>ホルマリン(ホルムアルデヒド)は冷やすと重合してPFAになりますし、PFAはあっためると重合が切れてホルマリン(ホルムアルデヒド)になります。
あんまり二つの状態が行ったり来たりするのは望ましくないと考えられているのでホルマリンは常温保存、PFAは必要に応じて調整することが推奨されているわけです
どうやら誰かに不正確なことを吹きこまれてそれを信じこんでいるようなので、もう一度勉強しなおして出直すように。
4% PFA in phosphate bufferもphosphate buffered 10% formalin も物質としては同じです(試薬ごとにことなる純度を考えなければ)。重要な違いは、formalinには酸化防止剤、重合防止剤おもにmethanolが加えられているのが普通であるということです。免疫染色の時、抗原によってはmethanolが禁忌であるものがあるので、そういうときはPFAを使うか、methanolが入っていない高級グレードのformalinを使ったりします。また、formalinはどんどん酸化してギ酸を生じたりpHが著しく下がったりするので、そういうのに敏感なサンプルにはPFAを使います。
formaldehydeが重合するのはformaldehyde monomerが水に溶けた状態(水と化合した状態)のmethylene hydrate (or methylene glycol)が脱水縮合したもので、逆にPFAがFA monomer (正確にはmethylene hydrate)にもどるのは、OH-イオンが触媒となって水解がおこるからです。温度を下げたからと言って、重合が起こりやすくなるという理由は無いと思いますが。少なくともworking conceentration (4% PFA, 10% formalin)でFAが、4度で重合、析出するということはありません。FAは組織への浸透速度が遅いので、浸透、固定が進むまで氷温に冷やしておいて組織変化を抑えるというのはよくやる方法です。
質問にある固定温度、時間の違いは、PFAであるかformalinであるかによるものではないでしょう。10% formalin, r.t., o/nで良いサンプルであれば、当然、4% PFA, r.t., o/nでも構わないと考えます。おそらく、それぞれ別の出典からとったというだけでしょう。 |
|