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2波長励起について トピック削除
No.2621-TOPIC - 2013/12/04 (水) 21:59:28 - みみ
いつも勉強させて頂いています。

カルシウムイオンに結合する、ある蛍光プローブを励起させるのに2波長励起ということを行おうとしています。データシートを見ると、2波長励起にする理由として、「増加する波長と減少する波長の蛍光強度の比は、色素濃度や光源の強度、細胞の大きさに依存しないため、正確なカルシウム濃度が測定できる」とあるのですが、この論理がよく分かりません。
どなたか2波長励起にお詳しい方、ご解説頂けないでしょうか。
 
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(無題) 削除/引用
No.2621-9 - 2013/12/09 (月) 17:57:21 - みみ
AP様、中西部ポスドク様

大変わかりやすいご説明をありがとうございました。
かなり理解が深まりました。
今後ともよろしくお願い致します。

(無題) 削除/引用
No.2621-8 - 2013/12/07 (土) 15:05:27 - AP
Fra2の場合はCa++結合体と非結合対で蛍光波長は同一で励起波長(吸光ピークの波長)が異なるんですね。前のコメントは蛍光波長のシフトを想定して書きましたが、その点、読みかえてください。

この試料を使って説明すると、
http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&ved=0CDIQFjAB&url=http%3A%2F%2Fwww.wako-chem.co.jp%2Fsiyaku%2Fkiki%2Fimages%2Fproduct%2Fmulti%2Fbooks%2FM200_Fura2.pdf&ei=hrOiUq_xO8ejkgXm8IFI&usg=AFQjCNHba7x17XD0Wufz55FFjbge5P4NGA&sig2=CZyYfuyFO5FBVoyD3uj3rg&cad=rja

Fra2とFra2Ca++で励起波長がシフトしているので、簡単に言うと、380 nm励起で光るのはFra2単体であって、340nm励起で光るのはカルシウム結合型Fra2Ca++です。それぞれの蛍光強度はFraとFraCa++それぞれの量に比例します。

Fra2 + Ca++ <---> Fra2Ca++
という反応平衡において、Ca++濃度が上昇するにしたがって右向きにシフトするので、Fraが減って、FraCa++が多くなります。したがって、380 nm励起の時の蛍光光度があがり、340 nmのそれが下がります。380 nm励起時の蛍光強度と340 nm励起時の蛍光強度の比が、なぜCa++濃度を反映するかということの説明は、前に述べたとおり。
Ca++濃度はFra2Ca++濃度/Fra2濃度のratioに比例するからであり、
Fra2Ca++濃度とFra2濃度は、それぞれ380 nmと340 nmで励起されたときの蛍光強度に比例するからです。

(無題) 削除/引用
No.2621-6 - 2013/12/07 (土) 13:14:50 - みみ
AP様、中西部ポスドク様ご回答誠にありがとうございます。

>[Re:5] 中西部ポスドクさんは書きました :
シグナル強度は細胞間、もしくは処理等によって大きく変わります。例えばカルシウム濃度は等しい、1倍の体積の細胞と2倍の体積の細胞ではシグナルも二倍違うはずですが、カルシウム濃度は変わりません。同様に細胞Aと細胞Bを比較したい際、カルシウム濃度が同じでも色素の取り込みが二倍違うとシグナルは二倍になります。

このあたりは理解できるのですが、

> 二波長のFura2のメリットとしては例えば前述のカルシウム濃度は等しい、1倍の体積の細胞と2倍の体積の細胞では340nmからのシグナルと380nmのシグナルがそれぞれ二倍違うはずですが、比をとることによって、カルシウム濃度が等しいことが示せます。

比をとることによってカルシウム濃度を等しいことを示すのであれば、なぜ340nmと380nmを比べるのでしょうか。340nmは色素がもっとも励起される波長なので分かるのですが、その340nmとなぜ380nmを組み合わせるのでしょうか?320nmや360nm、400nmだと駄目なのでしょうか?



>[Re:4] APさんは書きました :
> あるCa++結合性の蛍光物質FがCa++と結合してFCa++となるとき次のような平衡が成り立ちます。
>
> F + Ca++ <---> FCa++
> 右向き反応の平衡定数をKとすると
> K= [FCa++] / [F][Ca++] ( [ ]はそれぞれの濃度)
>
> これの意味するところは、ある濃度のCa++が存在する反応系に加えられたFの濃度が異なっていようと(例えば細胞のある局所に浸透したFの濃度が異なっていようと)FCa++とFの比は一定であるということです。
>
> FCa++とFのRatioをRとすると
> R=K[Ca++]=[FCa++]/[F]
> Rは[Ca++]の濃度に比例します。
>
> 蛍光強度は蛍光物質の濃度に比例するとして、FがCa++と結合してFCa++になったとき蛍光波長のシフトが起こるなら、両者の蛍光のRatioはCa++濃度に比例します。
>
F + Ca++ という状態は蛍光強度が減少していく波長の光を当てている状態を指しているのでしょうか?そうであれば、Fura2に380nm周辺の光を当てたときの蛍光強度は減少していく一方なので、380nmというのは理解できるような気がするのですが。。。

解釈間違っていますか?

Fluo4とFura2 削除/引用
No.2621-5 - 2013/12/06 (金) 05:00:48 - 中西部ポスドク
短波長のプローブとしてFluo4、二波長のものとしてFura2があります。
一見Fluo4の方が素直にシグナル強度=カルシウム濃度として測れそうですが、シグナル強度は細胞間、もしくは処理等によって大きく変わります。例えばカルシウム濃度は等しい、1倍の体積の細胞と2倍の体積の細胞ではシグナルも二倍違うはずですが、カルシウム濃度は変わりません。同様に細胞Aと細胞Bを比較したい際、カルシウム濃度が同じでも色素の取り込みが二倍違うとシグナルは二倍になります。もしくは薬剤排泄の程度、細胞内エステラーゼの活性等のファクターによってもシグナル強度が左右され得るため、基本的にはかなり均一な細胞でしか自分たちは使っていません。
二波長のFura2のメリットとしては例えば前述のカルシウム濃度は等しい、1倍の体積の細胞と2倍の体積の細胞では340nmからのシグナルと380nmのシグナルがそれぞれ二倍違うはずですが、比をとることによって、カルシウム濃度が等しいことが示せます。また試験管内でのカルシウム濃度とシグナル比の絶対値が決まっていますので、細胞内のカルシウム濃度の絶対値を推測することができます。

(無題) 削除/引用
No.2621-4 - 2013/12/05 (木) 09:30:07 - AP
あるCa++結合性の蛍光物質FがCa++と結合してFCa++となるとき次のような平衡が成り立ちます。

F + Ca++ <---> FCa++
右向き反応の平衡定数をKとすると
K= [FCa++] / [F][Ca++] ( [ ]はそれぞれの濃度)

これの意味するところは、ある濃度のCa++が存在する反応系に加えられたFの濃度が異なっていようと(例えば細胞のある局所に浸透したFの濃度が異なっていようと)FCa++とFの比は一定であるということです。

FCa++とFのRatioをRとすると
R=K[Ca++]=[FCa++]/[F]
Rは[Ca++]の濃度に比例します。

蛍光強度は蛍光物質の濃度に比例するとして、FがCa++と結合してFCa++になったとき蛍光波長のシフトが起こるなら、両者の蛍光のRatioはCa++濃度に比例します。

(無題) 削除/引用
No.2621-3 - 2013/12/04 (水) 22:50:23 - AP
ヒント「レシオ測定法」「ratio fluorescence」

(無題) 削除/引用
No.2621-2 - 2013/12/04 (水) 22:11:51 - 直輝
普通の染色は、色素濃度が濃かったり光源の強度が強くなると、バックグラウンドも上がる。

2波長励起は、色素濃度や光源強度によりバックグラウンドが高くなったとしても、2波長の吸光度の比をとるのでバックグラウンドの影響がキャンセルされる。

という意味だと思います。

細胞の大きさのくだりはイマイチわかりませんが、細胞の表面積(色素の取り込まれやすさ)と体積のことを言ってるのかな??

2波長励起について 削除/引用
No.2621-1 - 2013/12/04 (水) 21:59:28 - みみ
いつも勉強させて頂いています。

カルシウムイオンに結合する、ある蛍光プローブを励起させるのに2波長励起ということを行おうとしています。データシートを見ると、2波長励起にする理由として、「増加する波長と減少する波長の蛍光強度の比は、色素濃度や光源の強度、細胞の大きさに依存しないため、正確なカルシウム濃度が測定できる」とあるのですが、この論理がよく分かりません。
どなたか2波長励起にお詳しい方、ご解説頂けないでしょうか。

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