグラスにスメアを引いてから固定する。
(2)生きている細胞を少量の培地にサスペンドして、スライドグラス上のパップペンで囲んだエリア(あるいはカバースリップ)に数滴落として、1時間程培養。その後、丁寧に上清を除去して、固定。
(1)の方法は、普段私が使っている方法です。難点はスメアとその後の風乾の過程で形態が影響を受ける可能性を否定できない事ですが、臨床の現場で造血細胞の形態評価をする場合もスメアと風乾により作成されたスライドグラスを使っているので、許容範囲と考えています。
(2)の方法は、隣のラボの人たちが使っている方法なのですが、私がやると細胞のロスがかなりある(1時間の培養ではスライドグラスにつかない細胞がかなりある)ので、この方法はあまり使ってません。スライドグラスをコートすれば、改善する可能性もありますが。
ご参考まで。 |
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