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自己免疫実験に関してマウスMHCに関して質問です トピック削除
No.2683-TOPIC - 2013/12/23 (月) 06:24:56 - H-2b
いつも拝見させていただいています。マウスのMHCに関して、分からないことがあるので質問させてください。

今、実験的自己免疫性脳脊髄炎モデル(MOG35-55ペプチド+完全フロイントアジュバント、+百日咳毒素)を利用して、ある遺伝子の欠損の影響を調べようとしています。

129系統のマウスと、129とC57BL/6のmix系統のマウスそれぞれの遺伝的背景のマウスがいますので、それぞれで試したところ、マウスが野生型であっても、129とC57BL/6のmix系統は全くEAEを発症せず、体重減少すら起こりません(N=6)。C57BL/6では全てのマウスが発症します(N=5)。

そこでMHCを比較しました。
129系統: MHCハプロタイプb(H-2Kb, H-2Db, H-2Lnull, I-Ab, I-Ek)
C57BL/6系統: MHCハプロタイプb(H-2Kb, H-2Db, H-2Lnull, I-Ab, I-Enull)

でした。今回MOGペプチドを用いており、その免疫によってAPCが提示し、それをTh17, Th1が認識して活性化することを想定しているので、MHCクラスIIにもしかしたら129とC57BL/6とで違いがあるのではと思いましたが、129にはI-Ekがあるのに対して、C57BL/6にはI-Eがnullとなっておりました。クラスは3つとも全て一致しています。

大変恥ずかしい事ですが、私はMHCについての知識が乏しいですが、C57BL/6のMHCクラスIIはI-A(b)のたった一つと考えてもよろしいでしょうか?とするとMOG35-55はこのI-A(b) に提示されていると考えてもいいとすると、129にもI-A(b) があるので、なぜ129がmixになるとEAEが全く起こらなくなるのか理解出来ません。

このことについて私の解釈が間違っていたり、別の解釈の仕方がありましたら教えていただけませんでしょうか?とても初歩的なことで恥ずかしいですが、御願いします。
 
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(無題) 削除/引用
No.2683-8 - 2013/12/28 (土) 02:44:30 - H-2b
MNさま

>EAEはマウスの系統や免疫するペプチドによって感受性が大きく異なります。見たい現象によって使い分けており、一般的にC57BL/6に対してはMOG35-55が使われ、急性期や慢性期の病態を見るのに適しています(再発期を見たいときには不向き)。129系はPLP178-191が使われることが多い系統です。MOG35-55で発症しないのはMHCだけが原因ではなく、要因がいくらでも考えられます。

129ではMOG35-55でEAEを起こさせてる論文は見るのですが、PLP peptideを用いる場合を多く見ましたので、ご指摘いただいてやはりそうなんだと思いました。ありがとうございます。

ちなみにわたしはMOG peptide溶液とCFAをガラスシリンジ内で混和し、emulsionを作製していますが、外国の共同研究者から20回ほどback and forthすればいいと言われました。それで行ったところ全てのマウスで発症しましたのでよかったのですが、その後調べたらemulsionが上手く出来ているか成功の鍵を握り、それは水浴にemulsionの一部を落とすことで判断可能と判りました。

そこで20回ではなく、20 minの機器間違えだったのではと思い、自分で20 minとはいきませんでしたが、100回以上back and forthを繰り返し、水浴に垂らしてみましたが垂らした液の半分が水浴上に拡散し、一部塊として水浴に残りました。少し心配でしたが、それでも以前よりは十分back and forthを繰り返しましたし、それを免疫したところ打ち込んだ全てのマウスが発症しませんでした。マウスMHCを疑うより、reagentの作り方が悪い可能性を疑った方がよさそうです。

もちご覧になっていましたら再度コメントいただけますでしょうか?
ガラスシリンジ内でCFAとMOG peptideを混和する際、どれくらいback and forthを繰り返しますか?できれば詳細に教えていただけませんでしょうか?

私は共同研究者から免疫前日にMOG溶液とCFAをガラスシリンジ内でback and forthを20回(もしくは20 min)ほど行い、それを4℃に一晩置いて、翌日免疫直前に再度数回back and forthをして免疫しなさいと言われました。その方はEAE/Th17の大御所のラボの方で信頼出来る方で、実際に初回にそのように行ったところ全てのマウスが発症しました。

ちなみに初回に作製したemulsionを水浴上に垂らすことなどはしませんでした。
私が調べた限りではemlsion作製はかなり時間をかけて行わなければならないと書かれてありました。
またnature protocolsでもEAE emulsionをvoltex, 45 minと書かれてありました。
みなさまのemulsion作製方法を教えてください。何度もすみません。

(無題) 削除/引用
No.2683-7 - 2013/12/28 (土) 02:30:59 - H-2b
直輝さま

返信が遅れてしまいすみません。
実験対象とするマウスはいずれも私どもの施設にて飼育しているものです。
できるだけ同じケージで同腹から産まれた仔を使用しています。

ですが、全てがこのような条件ではできない場合がありますので、環境の違いというのも頭に入れて取りかかろうと思います。ご指摘いただきありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.2683-6 - 2013/12/27 (金) 11:08:41 - MN
EAEはマウスの系統や免疫するペプチドによって感受性が大きく異なります。見たい現象によって使い分けており、一般的にC57BL/6に対してはMOG35-55が使われ、急性期や慢性期の病態を見るのに適しています(再発期を見たいときには不向き)。
129系はPLP178-191が使われることが多い系統です。MOG35-55で発症しないのはMHCだけが原因ではなく、要因がいくらでも考えられます。ちなみに129系でもIFN-gRのKOマウスでは発症しますから、MHCが原因ではない可能性が高いと思われます (Willenborg DO., et al., J Immunol. 1996)。

(無題) 削除/引用
No.2683-5 - 2013/12/23 (月) 18:05:21 - 直輝
そういう話だったら、遺伝的variationよりも飼育環境の違いの方が怪しいかなと思いました。

純系マウスは会社から買っていて(SPF飼育)、Mixは自分で交配しているからコンベンショナル飼育、ということはありませんか?

炎症関連のモデルだけに、SPFとコンベで差が出てもおかしくないと思います。
要するに、コンベの方が抗原に沢山さらされた結果、炎症に強くなったのかもしれない。

(無題) 削除/引用
No.2683-3 - 2013/12/23 (月) 13:39:07 - H-2b
直輝様
早速のお返事ありがとうございます。
抗原提示能に関しては、少なくともMHCの観点からすれば同程度が予想されるけど、それ以外の遺伝子にvariationがあるので、ということですね。

やはりバッククロスは必要になってきますね。

一点、更に御聞きしてもよろしいでしょうか?
論文検索すると、B6と129のmix backgroundのマウスでもEAEは起こるとする論文が数多く見かけます。むしろ、B6純系よりも強いとも書かれてありました。用いているEAEのreagentsは全て同じです。このような場合、やはり私のmixの系統でもEAEは起こるはずで、起こせなかったのは他にtechnicalなissuesを疑うべきなのでしょうか?それともやはり遺伝学的なvariationに起因するという考えは払拭できないのでしょうか?すみませんがお考えを聞かせていただけますと幸いです。

(無題) 削除/引用
No.2683-2 - 2013/12/23 (月) 10:22:50 - 直輝
Mixは純系と違って、対立遺伝子にバリエーションがあるので、神経変性に強くなったんじゃないでしょうか?
例えば、軸索の修復機能がUPしていて、同じ投与量だとEAEを発症しないとか。

129とC57BL/6のゲノムはいたるところで異なっているので、MHC以外にもたくさん可能性があると思います。

自己免疫実験に関してマウスMHCに関して質問です 削除/引用
No.2683-1 - 2013/12/23 (月) 06:24:56 - H-2b
いつも拝見させていただいています。マウスのMHCに関して、分からないことがあるので質問させてください。

今、実験的自己免疫性脳脊髄炎モデル(MOG35-55ペプチド+完全フロイントアジュバント、+百日咳毒素)を利用して、ある遺伝子の欠損の影響を調べようとしています。

129系統のマウスと、129とC57BL/6のmix系統のマウスそれぞれの遺伝的背景のマウスがいますので、それぞれで試したところ、マウスが野生型であっても、129とC57BL/6のmix系統は全くEAEを発症せず、体重減少すら起こりません(N=6)。C57BL/6では全てのマウスが発症します(N=5)。

そこでMHCを比較しました。
129系統: MHCハプロタイプb(H-2Kb, H-2Db, H-2Lnull, I-Ab, I-Ek)
C57BL/6系統: MHCハプロタイプb(H-2Kb, H-2Db, H-2Lnull, I-Ab, I-Enull)

でした。今回MOGペプチドを用いており、その免疫によってAPCが提示し、それをTh17, Th1が認識して活性化することを想定しているので、MHCクラスIIにもしかしたら129とC57BL/6とで違いがあるのではと思いましたが、129にはI-Ekがあるのに対して、C57BL/6にはI-Eがnullとなっておりました。クラスは3つとも全て一致しています。

大変恥ずかしい事ですが、私はMHCについての知識が乏しいですが、C57BL/6のMHCクラスIIはI-A(b)のたった一つと考えてもよろしいでしょうか?とするとMOG35-55はこのI-A(b) に提示されていると考えてもいいとすると、129にもI-A(b) があるので、なぜ129がmixになるとEAEが全く起こらなくなるのか理解出来ません。

このことについて私の解釈が間違っていたり、別の解釈の仕方がありましたら教えていただけませんでしょうか?とても初歩的なことで恥ずかしいですが、御願いします。

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