あくまで私感ですけど
1) 293細胞が目的の遺伝子20種すべてを発現しているとして、shRNAの効果を検証するのに使うのは遺伝子導入効率の高さから考えても妥当ですが、ウイルスを産生させる必要はありません。ウイルス産生による細胞毒性などを考えても、shRNAの発現ベクターのみを導入して、shRNAの効果をみるべきです。その場合、puroでの選択は必ずしも必要ではなく、トランスフェクション2-3日後に評価すれば十分です。もし、293細胞がターゲットを発現していない場合でも、目的のタンパク質の発現ベクターを同時にトランスフェクションすれば効果がみれます。
ただ、注意しないといけないことは、細胞の種類によってターゲットの発現量が異なるため、293細胞で効果がみられても実際使う細胞で効果が見れない事もあります。経験上ですが、発現量が多いタンパク質では見かけ上のノックダウン効率は高い印象があるので、特に293細胞に強制発現して効果を見た場合は注意が必要です。
3) PolII系のプロモーターを利用してmiRNA-based siRNAを発現するシステムはいくつか報告され、販売されています。このシステムの利点としては、薬剤耐性や蛍光タンパク質の後ろにmiRNA配列を付加することで、選択マーカーとsiRNAを同時に発現できることでしょうか。ステムループの配列など異なるのでshRNAの配列をそのまま使う事はできないと思います。
PolIII系とPolII系のどちらが効率がよいかは、調べてませんが、論文などありそうです。 |
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