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抗体作製のためのタンパク精製 トピック削除
No.2597-TOPIC - 2013/11/27 (水) 04:27:25 - Atail
ウサギポリクロ抗体を作る予定です。タンパク精製の方法について質問があります。

過去に別のタンパクについて抗体を作製した時は、pGEX発現からのGST精製、PreScisionでGSTタグを切除し、これをウサギにinjectしました。ところが、精製タンパク中にHSPのコンタミがあり(ATP洗浄で幾分かは除きました)、仕上がった血清中にもマイナーではあるもののHSP抗体がありました。

そこでGSTではなくHisタグ精製への変更を検討しています。精製後、His部分をプロテアーゼで取り除かずにimmunizationに用いた場合、(1)やはりウサギ中でHis抗体も作られてしまうか、(2)そのHis抗体が実験をどの程度阻害するか(抗His抗体によって検出されてしまうノンスペ等)、についてお教え頂ければと思います。

扱うタンパク質によって様々ということは重々承知の上ですが、そもそも上記の様なことが起こる/起こらなかったなど経験談があれば心強いです。
 
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(無題) 解決済み 削除/引用
No.2597-12 - 2013/11/28 (木) 11:52:13 - Atail
これまでは血清からtotal IgGとして精製しておりましたが、抗原タンパク質を担体に固定化することで目的IgGのみを精製する方法については、大変恥ずかしながら初見でした。とは言うものの、以前ビーズへの架橋試薬を試そうとしたことがあるので、よく考えれば分かることなのですが…。その当時ボスには架橋試薬の使用を猛反対されたのですが、皆様揃って「極めて一般的な方法」とコメント頂きましたので、改めて抗原タンパクを用いてのアフィニティー精製を行いたいと思います。細かな情報までいろいろとありがとうございました。

少しだけ補足ですが、

> 6xHisに変えてHSPの抗体ができなるなるという理屈は成り立たないですよね。。。

HSP抗体コンタミの原因となる精製タンパク中への大腸菌HSPの混入は、pGEXベクターを使ったGSTによる精製で起こります。これはGEのマニュアルにも書いてありますし、一方でpETを使ったHis精製ではこれまでHSPの混入が起きたことはありません。そうゆう訳で、Hisに替えようとこの質問を立てました。

> HISは想像でいいますとあまり抗原せいがつよくないんだとおもいます。6xHISは実際にあまりいい抗体は知る限りではみあたりません。

確かにNiでのpull downには優れていますが、ヒトタンパクにHisをつけての293からのIPが全くもって動かなかった経験があります。

抗体精製はこれまで二種類のファミリータンパクにいて行ったことがあるのですが、まだまだ勉強不足と実感致しました。改めましてコメントを下さった皆様の御助言に感謝申し上げます。

(無題) 削除/引用
No.2597-11 - 2013/11/27 (水) 22:53:16 - 名無し

望まない抗体が一緒に出来てしまう事はよくある。その場合は単に抗血清をアフニティー精製すればいい。よい抗血清がとれたときでも、こうした処理は抗体の特異性を向上させるのでやって損は無い。方法は2つある。

抗原となる蛋白質の精製標品を担体(ビーズ)に共有結合して小さいカラムを作成する。蛋白質を固定化する担体としては古典的なものとしてactivated CHsepharose等が、また最近はその他いろいろ市販されている。具体的な作成手順はメーカーの文書参照。
ちゃんとした本格的なものでなくても、たとえば通常のエコノカラムとか、スピンカラムのようなものでいい。具体的な方法は血清を添加し1時間ていど混ぜてから、よくあらい、pH2前後の0.2M Glycine-HCl buffer等で溶出する。溶出後はTris等ですみやかに中和し、pH試験紙でチェックする。

コンタミの抗体が抗HSP抗体が主ならば、HSP精製標品(大腸菌等のHSP関係ならば、たぶん市販品ある。)を上記の方法で担体に共有結合してアフィニティーカラムを作成し、それにゆっくり血清を通す(流速がはやいと十分結合する前に素通りしてしまうので混ぜた状態でしばらく置くほうがよい)、素通り画分を回収。HSP抗体は担体に吸着するので除かれる。もしまだかなり残存するなら繰り返す。簡単だし、低いpHのbufferによる溶出/中和操作が不要なので、こちらの方がよいと思う。

(無題) 削除/引用
No.2597-10 - 2013/11/27 (水) 13:37:31 - おお
もうすでに大体のことがカバーされたコメントがツイてますが、6xHisに変えてHSPの抗体ができなるなるという理屈は成り立たないですよね。。。

タグに対する抗体はできるものとおもって抗体をつくっていると考えていいと思いますよ。実際にGSTきらないで抗体作ったりもするわけでして、GSTの抗体はできるけど、人のものとのまんまるのものとの交差性はあまりないとされています。まあひつようならGSTで吸収するというてがとれますね。

HISは想像でいいますとあまり抗原せいがつよくないんだとおもいます。6xHISは実際にあまりいい抗体は知る限りではみあたりません。なのでターゲットの交代がドミナントになるのでしょう。しかしながら、哺乳類とかしんかく生物では、Hisストレッチをもつ蛋白はまあまああります。くわえてWBの検出感度が上がってきてますので、昔は見られなかったバックグランドがでても不思議ではありません。

なので、吸収あるいは、なるだけきれいに精製した蛋白であふぃにティー精製をするというのが、一番がまあ普通のかつて直接的なほうほうろんだとおもいます。

なのでtagをかえてうんぬんというのはあまり得策ではないのではと。

すでにできあがった抗体があるなら改めて作るよりそれをさらに特異性をあげればいいんじゃないでしょうか。

もしどうしても大腸菌からの持ち込みをさけたいなら、ペプチドを合成というてもありますが、当たり外れが激しいというのはあるかもしれません。

対象生物が原核生物とかになるとちょっと話がちがってきますので、検討外れのかいとうかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.2597-9 - 2013/11/27 (水) 12:10:11 - AP
標的抗原に対して抗体をアフィニティ精製するってのは、常識的なテクニックですよね。
あまりに浸透し過ぎて、アフィニティ精製していない抗体は抗体にあらずとか、使い物にならないとか頭から信じこんでしまっている人もいるくらいに(実際には抗血清でも十分にworkする場面、場合も少なくないのに)。

実際のところ、免疫源に含まれる夾雑タンパク質による意図しない抗体の産生というだけでなく、免疫していない正常血清の中ですら、いろいろな反応性をもった抗体は含まれているもので、しばしばそれらが意図せぬ交差反応を起こしたりします(ちなみに免疫した抗血清のうち免疫源に対する抗体は全IgGの1%くらいにしかすぎないと言います)。 なので、免疫源の夾雑物を極力除くというのはもちろん結構ですが、手間の割に小手先感が否めないよねーで、抜本的な策になっていないように思います。これまでにもいろいろなことをやったみたいですが、なんでそんなまわりくどい、手間のかかることしてる(わざわざ交差反応がHspであることを確認したり、わざわざその融合タンパク質を作ったり)のか、私にはよく理解できません。独自路線でなく、まずは教科書通り、世の流れどおりにやったらいいんじゃないかなあ。

(無題) 削除/引用
No.2597-8 - 2013/11/27 (水) 09:59:38 - 独り言
> こちらにもありますが、もしかして、仕上がった血清を目的タンパク結合レジンに通し、何らかの方法でターゲットの抗体を溶出してくるということでしょうか?

はい、そうです。

> また、GST融合のまま抗体を作られたというのは、そもそも血清から目的IgGのみを(上記の方法で)精製することを前提としているということでしょうか?

精製することを前提とはしてません。血清抗体が使用できれば、一番楽なので。実際にGST付いていてもウエスタンなどに十分使用できる血清抗体ができてます。(GSTを取らない理由は、面倒なことと、コストカットですが、切断できるなら、切断したほうが損はないでしょう)。血清抗体で目的タンパク質を検出できるが、タイターが弱かったり、ノンスペが多かったりする場合に、アフィにティー精製を行います。100%改善するとは限りませんが、大抵はノンスペが減るし、IPの時のどっさりしたIgGバンドも激減するし、より良くなります。

(無題) 削除/引用
No.2597-7 - 2013/11/27 (水) 09:32:07 - Atail
恥ずかしながらアセトンパウダーというものを初めて耳にしましたが、私が以前行ったHSP抗体除去は原理としては同じものと理解します。

(無題) 削除/引用
No.2597-6 - 2013/11/27 (水) 09:28:32 - Atail
> どうしてHSP抗体だとおもったのですか?
> 大腸菌HSP(?)が混じっていたと思うのですか(きっとそういう事ですよね)、それとも動物のHSP抗体が混じっていたと考えているのですか。

精製タンパク溶液中に大腸菌由来のHSP70が混ざっていたため、抗体(血清)中に抗HSP70抗体が含まれ、これがヒトHSP70を検出した、という結論です。

これを確認した手順は以下の通りです。精製タンパク中にマイナーバンドがあり、これがSDS-PAGE上で大腸菌HSP70と全く同じ位置でした。その後完成した抗体でヒト培養細胞のwceに対するウエスタンを行ったところ、目的バンドの他にはやりHSP70と思われる位置にバンドが弱く検出されました。そこでGST-HSP70を大腸菌で発現させ、グルタチオンレジンに結合させたところへ血清を流し、flow through画分をウエスタンに用いたところ、弱いバンドは検出されなくなりました。

> His抗体はできてきます。対処は、TK-1さんのおっしゃるとおり。
> せっかくだから、His抗体も別途精製しておきましょう。役に立ちます。

> His-tagで抗体を作って、GST-fusion proteinのカラムで精製すればいい抗体が取れると思いますが

大変恐縮ですが、血清中から抗His抗体と抗目的タンパク抗体を分ける方法の理解が追いついておりません。私としては、なんでもいいからHisタグのあるものをNiレジンに結合させておいて、ここへ血清を通すことで抗His抗体を除くつもりで考えておりましたが、これではHis抗体は回収出来ません。

> むしろGSTさえも切らずに GSTとの融合タンパク質ごと抗原にしてました。もちろん綺麗な抗原であるほどよいわけですが、ウサギさん自体がもともともっている抗体もあるわけで、運も左右されるのかなと。
> なので抗体血清をアフィニティー精製すれば、いいのではないでしょうか。

こちらにもありますが、もしかして、仕上がった血清を目的タンパク結合レジンに通し、何らかの方法でターゲットの抗体を溶出してくるということでしょうか?

また、GST融合のまま抗体を作られたというのは、そもそも血清から目的IgGのみを(上記の方法で)精製することを前提としているということでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.2597-5 - 2013/11/27 (水) 09:13:11 - AP
大腸菌由来抗原に対する抗体が出来ていても、標的生物に交差する抗原がなければ使用上は問題ないはずですが。

もちろんアフィニティー精製は上等な対処法ですが、大腸菌で発現させ精製したタンパク質を免疫原とした抗血清から夾雑抗原にたいする抗体を除くのに宿主菌(目的遺伝子配列を組み込んでいないpGEXで形質転換した)のアセトンパウダーで前吸収するのは簡単な割に効果が高いです。

(無題) 削除/引用
No.2597-4 - 2013/11/27 (水) 08:30:20 - qq
>HSP抗体がありました。
どうしてHSP抗体だとおもったのですか?
大腸菌HSP(?)が混じっていたと思うのですか(きっとそういう事ですよね)、それとも動物のHSP抗体が混じっていたと考えているのですか。
>His抗体も作られてしまうか、
His抗体はできてきます。対処は、TK-1さんのおっしゃるとおり。
せっかくだから、His抗体も別途精製しておきましょう。役に立ちます。
抗血清をそのまま使うのはちょっとためらいます。最近のウェスタンの検出系は大変高感度なので、大腸菌タンパクをフルセットで検出するかもしれません。昔のクロロナフトール発色程度に感度を落とすのであればOKかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.2597-3 - 2013/11/27 (水) 05:05:53 - 独り言
むしろGSTさえも切らずに GSTとの融合タンパク質ごと抗原にしてました。もちろん綺麗な抗原であるほどよいわけですが、ウサギさん自体がもともともっている抗体もあるわけで、運も左右されるのかなと。
なので抗体血清をアフィニティー精製すれば、いいのではないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.2597-2 - 2013/11/27 (水) 04:40:02 - TK-1
His-tagで抗体を作って、GST-fusion proteinのカラムで精製すればいい抗体が取れると思いますが。

抗体作製のためのタンパク精製 削除/引用
No.2597-1 - 2013/11/27 (水) 04:27:25 - Atail
ウサギポリクロ抗体を作る予定です。タンパク精製の方法について質問があります。

過去に別のタンパクについて抗体を作製した時は、pGEX発現からのGST精製、PreScisionでGSTタグを切除し、これをウサギにinjectしました。ところが、精製タンパク中にHSPのコンタミがあり(ATP洗浄で幾分かは除きました)、仕上がった血清中にもマイナーではあるもののHSP抗体がありました。

そこでGSTではなくHisタグ精製への変更を検討しています。精製後、His部分をプロテアーゼで取り除かずにimmunizationに用いた場合、(1)やはりウサギ中でHis抗体も作られてしまうか、(2)そのHis抗体が実験をどの程度阻害するか(抗His抗体によって検出されてしまうノンスペ等)、についてお教え頂ければと思います。

扱うタンパク質によって様々ということは重々承知の上ですが、そもそも上記の様なことが起こる/起こらなかったなど経験談があれば心強いです。

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