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酵素の硫安存在下における安定性と脱塩による失活 トピック削除
No.2749-TOPIC - 2014/01/21 (火) 03:15:05 - もも
いつもお世話になっております。
現在あるネイティブの酵素を精製しており、その安定性についてどのように判断するべきか分からないため質問させていただきます。
酵素を精製する際に、30〜80%飽和硫安にて析出した沈殿物を2 M硫安入りのトリスバッファーに溶解したところ、非常に安定性が高く1ヶ月経過後も冷蔵にて活性が保存されていました。
従ってそのまま疎水クロマトグラフィーにうつったところ、溶出液には約半分の活性しか認められませんでした。もちろんフロースルーなどには活性は認められませんでした。その後、もう一度疎水クロマトグラフィーを行ったところ、多少回収率は小さくなるものの、硫安分画から疎水クロマトグラフィーへの移行にかけて見られたロスに比べると、ほとんど回収できていました。
そして、さらにその溶出画分を脱塩するためSephadex g25を担体としたゲル濾過カラムに供したところ、さらにここでも活性が半分ほどなくなっていました。
ちなみに、以前同じ酵素を近いタンパク濃度、量で、NaClを除くために同じカラムに供したときは回収率は悪くありませんでした。
分子量が小さいためラボにある限外濾過膜や透析膜では膜を通過してしまうため、硫安を除くには脱塩カラムが最もよいと考えました。

これらのことから、仮説ですが、硫安濃度の変化が酵素の安定性に大きな影響を及ぼすと考えています。
疎水クロマトと疎水クロマトの間ではそんなに活性がなくならないが、硫安分画から疎水クロマトの間、また疎水クロマトから脱塩の間では活性が大幅に削れる酵素について何か対処法がありましたら教えてください。
本当はじっくり検討すべきところですが、時間がないため有識者の力を借りたいです。
 
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(無題) 削除/引用
No.2749-9 - 2014/01/21 (火) 09:41:59 - qq
活性は精製中に失活しているかもしれないし、活性測定中に失活しているかもしれません。
タンパク量が少なくなって、活性測定中に失活しやすくなったかもしれませんから、活性測定条件にBSAでも入れてみてはどうでしょうか?
硫安を添加すると活性が増加することはないのでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.2749-8 - 2014/01/21 (火) 09:19:16 - パパ
活性が1回目の疎水クロマトで大きく低下する理由は分からないのですが,グリセロールは安定化に効果がありそうでしょうか?
ありそうなら10%程添加してみてもいいのではないでしょうか?
経験上いくつかの酵素で添加することで回収率の大幅な改善がありました。
少し粘性がでて取り扱いにくいですが。

返信ありがとうございます。 削除/引用
No.2749-7 - 2014/01/21 (火) 08:04:34 - もも
>おおさん
疏水基を用いない疎水クロマトや、脱塩を目的としないゲル濾過クロマトグラフィーなど、興味深く読ませていただきました。ありがとうございます。
夜中中試行錯誤していたのですが、やはりもう一度、硫安と疎水クロマトを使わずに、精製を行ってみようかと思います。
硫安分画溶液中にて非常に安定だったのでどうにか疎水クロマトを利用したかったのですが、リスクが大きすぎます。

返信ありがとうございます。 削除/引用
No.2749-6 - 2014/01/21 (火) 07:57:29 - もも
ありがとうございます。
>おおさん
いろいろとデータ不足な質問に頭をひねっていただきありがとうございました。
硫安分画後の疎水クロマトではもちろんタンパク量は精製によって削られているのですが、比活性は低下しています。また疎水クロマト後の脱塩ではタンパク量はほぼ回収できているにも関わらず、活性が著しく低下しています。
もし疎水担体による影響から失活が起きているならば、疎水クロマトを繰り返せば同様に活性は落ちていくはずだけど、そうではなかったため、今回の仮説に至りました。
硫安による酵素の活性化は少し考えましたが、まだ試験をしていないため何とも言えません。本日やってみようと思います。

返信ありがとうございます 削除/引用
No.2749-5 - 2014/01/21 (火) 07:43:05 - もも
ありがとうございます。
>比活性さん
まず(1)ですが、硫安後の疎水クロマト、疎水クロマト後の脱塩を経て、どちらも比活性が低下しているので、失活によるものだと考えました。
(2)ですが、このような仮説に至ったのが昨日のことで、まだ硫安のプラスマイナス試験はやっておりません。今回この質問をしたのは、このような見解がありうるのか、それを知るにはどのようなデータがいるのか、違う見方があるのか、などについて知るのも目的のひとつでした、ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.2749-4 - 2014/01/21 (火) 04:45:39 - おお
本当に硫安を抜くことで失活が起こるなら、まずは硫安存在下でゲル濾過(脱塩でなくて、サイズで分離する)とどうでしょうか。なので使うバッファーは硫安が入ったものでクロマトを展開します。ただし硫安濃度がたかいと、通常のげるろか担体に疎水相互さようしてくっつく可能性はあります。

疎水くろまとは、疎水性の低い担体を使い(たとえばブチルとフェニルとかついてなくても支持体だけでもできる場合があるし、イオン交換カラムでも非常に高塩濃度であれば支持体と直接疎水相互作用することがある)、くろまとに載っけるときの硫安濃度でスルーするようなものであれば、そのまま乗っけてスルーのフラクションをとり部分精製をきたいするか、さらに高い硫安でつけてから、酵素活性が保てる硫安濃度で溶出するか。

そう言うのはできるかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.2749-3 - 2014/01/21 (火) 04:29:44 - おお
そのターゲットの蛋白量が見られていないので安定性だけで語っていいのかわかりませんね。

カラムの一部非可逆的に吸着してしまうのかもしれませんし、コファクターが分離されてしまうのかもしれませんし。

硫安からだとおっしゃるストラテジーは理想的といいますか、塩濃度が高い状態なので疎水クロマトをかますのが作業としてスムーズです。

いずれにせよ硫安で処理したなら、確かに脱塩は必要になるだろうし、、、

活性はかるときに硫安の持ち込みがあるとおもいますが、硫安が活性化に関与している可能性はありませんか?

ちょっと見えないところがあるので対処方法を考えるのが難しいです。

(無題) 削除/引用
No.2749-2 - 2014/01/21 (火) 04:02:57 - 比活性
答えではないですけど。

(1)まず、その蛋白のバンド当たりの活性が半分になっているというのは、確実なのでしょうか? つまり粗精製画分の全体の活性が半分になっているのではないということ。つまり、精製したから、その分活性が減っていないというのは確かなのですね?

(2)>仮説ですが、硫安濃度の変化が酵素の安定性に大きな影響を及ぼすと考えています。 硫安プラスマイナスで安定性をチェックしましたか? 沈殿物なら、ある程度までは、硫安プラスマイナスの条件が設定できますよね。

硫安溶液で保存が推奨される蛋白は結構あると思います。

酵素の硫安存在下における安定性と脱塩による失活 削除/引用
No.2749-1 - 2014/01/21 (火) 03:15:05 - もも
いつもお世話になっております。
現在あるネイティブの酵素を精製しており、その安定性についてどのように判断するべきか分からないため質問させていただきます。
酵素を精製する際に、30〜80%飽和硫安にて析出した沈殿物を2 M硫安入りのトリスバッファーに溶解したところ、非常に安定性が高く1ヶ月経過後も冷蔵にて活性が保存されていました。
従ってそのまま疎水クロマトグラフィーにうつったところ、溶出液には約半分の活性しか認められませんでした。もちろんフロースルーなどには活性は認められませんでした。その後、もう一度疎水クロマトグラフィーを行ったところ、多少回収率は小さくなるものの、硫安分画から疎水クロマトグラフィーへの移行にかけて見られたロスに比べると、ほとんど回収できていました。
そして、さらにその溶出画分を脱塩するためSephadex g25を担体としたゲル濾過カラムに供したところ、さらにここでも活性が半分ほどなくなっていました。
ちなみに、以前同じ酵素を近いタンパク濃度、量で、NaClを除くために同じカラムに供したときは回収率は悪くありませんでした。
分子量が小さいためラボにある限外濾過膜や透析膜では膜を通過してしまうため、硫安を除くには脱塩カラムが最もよいと考えました。

これらのことから、仮説ですが、硫安濃度の変化が酵素の安定性に大きな影響を及ぼすと考えています。
疎水クロマトと疎水クロマトの間ではそんなに活性がなくならないが、硫安分画から疎水クロマトの間、また疎水クロマトから脱塩の間では活性が大幅に削れる酵素について何か対処法がありましたら教えてください。
本当はじっくり検討すべきところですが、時間がないため有識者の力を借りたいです。

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