皆様がすでに書かれていますが、タンパク質の発現を抗体で見る場合、
WB<<ICC<<IHC
の順に難易度が格段に増していきます。
つまりWBで使えてもICCで使えないのも、ICCで使えてもIHC
では使えないことも非常によくあることです。
発現量や発現組織によって使えないこともあります。
残念ながら、企業が販売している抗体でもよくあるので、
少量ずつ購入するか、サンプルを貰って自分の実験系で
使えるか試すのが普通です。
どこまでの労力をかけられるのかは実験により異なりますが、
ICCでバッチリと見えないのであれば、当然IHCでは全く見えないでしょう。
少なくとも標的組織の培養細胞か、transfectionした哺乳細胞のICCの
結果を指標に抗体を幾通りも作製し検討するのが早道だと思われます。
仮に抗体はそのままで固定法や染色法、賦活化法を検討される場合には、
組み合わせは非常に多く、それを組織切片で検討される場合には
半年は覚悟された方が良いです。
それは抗原と抗体の組み合わせに応じて、ベストな条件が異なり
人の意見があまり役に立たないからです。
だからこそ、一度確立された染色条件は貴重な知識なわけですが。
@PFAかザンボニ液か
A後固定の有無と時間
B切片の厚み
C抗原賦活化処理(プロK処理、トリプシン処理、電子レンジ、オートクレーブ、賦活化液の種類とpH、温度条件、反応時間)
Dブロッキング濃度・時間、界面活性剤の種類
E1次抗体の濃度・温度・時間
Fフロートで染めるか、貼り付けで染めるか
GABC法、DAB、ポリマー法、TSA法
これら全ての条件をシラミ潰しにする時間と労力と金銭を掛ける価値が
あるかは、よくよく考えられたほうがいいです。
Gの発色の工程で必要な抗体やキットは結構高額です。
条件検討はパラメーターが少ない方が楽ですから、
基本的にICCでバッチリ使える抗体が出来るまで頑張るという方針が
私のお勧めです。 |
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